白いゆめ


そろそろ帰らなくちゃと思いながら

ふうちゃんとなっちゃんと

路をあるいている

公園があって

冬だから寒い

裸木がほそくてんてんと立っている

しばらくすると

淡いピンクの

あの儚い薄い花びらが見えて

さくら

私たち三人はびっくりする

そうだ

公園は何処までも続き

見たことのないようなおおきな花を咲かせた背の低い木が

でもさくらだ

さくらだね

私たちは云い合う


そろそろ帰らなくちゃと思いながら

でもいつまでも夕暮れより一時間まえのこの時間が

続いているのだった

だから私たちは歩き続ける

私はうれしい

公園のふしぎな柵によじ登ったりなんかしてみせて

ふたりにわらわれることもうれしい

さくらがうれしい

寒いけれどうれしい


いつまでも夕暮れより一時間まえ

白い空に咲く冬のさくら

白いゆめ

私はうれしい

寒いけれどうれしい







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