第136話 ここがいつもの町なの!?
「うわぁ〜...」
思ったよりも変わり様が凄まじかったので、思わず声をあげました。
「どうだカリン、スゲ〜だろ?」
「うん!凄いと思う!」
町の変わり様を見た私は、さらにこの祭りに興味を持ちました。
そこには見慣れた町ではなく、まるで不思議な世界のアリスみたいな世界に変貌していたのです!。
たった1日でここまで外見が変わるのはやはり魔法のおかげなのでしょうか?。
まだ一歩しか家の外に出ていないのに、もう楽しい気分になってしまいます。
色々考えていると、家の前に出店を構えている人たちからイカ焼きとわたあめを渡されました。
「おたくらが剣聖ローシュ様と賢聖エルカ様のお子さんだろ?、あんたらの親のおかげで、うちらがこうして商売できてるんだから感謝しないとな!」
ガハハと笑う彼らの店の前には沢山の人が並んでいました。
恐るべし!場所取り効果!!と思ってしまいます。
それでも食べ物を貰っているので、私達はお礼は言います。
「おじちゃん!ありがとう!」
「オヤジ、ありがとうな!」
子供らしく手を振ってみると、その人は照れながら店の方に戻って行きました。
町の方に向かいながらで歩き食いします。
兄さんがイカ焼きを食べ、私がわたあめを頬張ります。
異世界なのですが、祭りの定番メニューがある事にホッとする私。
なんとなく見覚えのある物があるだけでも安心するのは、未知なる世界の祭りという物を身近に感じさせてくれるはず...、だったのだが...。
私がわたあめを食べ終わり、木の棒を捨てようとゴミ箱に近づくと、突然ゴミ箱が動き出し使い魔的な猫が驚かせてきたので飛び上がってしまいました。
「な!!なにこれ!!」
余りにも突然の事だったので、私の心臓が破裂するかのようでした。
にゃははと笑うそいつは、一定時間が経つとゴミ箱に戻って行ったので、恐る恐るもう一度ゴミ箱に木の棒を捨てに行こうとしますが、さっきの
がトラウマになっているのでなかなか近づけないでいると。
「カリン、にーにが捨ててやろうか?」
そう提案してくれたのですが、ゴミ箱にゴミを入れることすらできないのは、いくら小1とは言え恥ずかしいことだと思い、再度挑戦することにしました。
(大丈夫...、今度は出ませんように...!)
一気に近づいてササッと木の棒を入れてみると、なぜかさっきの猫は出てきません。
それが気になった私は、もう一度ゴミ箱に近付いた次の瞬間!!。
「にゃははは!!!」
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!」
いきなり飛び出してきた猫に私は絶叫を上げ、涙目になりながら兄さんにしがみつきました。
不意打ちを食らったので思わず涙を流すほどにびっくりしてしまったのです。
さらに、何故か私に抱きつかれた兄さんがその場で硬直し、手を合わせながら「尊い...」などと呟いていました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます