第234話 初めての剣術
冬休みもとい、クティル王国祭休みが終わる前に剣の事について兄に相談しました。
「お兄ちゃん、私でも剣を振るえるんだよね?」
「ああ勿論さ、ただ...、カリンは女の子だからあんまり大きい剣は持てないと思うけどな」
大きい剣...、小説で出てくるような男の人の身長と同等の長さの剣がこちらの世界にはあるのでしょうか?。
そう思うと少し興奮してきます。
なんか大剣ってロマンを感じませんか?。
まあ、私は子供ですし、まだそんな重たい剣は持てないでしょうけど、いつか一度は振り回してみたいとは思いますね。
自分が巨大な剣を振り回すシーンを思い浮かべるとにやけてしまいます。
「大剣...、いい響き...」
「おい、カリン...、大丈夫か?」
えへへ笑みを浮かべる私を見たお兄ちゃんでしたが、そこに触れては来ませんでした。
「ま...まあ最初は短剣からだな!」
兄はそう言うと、私用の小さい剣を錬成して作ってくれました。
「ほいっ、カリン様に小さく軽く作ったから振り回し易いと思うぞ」
「お兄ちゃんありがとう!」
人生で初めて剣を貰ったので、試しに振って見ました。
「えいっ!、たぁっ!」
思ったように剣を振れません。
短い剣のはずなのに振り回されている感が半端ないです。
「あ〜、違う違う、こうやるんだって!」
見かねた兄が丁寧に剣の振り方を教えてくれました。
兄の教えは分かりやすく、すらすら頭に入ってくるような気がします。
1時間程剣の勉強をすると、兄がこう呟きました。
「今日はおしまい」
「え〜なんで〜」
良いところだったのにやめるというので文句を言いたくなりましたが...。
「カリンの足震えてるだろ?」
「えっ...?」
兄に言われるまで気がつきませんでしたが、どうやら私の体は限界に来ていたようです。
確かに剣を振るのが楽しくてついつい頑張っていましたが、所詮は小1の体です。
1時間の運動でも相当な体力を消耗していました。
それを見抜くとは、さすが騎士だと思いました。
「お兄ちゃん、また今度剣を教えてね」
「ああ、カリンの頼みなら剣くらいいつでも教えてやるぞ」
ニコニコ笑顔の兄を見ているとやる気が出てきます。
お兄ちゃんには追いつけなくても、少しだけ剣が使えるようになれれば良いかな、基礎体力もおまけでつくしね。
魔法だけだと心もとないと思って始めた剣の稽古...。
はてさて、どのくらいの効果が出るのでしょうか?。
...、やってみないとわかんないよね!。
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