第164話 やっぱり王国祭って楽しい!!

「あはは!、人がいっぱ〜い!!」


 私は白装束を風になびかせながら楽しそうに祭りを満喫していた。

 ただ町の中を走っているだけでかなり面白いと感じるのは、やはり私が子供だからだろうか?。

 そんな事を思っていると目の前にいた子供とぶつかってしまう。


「イタタ...」


「ごめんね、大丈夫?」


 悪いと思い謝る私。

 彼女は痛そうにぶつかった場所をさすっているが、すぐに笑顔になってこう呟いた。


「大丈夫だよ、このくらいの傷なら魔法で治しちゃうから」


 そう言って怪我をした場所に手を当てると一瞬で治ってしまった。

 それを見た私は声を上げる。


「すごい!、あなた小さいのにそんな魔法使えるんだね!」


「まあね」


 ちょっと得意げな彼女を見て笑う私。

 それを見た彼女は少し不満そうだった。


「何で笑っているの?」


「いや...、ちょっと面白かったからつい...」


 彼女の風貌は茶髪の髪に月の髪飾りを付け、緑の瞳が特徴的な少女だった。


「ねえ?あなたの名前は?」


「えっ?、カリンだけど...」


「私はね...エリサって言うんだ!」


 フードを脱ぎ去り金髪の髪を彼女に見せる私。


「何でちょっと溜めたの?」


 彼女に指摘され少し戸惑う

 私が答えられずにいると、なんだかお互いにおかしくなり笑い合う私たち。


「ねえ、カリンはこの後空いてる?」


「まあ、正直言うと暇なんだよね」


「じゃあちょっとだけ私と遊ばない?」


「あなたと?」


「そう!、カリンはちょっとだけ悲しそうな表情してるから、私が一緒に遊んで楽しくしてあげようと思うんだ!」


 彼女はハッとしたように驚くと、顔を真っ赤にしました。


「もしかして...、落ち込んでたの見た?」


「そりゃあもうバッチリと」


 私は敢えて言わせて貰った。

 その方が面白いと踏んだからである。

 すると、私の予想通りの反応が返って来たので思わず笑みを浮かべた。


「もう!!、そこは見てないって言ってよ!!」


「ハハッ!ごめんごめん!、そうだね...、とりあえずあそこ行こっか!」


 私の指差す方向には、綿飴の屋台がある。


「なに?、綿飴でも食べたいの?」


「ハハッ!、そうだよ!、私が食べたいから!」


 もちろん私の奢りだ。

 店かで綿飴を購入した私は少しちぎって彼女の渡しました。

 先にそれを食べた私が彼女の味の感想を述べます。


「カリンも食べなよ!、味が4回変化するんだよこの綿飴!」


「味が4回も!?」


 最初は疑わしそうな表情を見せたいた彼女ですが、一口食べると頷きます。


「本当だ!!、果物っぽい味が4回も変わった!」


「だよね!、美味しいよね〜!!」


 私と彼女はお互いに笑いあっていました。

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