第18話 勉強

「母さん!、教えて欲しいことがあるの!」


 私は息が勢いよく玄関を開きながら大声で叫ぶ。


「まあ、カリンちゃんの質問なら、お母さんなんでも答えちゃうわ」


「実は私、空を飛びたいの!、空を自由に飛べるなんて夢の様じゃない?」


 私は空を飛ぶ魔法の教本を見せながらそう言う。

 お母さんはその質問を聞くと、笑顔で私の手を握ってきた。


「お母さんカリンちゃんの為に一肌ぬぐわ」


 リビングにある椅子に座り、本を机に広げて二人で見る。

 空を飛ぶと一言に行ってもやり方が色々とあるようだ。

 例えばだが、手や足から多量の魔法を放ちながら宙を舞うやり方や、オーソドックスな風で自分の身を浮かせる方法。

 他には物に魔力を込めて空を飛ぶなど、ヤヨイの言っていた通り、様々なやり方がある。


(確かに、これだけあるとどれが私の適性に合っているかわからない...)


 彼女の言っていたことは本当だったのかと考えていると。


「カリンちゃんはどうやって飛びたいの?」


 と聞かれたので。


「えっと...」


 聞かれるとイメージが固まらない。

 箒で飛ぶのも面白そうだし、風で浮くのは気持ちが良さそう。

 魔力を出しながら飛ぶのなら自由自在に飛べそうで決められない。

 私が唸る姿を見て、母さんは笑顔を向けてきた。


「まずはそこからね、カリンちゃんが飛びたい方法を決めて、イメージを固めるのが先」


 母さんは自分の胸に手を置いてなにやら神秘的な雰囲気を出している。


「魔法とは、己の内なるイメージを具現化して放つ技法、難しく考えなくていいから、カリンちゃんのやりたい様にするのがいいの」


 人差し指を立てて優しく接してくれるのがありがたい。

 母さんに、そう言われると元気が出てくる。


「わかった、母さんの言う通りにイメージしてみる!」


 まずはイメージ。

 私は心の中でそう呟いた。

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