第61話 黒い鳥②

 学校の帰りに軽く走っていると、あの黒い鳥がまた帰り道にいたので挨拶をする。


「鳥さん!、また来ていたんだね!もう大丈夫なの?」


 私が鳥に話しかけていると、見覚えのある子供に声をかけられる。


「おや?、そこにいられるはカリン殿では?」


 声の方向に振り向いてみると、魔女の親衛隊の子供であるグランが立っていた。

 ちょうど良かったので聞いてみる。


「ねえ、この鳥は君の召喚術?」


「そうですね、これは私めの召喚獣であります」


 やっぱりかと私は思った。

 この前のパーティの時に見えた黒い影がこの子だと思ったからである。

 ふふっと私が笑うと、彼は不思議そうな顔をする。


「どうかされましたか?、私の顔に何かついてます?」


 彼の鳥も不思議そうに見つめてくるので、まるで兄弟に見つめられているようになってこそばゆい。


「なんだか面白くてつい...」


「そうですか?私には分かりかねますが、そういうものなのでしょうね」


 彼はなんで私が笑っているのか気がついていないようで手を組んで考えている。

 それを真似しているのか否か知らないが、黒い鳥も同じようなポーズを取ったので思わず吹き出してしまう。


「もう無理っ!!これは笑う!」


 私は爆笑しながら腹を抱えて腕を振った。

 その様子を唖然とした表情で見つめてくる彼らを見た私は、徐々に落ち着きを取り戻しコホンと咳を混んだ。


「まあ、それだけ笑って貰えたのであれば、今日ここに来た意味があるというもの...」


「そういえば、グラン君は何をしにここまで来てたの?」


「よくぞ聞いてくれました!、私めは今日必要な知識を得るために本屋に寄る予定だったのです!」


 急に声が大きくなるので、ちょっとペースを乱される。


「えっと...本屋寄りたいの?」


「はい!」


 妙にいい返事だったので少し笑いそうになる。


(なんだろう...この子面白いww)


 この子の掴みどころのない性格が面白いと感じる私がいた。

 それに彼と同じ動きをする鳥の存在が、いちいち笑い誘ってくる。


「だったら私と行こうか、丁度この近くに本屋さんあるし」


「おお、カリン殿に道案内してもらえるとは!、このグラン、至高の喜びを感じております」


 彼がお辞儀をすると、彼の鳥もお辞儀をした。


(やっぱり面白いww)


 心の中でゲラゲラ笑いながら、道案内をしてあげることにした。

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