第17話 ヤヨイ
「カリンちゃん!、こんな早くから何してるの!」
緑髪のポニテが眩しい活発少女のヤヨイがみずみずしい汗を垂らしながら駆け寄ってきた。
ランニング中なのか、息が切れていた。
「ヤヨイちゃんか、私は本屋に寄って本を買ってきたの」
「へ〜、カリンちゃんには読書趣味があったのか〜、どんな本を買ったの?」
私が答えると、彼女の顔は引きつった。
「え...?、空を飛ぶ魔法の勉強...?」
その様子が気になったので私は恐る恐る聞いてみた。
「ヤヨイちゃんがそんな顔をするなんて、空を飛ぶ乗ってそんなに難しいの?」
「いや、一瞬浮くだけなら特別難しいってわけじゃないけど...、カリンちゃんが求めてるのって長い時間飛ぶ方だよね?」
私は頷いた。
彼女は困った様な顔をしながらも、答えてくれた。
「うん、カリンちゃんが頑張るっていうなら私は応援するよ、けどね、空を飛ぶ魔法は適性がないとできないんだ」
「え...、そうなの?」
意外!、勉強すれば誰でも習得できるのがファンタジーの世界だと思っていたが、現実はそう上手くできていないのである。
だが、まだ私に適性がないと決まったわけではない。
「どうやればその適性って分かるの?」
「それがその人その人によって違うから難しいんんだよね〜、カリンちゃんは母さんに聞くといいかもしれないよ」
「母さんに...?」
その時、私は思い出す。
確かに母さんの部屋には難しそうな本が沢山置いてあった。
適性を探る術を母さんなら知っているかもしれない。
「ありがとうヤヨイちゃん、母さんに聞いて見るよ!」
「それがいいよ、私も陰ながら応援しているね!」
私は彼女にお礼を言いながら、きた道を引き返した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます