第233話 はぁ、そろそろ休みも終わりかぁ...

 私は家に帰って寝る支度を整えていました。

 カレンダーを見てみると、ついに長かった休みが終わる日が近づいているみたいです。


「はぁ...、そろそろ休みも終わりかぁ...」


 詰まる所、私の元いた世界で言う冬休みであろうクティル王国祭休暇の終わりが近づいてきていたのでした。

 ...、長期休暇の終わる前は体が重くなるような感じがします。


「学校か...」


 この一年を振り返ります。

 まあ、一年もはこっちにいなかったんだけどね。

 カレンダーを見る限り、こちらに来て大体5〜6ヶ月くらい経っているのだと思いました。


「結構経ったと思ってたけど...、たったそれだけしか経っていないのか...」


 人間という生き物は年を取るごとに時間の流れが早く感じる生き物です。

 それはなぜかと言うと、年を追うごとに得られる経験が少なくなり刺激が足らなくなって、結果的に経つ時間が早くなるからなのだそうです。

 つまり、こちらの私は初めてを得る事が多い為、約半年間を長く感じていたのでしょう。


「やっぱり...、ある意味めっちゃ貴重な経験してない私...」


 もう一度小1からやり直せるなんて、神様が与えてくれたチャンスだとも思えてしまいます。

 それも、女神に愛された家庭に生まれているので、余計にそう感じずにはいられません。

 私は両手を合わせ目を瞑り、静かにこう呟きました。


「女神クティル様...、私餅月林華に新たな人生を与えてくださり感謝します...」


 なぜこのような気持ちになったのかは分かりませんけど、ただ何となくそうしたくなる私なのでした。

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