第478話 バレンタイン恋騒劇(11)
「まずは傷を癒やすわ。聖なる水よ、私と陽華の傷を癒せ!」
明夜は光臨して拡張された魔法を行使した。空間から水が湧き出し、明夜の頬と陽華の胴体に触れる。水は2人がダメージを負っている箇所に触れると、溶けるように浸水していった。すると、明夜の腫れ上がっていた頬が元に戻った。陽華の場合も服があるため視認して確かめる事は出来ないが、打撲傷が消えていると見ていいだろう。
「回復の魔法か・・・・・・使えたんだな」
影人が意外そうに呟く。傷を癒やされた陽華はガンッと両手のガントレットを打ち合わせた。
「ありがとう明夜! じゃあまた援護お願いね!」
「ええ、任せなさい。今度こそかましてやるわよ陽華!」
「うん! 光り輝く炎よ! 我が体に宿れ!」
陽華が言葉を唱えると、陽華の体に炎のような真っ赤なオーラが纏われた。身体能力を強化するオーラだ。
「水のベールよ、この者に纏え。この者に水の加護を!」
更に明夜が陽華にダメージを軽減する加護を与える。線状になった水が×印のように陽華の体に纏われる。陽華は「ありがとう!」と明夜に再び感謝すると、地を蹴り凄まじい速さで影人へと接近した。
「ちょっとは速くなったな」
影人は接近してきた陽華に右の日本刀を右袈裟に振った。陽華は右のガントレットで日本刀を弾いた。
「ちょっとかどうか確かめてみる!? はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
陽華は炎を纏わせたフックを放った。影人は最小限の動きでそれを回避する。影人は左手のナイフで陽華を切り裂こうとしたが、陽華はナイフを躱し右の上段の蹴りを放った。影人は陽華の蹴りの軌道上に小さな闇の障壁を展開した。陽華の蹴りはその障壁に阻まれる。隙が生じた陽華に対し、影人は至近距離から左のナイフを陽華の胴体目掛けて投擲し、右の日本刀を逆手に持ち替え陽華を切り上げようとした。陽華がこの攻撃を回避する事は状況的に見ても困難だった。
「ふっ!」
だが、陽華はグッと障壁に阻まれた右足に力を込めると、右足を軸としてぐるりと体を回転させた。結果、影人の攻撃は空を切る。陽華はそのまま空中で体を捻り、左の回し蹴りを影人の頭部目掛けて放った。
「っ!」
その切り返しの仕方を予想していなかった影人は反射的に左腕で陽華の蹴りを受け止めた。
「水の流星、氷の流星よ。我が敵を水撃し氷撃せよ!」
明夜が魔法を行使し、30センチくらいの水と氷の球体を創造する。水と氷の球体は、明夜の言葉通り流星のような速度で影人に襲い掛かった。
「ちっ」
陽華の蹴りを受け止めているせいで回避は間に合わない。影人は影を操作し水と氷の流星を受け止めた。
「そこっ! 光炎よ! 渦巻く灼熱の奔流となって全てを焼き尽くせ!」
影人が影で明夜の魔法に対応している内に陽華はさっきと同じ要領で体を回転させた。すなわち、影人が受け止めている左足に力を込めて空中で回転したのだ。そして、陽華は影人に向かって両手を向け、光り輝く炎の奔流を放った。
(影で炎を・・・・・・いや、無理だな)
影人は即座にそう判断すると緊急回避の手段である幻影化を使用した。影人の体はまるで煙のように実体を失う。次の瞬間、炎の奔流が影人を襲ったが実体のない幻影と化している影人に炎の奔流は攻撃の意味を為さなかった。影人は煙のように風に揺られるか如く流されると、幻影化を解除した。
「っ、無傷・・・・・・」
「恐ろしいわね・・・・・・」
陽華と明夜は厳しい顔で影人を見つめた。今の攻撃でもかすり傷一つを与えられないなんて。陽華と明夜は改めてスプリガンがどれだけ高みにいる存在であるのかを知った。
「・・・・・・」
一方の影人はどこか厳しい顔で陽華と明夜を見つめていた。無傷で2人の攻撃を凌いだというのにそんな顔を浮かべている影人に、観戦者であるキトナは首を傾げる。
「なぜ影人さんはあんな顔をしているんでしょうか? まるで予想外の事が起きたかのような様子ですけど・・・・・・」
「・・・・・・幻影化を使わされたからだ。あれは最悪の場合の緊急回避手段。その事実が示すのは、幻影化を使わなければならない状況にまで奴が光導姫どもに追い詰められたという事だ」
「影人の予想を陽華と明夜が上回ったという事ね。だから、あなたが言うように影人にとってはまさしく予想外の事が起こったのよ」
キトナの疑問に答えたのはレイゼロールとシェルディアだった。疑問が解消されたキトナは「なるほど。そうだったんですね・・・・・・」と納得したように頷いた。
(さあ、影人。あなたはどうするのかしら。総合的な実力はあなたの方が圧倒的に上だけど、陽華と明夜にはその実力差を埋めるだけの、いやもしかしたらあなたの実力すらも超えるかもしれない程の凄まじい爆発力がある。この戦い、本当にどちらが勝つか分からないわね)
シェルディアが内心でそんな事を思いながら影人を見つめていると、影人が軽く帽子の鍔を押さえた。すると次の瞬間、フッと影人の姿が掻き消えた。否、正確には消えたと錯覚するほどの神速の速度で移動したのだ。恐らく『加速』の力を使用したのだろう。神速の速度で一瞬で明夜との距離を詰めた影人を目で追いながら、シェルディアはそう考えた。
「っ・・・・・・」
瞬きする間もなく自分の目の前にまで移動してきた影人に明夜は驚きを隠せなかった。影人は黒雷を纏わせた左拳を明夜へと放つ。先ほどまでとは違い過ぎる影人の速度に明夜は反応する事は出来なかった。
だが、明夜が仕掛けていた魔法は別だった。影人が明夜に近づいた瞬間、明夜を中心に地面に青い魔法陣が浮かび上がった。魔法陣が青い輝きを放つと、そこから水の鞭のようなものが複数伸び、影人の左腕を拘束した。
「っ!?」
「設置型のカウンター魔法よ!」
今度は影人が驚く番だった。明夜はこうなる事を予想して、光臨した直後にこの魔法を仕組んでいたのだ。光臨形態でしか使えないし、力もそれなりに消費するが身を守れるなら安いものだ。
「水氷の波動よ!」
明夜は身動きが取れない影人に左手を向けた。明夜の左手を基点に魔法陣が浮かび上がる。そして、そこから凄まじい水と氷の波動が放たれる。水飛沫と雹の混じった凍てつく風は影人にダメージを与えると共に影人を吹き飛ばした。
「ぐっ・・・・・・」
「ナイス明夜!」
陽華が両手の炎を逆噴射させ加速し影人の方に向かう。陽華は加速した勢いのまま、吹き飛ばされている影人に向かって渾身の右ストレートを放つ。
「舐めるな・・・・・・!」
影人は両足に闇の炎を纏わせるとその炎を噴射させて姿勢を制御した。そして、そのまま体を回転させ蹴りを放つ。陽華の拳と影人の蹴りが激突する。赤い炎と闇色の炎がパチッと火の粉となって爆ぜる。
「くっ」
「ちっ」
陽華と影人の一撃は拮抗し、やがて互いに弾かれた。影人と陽華はそのまま地面に着地した。
「・・・・・・流石に光臨は一味違うな」
ボソリと影人は小さな声で呟いた。幻影化を使わされた事もそうだが、既に陽華と明夜は影人にダメージを与えている。明夜は言わずもがなあの水と氷の波動で、陽華は回し蹴りだ。陽華の蹴りを受け止めた箇所は未だにズキズキと痛んでいる。影人は回復の力でその傷を癒やした。
『情けねえ。何を攻撃なんか喰らってんだよ。あんな奴らが光臨したところでどうとでもなるだろ。時間切れを狙うもよし、俺の力で詰みの状況を作るもよし。お前容赦はしないって言ったよな。あれは嘘かよ?』
イヴの不機嫌そうな声が影人の中に響く。影人は声には出さず内心でイヴに答えを返す。
(嘘じゃねえよ。あいつらに負けるのはムカつくし、俺は絶対にあいつらに勝ちたい)
『じゃあ何でそんなやる気がないんだよ? あいつらから攻撃を受けたせいで、少しだが俺の力も弱体化してるんだぞ。勝つ気があるんならさっさとあいつらを倒せよ』
(それは分かってる。だが、焦って手札を切り過ぎれば負けるのはこっちだぜ。イヴ、お前は朝宮と月下を舐めすぎだ。あいつらには・・・・・・まだ奥の手があるんだからな)
『は?』
影人の言葉にイヴが疑問の声を漏らす。影人はイヴの声には応えず、周囲に闇色の怪物たちを召喚した。闇色の騎士、巨大な怪鳥、触手を生やしたタコのような怪物、地を這う目のない犬もどき。闇によって生み出された、見るも悍ましいグロテスクな怪物たちは陽華と明夜目掛けて襲い掛かった。
「うわキモっ!? いや、よく見るとキモ可愛い?」
「バカ明夜! どう見てもそんなこと言ってる場合じゃないでしょ!?」
陽華は幼馴染のバカさ加減に呆れながらも怪物たちを迎え撃った。陽華は浄化の力を宿した炎を纏わせた拳で闇の怪物たちを次々と打ち倒す。明夜も水の龍と氷の龍を召喚し、影人が召喚した怪物たちを無力化していく。
(朝宮と月下の1番やっかいな所は、物語の主人公ばりの爆発力もだが、以心伝心のコンビネーションだ。まずはそれを断つ)
影人は怪物たちに紛れてまず陽華に接近した。そして、陽華に近づくと右手で地面に触れた。すると、陽華を取り囲むようにストーンサークルが出現した。真っ黒な鏡のような石に取り囲まれた陽華は「っ!?」と反射的に周囲を見渡す。
「キシャアアアアアアアッ!」
そして、何かが産声を上げた。その何かは陽華を取り囲む石の1つから出てきた。右手に禍々しい鉤爪を装備した闇色の影のような化け物だ。人形のそれは不規則な動きで――しかし不気味なほどの速さで――陽華に襲い掛かってきた。
「くっ!?」
化け物の速さは身体を強化している陽華からしても速いと感じるものだった。陽華は何とか鉤爪による攻撃を回避すると、反撃の蹴りを放った。しかし、化け物はひらりと陽華の蹴りを避けると、近くの石の中へと消えていった。
「え!?」
「キシャアアアッ!」
陽華がその光景に驚いていると、陽華の斜め右後ろの石から化け物が飛び出してきた。陽華は何とか反応したが間に合わず鉤爪に右腕を切り裂かれる。
「〜っ!?」
「キシ!」
赤い鮮血が飛び散り陽華が痛みに顔を顰める。化け物はそんな陽華を見てニタリと笑うと、再び石の中へと消えて行った。
「鏡の祭場に住まう列断の悪魔・・・・・・そいつを倒さない限り、そこからは出られないぜ」
陽華には聞こえない声で影人が呟く。初めてイメージする力で光臨する陽華の相手が出来る怪物を創造したため、力の消費はかなり激しい。だが、これは必要経費だ。これでしばらく陽華と明夜のコンビネーションは発揮されない。影人はグッと足に力を込め地を蹴ると、神速の速度で明夜の元へと至った。
「さっきみたいには行かないぜ」
影人は設置型の魔法を警戒し、影を操作し刃物へと変えた。影の剣が明夜へと襲い掛かる。明夜はまたカウンター魔法を仕掛けていたのだろう。地面に魔法陣が浮かび上がり、そこから水の鞭が飛び出す。水の鞭が影の刃に纏わりつき動きを止める。明夜の手札を吐かせる事に成功した影人は、明夜が追いつけない速度で体術によるラッシュを仕掛ける。
「がっ、ぐっ!?」
「喰らえ」
明夜は腹部に蹴りを受け弾き飛ばされた。影人は明夜を追撃すべく、闇の龍を複数体呼び出す。闇の龍たちは顎門を開け、明夜に向かって進んだ。
「っ、水の龍よ、氷の龍よ!」
何とか地面に着地した明夜は水の龍と氷の龍を複数呼び出した。明夜の召喚した龍と影人の召喚した龍は互いに激突しその身を食い合う。影人は再び一瞬で明夜との距離を詰める。
「舐めないで! 私は近接戦が出来ないわけじゃないのよ!」
明夜は影人が再び距離を詰めてくる事を予想し、杖に氷の刃を生成した。そして、明夜は近づいて来た影人に杖を振るった。
「っ、お前・・・・・・」
影人は氷の刃を避けながらも少し驚いた様子になる。身体能力を強化し『加速』の力を使っている影人に明夜が――いくら光臨しているとはいっても――反応出来るとは。その事実が影人には意外だった。
(いや、完全に反応してるわけじゃない。月下のこれは慣れから来る予測だ。ロシアで戦ったあの守護者・・・・・・確か『凍士』だったか。あいつと同じ感じだな)
明夜も修羅場を潜って来た光導姫だ。その経験が今の攻撃を可能にしたのだろう。影人はここでも明夜の成長を感じた。
「はあっ!」
明夜はそのまま氷の刃を生成した杖を振るう。影人は何度か刃を回避し、右手に闇色のナイフを創造するとそのナイフで氷の刃を受け止めた。
「中々どうして・・・・・・やるじゃねえか月下」
「お褒めの言葉どうもありがとう帰城くん。ついでにその余裕崩してあげるわ!」
明夜が華麗に杖を振るう。明夜は杖の氷の刃を振るうと同時に魔法を行使した。影人の背後に大きな氷柱が現れる。氷柱は影人を貫かんとする。前方からは氷の刃が、背後からは氷柱が迫る。状況的にはピンチだ。
(だけど、帰城くんなら、スプリガンなら難なく避ける。問題はどうやって・・・・・・)
明夜は当たり前に影人が攻撃を避ける前提でこの後の展開を考えた。明夜の予想はスプリガンを知っている者ならば誰も異を唱えるものではない。かき氷を食べて冷たいと感じるくらいに、影人が氷の刃と氷柱を避けるのは当然の事だった。
――そう。間違いなく当然の事であるはずだった。
「ぐっ・・・・・・」
だが、どういうわけか影人は氷柱は避けたが氷の刃は避けなかった。結果、影人の胴体は深く切り裂かれ、スプリガンの黒の外套を赤い血が濡らした。
「え・・・・・・?」
予想外の光景に明夜の思考は一瞬停止した。なぜ影人は絶対に避けれる攻撃を受けたのか。明夜には全く以て意味が分からなかった。
「っ、やっぱり痛いもんは痛いな・・・・・・月下。1つ教えてやるよ。相手に隙を作らせる方法だ。それは・・・・・・相手の予想を裏切る事だ。その手段の1つにこんなものがある。肉を切らせて骨を断つ・・・・・・」
影人は激しい痛みを感じながらも笑った。すると、影人から流れ出る血液に変化が訪れた。血液は流体状の剣に変化すると、明夜の体を切り裂いた。
「がっ・・・・・・」
明夜も影人と同じように深い切り傷を負う。だが、影人は次の瞬間には回復の力で傷を癒やしていた。現在血を流しているのは明夜だけだ。
「今度こそ終わりだ」
影人は明夜を脱落させるべく『破壊』を纏わせた左手を明夜目掛けて振るった。意識を一時的に奪う『破壊』を纏うその攻撃に、今の明夜が反応する事は難しい。
「っ・・・・・・!」
しかし、明夜は力を振り絞り左手を影人に向けた。すると左手の先に魔法陣が出現し、そこから超圧縮された水のレーザーが放たれた。水のレーザーは容易に鋼をも撃ち抜く程の威力を有していた。
「っ・・・・・・」
影人は明夜の反撃に驚きながらも水のレーザーを回避した。水のレーザーはスプリガンの外套を掠め、そのまま一直線に伸びて行った。正直、少し危なかった。身体能力の強化と『加速』を使っていなければ避けきれなかったかもしれない。
「本当、やるな月下。普通その状態で一瞬で反撃する事なんて出来ないぜ。だが・・・・・・残念だったな。渾身の反撃は俺には当たらなかった」
「そう、ね・・・・・・でも、これでいいわ」
「っ・・・・・・?」
明夜は弱々しいながらも笑みを浮かべる。明夜の言葉を最初、影人は強がりだと思った。誰がどう見ても明夜の攻撃は外れた。それが事実だ。
(いや、本当にそうか? ブラフの可能性ももちろんある。だが、月下の今の攻撃に何か意味があったとしたら・・・・・・そもそも、俺を攻撃するつもりで魔法を放ったんじゃないとしたら・・・・・・)
これでいい。明夜のその言葉が妙に頭の中でリフレインする。影人は極限の集中によって引き伸ばされた時間の中、明夜の狙いが何であったのかを考えた。そして、明夜の真の狙いに気がついた。
(っ、そうか。この位置、月下の今の攻撃は・・・・・・)
『っ、おい影人! 後ろだ!』
影人が気づくと同時にイヴの声が影人の中に響く。影人がバッと後方を振り返る。だが、振り返った時には遅かった。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
いつの間にか影人に接近していた陽華が大きく右の拳を引いていた。クリスタルレッドに変化したガントレットが示すのは、これから放たれる一撃が強力なものであるという証左だ。
先ほどの明夜の攻撃は影人を狙ったものではなく、陽華を捕らえていた祭場に住まう悪魔を倒すためのものだったのだ。つまり、あの水のレーザーは長距離からの精密な狙撃だったのだ。
明夜は影人を相手にしながらもずっと陽華と影人が召喚した悪魔に意識を割いていた。明夜は影人から攻撃を受けた瞬間、陽華が相手にしている悪魔を上手く狙撃できる位置に自分がいる事を悟った。明夜は攻撃を受け、痛みで思考を制限された中でもそのチャンスを見逃さなかった。
その結果、影人の予想よりも遥かに早く陽華は解き放たれた。陽華も恐らくは悪魔を相手にしながらも明夜と影人に意識を割いていたのだろう。そうでなければ、これ程までに早くいま影人に攻撃してくる事は出来ないはずだ。状況を理解した影人はそう思った。
(ヤバい。これは避けれない。幻影化を・・・・・・いや、ダメだ。これ以上、力を大きく消費する幻影化は使えな――)
「隙を作るには相手の予想を裏切る事だったかしら・・・・・・ええ、まさにその通りね」
背後の明夜の言葉が影人の耳を打った。顔は見えないが明夜はきっとニヤリと笑っているだろう。明夜の弱々しいしたり顔が影人には容易に想像できた。
「はぁっ!」
陽華の拳が放たれる。影人は咄嗟に影を操作して陽華の拳を防ごうとしたが遅かった。陽華の右拳は影人の左頬にめり込んだ。
「ぶっ!?」
結果、影人はそのまま殴り飛ばされた。明夜は影人が飛ばされる線上からは既に退避していた。陽華に殴り飛ばされた影人は何度かバウンドして地面に転がった。
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