第10話 破邪召喚

「クピピィ〜」


 眩い光が落ち着くと同時に小鳥の鳴き声のような声が聞こえてきた。

 ゆっくりと目を開くと、小さな白い小鳥のような生命体が立っているのが見えた。

 わたあめのような色で、青い瞳が美しく輝いている。

 黄色い触覚のような物が頭に生えており、手のひらサイズの大きさだった。


「か...可愛い!!」


 私は思わず強めに抱きしめたので、小鳥は嫌がるような声を上げた。


「ピィィィィ!!」


「ご...ごめんなさい...」


 すぐに力を緩めて、今度は優しくそっと抱きしめる。

 そうしてあげたら、小鳥は気持ち良さそうな声を上げてくれたので安心する。


「ピィ...」


(やっぱり可愛いな...)


 優しい眼差しで小鳥を見つめていると、周りが急に大きい声を出した。


「カリンちゃんが生き物を呼び出した!!」


 周りの子供達がはしゃぎ回っている。


「えっ!?、なになに!?」


 皆が私の周りに集まって来て珍しそうに小鳥を見つめている。

 なにやらすごいことをやったようだが、私にはなにがすごいのかわからない。

 あたふたしていると、先生が小鳥のことを説明し始めた。


「今カリンさんが召喚したのは、聖鳥ですね...、破邪召喚に成功した結果、この小鳥が召喚されたようです...、それにこれは.........


 先生の説明など子どもたちは聞いていない、皆が小鳥に触れようと手を伸ばしてくるので、私はそれを制止した。


「ごめん皆...、この子怖がってるみたいだから後でね...」


 なぜ止めたかというと、小鳥が怯えているように見えたからだ。

 そりゃいきなり知らない場所に召喚されて、知らない奴らにベタベタ触れられたら誰だって怖い。

 召喚したからには私にも責任がある。


(う〜ん...、うちって生き物飼ってもいいのかな?、帰ったら母さんに聞いてみよう...)



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る