第41話 戦後の親衛隊について
「え!?...、この国と悠久の魔女っていうのは敵同士だったんじゃ...」
私なりに話を分析して、出した答えではそうだと思うのだけど、違ったのかな?。
とりあえずフレイ君の話を聞いてみる。
「ああ、確かに悠久の魔女はエルカ様と他の御三方が封印した、だけど魔女にも仲間がいて、それが親衛隊と呼ばれるあいつらだった」
「だったらあの子もその一員ってこと?」
「そう、今でこそ魔女を敬う様な行動をしているわけではないが、どうにもキナ臭い連中だ、あまり関わり逢いにならないほうがいい」
私のことを心配するように見つめてくる彼には正直惹かれる。
今の私には魔女とか親衛隊とかよくわからないけど、きっとこの国の常識的に危ない連中だったということはわかる。
「その証拠と言うわけではないけど、聖鳥であるアアルが威嚇していただろう、あれは闇の存在が近い時にその種族が取る行動なんだ」
そんな行動を取るのか聖鳥っていうのは...、でも確かにさっきは変に興奮していたのを思い出す。
私よりはこの世界に詳しい彼がいうのだから間違いではないのだろう。
「っていうか...、何でそんな危ない人達がこのパーティに参加してるの?」
その質問に対し、数秒の沈黙の後、彼は口を動かした。
「...、エルカ様の御意志だ、もう戦乱は終わったのだから、お互いに仲良くしないと、魔女の有無関係無しにずっと戦いが続くと思ったエルカ様は、無条件降伏を親衛隊の連中に言い渡した、奴らはそれを受け入れたので、今の和睦の時代がある」
(その話を聞く限りじゃ、やっぱり私の母さんって凄い人じゃん!)
いつも優しい表情を浮かべている彼女が、そんな時代を生き延びた人だとは思いもしなかった。
町の様子を見ていると、今の日本の様なイメージであり、戦いのあったイメージなどどこにもない。
まだ小学一年生なので、歴史の勉強が始まっていないからなのかもと思った。
(歴史の勉強始まったら、母さんの名前が出てくるかも...)
楽観的に考えると笑えるが、今はそれよりも、親衛隊という存在が気になってしょうがない。
今は見えなくなったグランにあった黒い影、あれがどうにも気になる...。
「...ちゃん!...カリンちゃん!」
私はパニラの言葉で意識を取り戻した、考え事に夢中になっていたので、反応が遅れたのだ。
「パニラちゃん...何?」
少し嬉しそうな彼女を見ながら、彼女の指差す方を見てみると、そこには茶髪の男の人が、数名の騎士達を引き連れてパーティ会場に現れた所だった。
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