第131話 輪廻教徒達

 私は自分のテレポートの魔法で、別の隠れ家へと飛び、魔神様とゴウとエリサを同時に遠くの場所へと飛ばしたので相当量の魔力を消費した私は、その場に跪き変な汗を掻いていました。


「ミライ!大丈夫!?」


 装束のフードを脱ぎ去り、心配そうな瞳で金髪の女の子が私の方を見てくるので、私は笑顔で返します。


「大丈夫よエリサ、ただ魔法力を消費しきっただけだから...」


「自分を入れて4人を瞬間移動させたのだから無理もない、今日のところは俺が見張りをやるから早く寝ろ」


 そう言ってゴウは窓から外を見て警戒し始めました。


「大丈夫よゴウ...、テレポートの魔法の追尾はほぼ不可能、その場に残った魔力の歪みで大体どの位置に飛んだかは推測できるのだけど、それもエルカ様が坑道ごと崩してくれたから問題ない」


「そうか...、だが警戒しておくに越したことはないだろ?、とにかくミライは休め、エリサ、ミライと魔神様の事を頼むぞ」


「ガッテン!!」


 彼女は得意げに胸を手で叩いて私の方を見下ろしてきました。

 私はベッドに横になりながら魔神様をそっと壁に立てておく彼女を見ていると、突然ハッとしたような表情で彼女が私に質問してきました。


「ねえミライ、魔神様を立てらせて置いた方がいいのか寝かせておいた方がいいのかわからなくなったんだけど...」


 彼女の言うことには一理ある。

 いくら今は精神が肉体に戻っていないとはいえ、戻ってきたときに足がしびれていては失礼にあたるとも思えるのだが、伝説の魔神様をベッドに寝かしつけて置くのもどうかと思う。

 どっちつかずで悩んでいると、彼女が「そうだ!」と何か思いついたように椅子を持ってきて座らせた。


「これで多分大丈夫!」


 手でぐっどの形を作り私の方を見てくる彼女にアイコンタクトを取る。


(いいわねそれ、でももう少しいい椅子を持ってきて頂戴)


 それが伝わったのか、隠れ家にある中で1番座り心地の良いソファを持ってきてそれに座らせている。


「これでよし!」


 グッと拳を握りしめた時のやりきった感満載の表情を見て安心した。


(これで魔神様もお疲れにならず長い時を過ごせますわね...)


 そう思いながら私はベッドの中でひとときの休息を得た。

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