第352話 地天を討て

「っ、影人・・・・・・無事でよかったわ」

 影人が急いで家の方に向かうと、異変を感じたからか外に出ていたシェルディアがそう声を掛けてきた。外に出ていたのはシェルディアだけでなく、フェリート、ゼノ、キトナもいた。

「帰城影人。あの空に浮かんでいるモノは・・・・」

 フェリートはその顔を緊張させながら、空に浮かぶモノ――シトュウ曰く、かつてこの世界に災厄をもたらした4つの災厄の1つ、『地天』のエリレ――を見つめていた。独白するようなフェリートの言葉に、影人は早口で事情を説明した。

「ヤバい奴らしい。シトュウさんによると、次元の要所であるこの地に封印されてたらしいんだが・・・・・・ここの次元の境界が不安定になった事によって、あいつの封印も解けたみたいだ」

「「っ・・・・・・」」

 影人の言葉にシェルディアとフェリートが驚いた顔を浮かべる。2人とも、影人の言葉の隠された意味に気づいたのだ。

「・・・・・・それって、フェルフィズの奴がここに来た。もしくは、まだいるって事だよね?」

 2人のように顔色こそあまり変えなかったが同じようにその意味に気づいたゼノは、そう言葉を放った。

「ああ、そういう事だ。あいつが俺たちに気づかれずにどうやってここの境界を不安定にさせたのかは気になるが・・・・・・今はそれよりも、封印から解かれたあいつの事だ。何でも、災厄って呼ばれて封印されてた奴みたいだからな。ロクなモノじゃねえはずだ。シトュウさんによると、あいつの名前は『地天』のエリレって名前らしいが、嬢ちゃん知ってるか?」

「『地天』のエリレ・・・・・・いえ、知らないわね。少なくとも、私がいた時はそんな名前聞いた事もなかったわ」

 影人の問いかけにシェルディアがかぶりを振る。すると、今まで訳が分からなかったためからか、ずっと黙っていたキトナがおずおずといった様子で口を開いた。

「あの、皆さんが先ほどから何を仰っているのかは分かりませんが・・・・・・『地天』のエリレという名前は聞いた事があります」

「っ、本当か?」

「はい。『地天』のエリレとは古い話に出てくる悪者の名前です。今から約1000年の昔、この世界を4つの災厄が襲った。即ち、火、水、風、地。火の災厄は世界を焼き、水の災厄は世界を沈め、風の災厄は世界を吹き荒らし、地の災厄は世界を砕く・・・・・・その地の災厄の名前が『地天』のエリレです。と言っても、城の書物庫にあった何百年か前の古文書に書いてあっただけの名前ですが・・・・・・」

 キトナが戸惑ったような顔を浮かべながらも、影人にそう説明してくれた。

「そうか・・・・・・ありがとなキトナさん。多分、そいつで間違いない。やっぱり、相当にヤバい奴らしいなあいつは・・・・・・」

 影人は前髪の下の目で空中に浮かぶエリレを見つめた。今はまだ覚醒した直後だからか特にアクションを起こしてはいない。しかし、エリレがいつどのような行動を起こすかは分からない。

(ここの人達には世話になった。加えて、この事態を招いたのがフェルフィズのクソ野郎が原因なら・・・・・・俺らがあいつをどうにかしなくちゃな)

 恩返しのためにも。そして、フェルフィズによってメザミアの人達の日常が壊される事はあってはならない。そんな不条理は許されない。ならば、フェルフィズと同じ世界から来た自分たちが、責任を持ってその不条理を打ち砕くしかない。

「あの野郎、会ったら絶対また殴り飛ばしてやる・・・・・・嬢ちゃん、フェリート、ゼノ。悪いが、町の人達とキトナさんを頼む。俺はあいつを・・・・・・災厄って奴をどうにかしてくるぜ」

 影人は3人に対してそう言った。その言葉を受けた1人であるシェルディアは、その顔を少し厳しいものにした。

「1人で戦うつもりなの影人? 別にあなたが負けるとも思っていないし、その実力も疑ってはいないけど・・・・・・」

「別に嬢ちゃんたちを頼ってないとか焦ってるとか、そんなんじゃないぜ。ただ、今回の場合は住民たちを死なせない事が1番大事だ。それを考えてあいつと戦う事を考えるなら、この人選が1番いいと思ったんだ。俺はどんな状況にも対応できるし、不死殺しの方法も2種類あるからな」

 影人は冷静にシェルディアにそう説明を行った。

「・・・・・・なるほど。あなたの言葉は理に適っているわね。分かったわ。そういう事なら、あれはあなたに任せるわ。だけど、あなたの情勢が不利になったら私も戦いに加わるから」

「ああ、悪いがその時は頼むよ。さて・・・・・・じゃあ、俺は俺の役目を果たしてくるぜ」

 影人は自分のズボンの右ポケットからペンデュラムを取り出した。そして、力ある言葉を唱えた。

変身チェンジ

 ペンデュラムの黒い宝石が黒い輝きを放つ。次の瞬間、影人の姿はスプリガンへと変化していた。緊急事態のため、影人はキトナにその姿を見られる事を厭いはしなかった。

「っ・・・・・・影人さん、その姿は・・・・・・」

 初めてスプリガンとしての影人の姿を見たキトナが驚いた表情になる。その糸目も驚きからか開かれていた。

「・・・・・・悪いが説明は後だ。じゃあなキトナさん。せいぜい・・・・・・死ぬなよ」

 影人は、変化した金の瞳をチラリとキトナに向けると、その場からフッと影のように消え去った。

「全く・・・・・・彼に命令されるのは癪ですね。まあ、今回は従いますが」

「早く町の方に行ってみんなを保護しなきゃね。キトナ、行くよ」

「は、はい」

 影人に町の住人たちを任されたシェルディア、フェリート、ゼノが町の方に向かって歩き始める。キトナも未だに戸惑いながらも、歩き始めた。

(影人さん、あなたはいったい・・・・・・)

 キトナは先ほどの姿が変化した影人のことが忘れられずに、その視線を自然とエリレが浮かぶ遺跡の方へと向けた。












「・・・・・・封印が解けたと推定。私が封印されてから経た時の経過は1462年と理解」

 周囲の風景を複雑で美しい紋様が刻まれた瞳で見渡したエリレは、自身の置かれた状況を理解しそう呟いた。エリレはその目で情報を読み取ったのだ。

「この区域に複数の生命反応を確認。これより封印により中断されていた行動・・・・・・生命の破壊を開始」

 エリレがスッと目を細め行動を開始しようとする。だがその瞬間、エリレの前に1人の男が現れた。

「・・・・・・よう、初めましてだな災厄さん。お前、話をする気はあるか?」

 黒衣に身を包んだ金眼の男――スプリガンこと影人はエリレにそう語りかけた。エリレは浮いているので、当然影人も浮きながら。

「っ・・・・・・? 情報が読み取れない・・・・・・疑問を呈します。何者ですか、あなたは?」

 エリレの万物の情報を解析する瞳を以てしても、黒衣の男についての情報は何も分からなかった。こんな事は初めてだ。エリレは首を大きく傾げ、影人にそう問うて来た。

「・・・・・・何者か。その質問に対する答えは決まっててな。俺の名前はスプリガン。それ以上でもそれ以下でもない存在だ」

 異世界に来て2度目の名乗り。影人はキザに右の人差し指でクイッと帽子を上げそう答えた。

「スプリガン・・・・・・私の記憶を確認しても、聞いた事のない名前です。あなたは、何です?」

「質問ばかりだな。俺は1つ答えたんだ。ならお前も1つ答えろよ。もう1度聞くぜ。『地天』のエリレ、お前は俺と話をする気はあるのか、それともないのか? どっちだ?」

「・・・・・・私は生命をただ破壊する者。そして、あなたも生命を有する者に変わりはありません」

「・・・・・・なるほどな。つまりは対話する気はないって事か」

 婉曲な答えだが、エリレの言わんとしている事を察した影人は軽くその目を閉じた。そして、再び目を開くと冷めた金の瞳をエリレに向けた。

「なら・・・・・・戦うしかねえよな」

 影人はそう呟くと、一瞬でエリレに近づきエリレの腹部に『破壊』纏う拳を穿った。

「っ・・・・・・!?」

 突然影人に殴られたエリレはその顔色を驚きの色に染めた。自分が全く反応出来なかったという事実。エリレはその事に驚いたのだった。

「っ、本当に人形かお前・・・・・・」

 一方、エリレに先制攻撃を仕掛けた影人も少し驚いたような顔になっていた。その理由は、影人の拳がエリレの腹部を貫通したからだ。エリレの体は陶器のように中が空洞になっていた。

「・・・・・・あなたを危険生命と認定します。これより、私はあなたを優先的に破壊する」

「はっ、災厄如きが俺を壊すか。なら、試してみろよ・・・・・・!」

 腹を貫かれているというのにそう言ってきたエリレ。そんなエリレに影人はそう言葉を返すと、腹部から手を引き抜き、『破壊』を付与した左の蹴りをエリレの側頭部に叩き込んだ。その結果、エリレの頭部はバラバラに砕け散った。

「・・・・・・終わりか? だったら、拍子抜けもいい――」

 影人がそう言葉を紡ごうとした時だった。頭部を失ったはずのエリレは、次の瞬間に頭部が元通りになっていた。加えて、腹部の穴も修復されていた。

「っ・・・・・・」

「次はこちらの番です」

 その光景に影人が軽く目を見張る。元通りになったエリレは影人に右手を向けた。すると、エリレの周辺の空間から突起した岩が複数出現し、影人へと襲い掛かった。

(『破壊』で殴ったのにすぐさま治った・・・・・・さしずめ自動修復か。防御力が紙なのは、それがあるからってところだな)

 襲ってくる岩を避けながら影人はそう推察した。自動修復の速度、弱点があるかなどはまだ分からないが、頭部を消し飛ばしても復活したという事は軽い不死と言ってもいいだろう。だから、過去のこの世界の者たちはエリレを滅するのではなく、封印するという手段を取った。不死のエリレを滅しきれなかったから。そう考えるのが自然だ。

「当然の如く避ける・・・・・・やはりあなたは危険生命。全力を使います」

 突起する岩を悉く避ける影人を見たエリレはそう言うと翼をはためかせた。すると、エリレの背中の空間に茶色の複雑な魔法陣が展開し、エリレの頭部に光輪が現れた。更に、エリレの変化と同時に、地面が揺れ、隆起し、そこから巨大な岩や土の手が這い出てきた。それらは空中にいる影人に向かって襲い掛かった。

「っ、地上から・・・・・・」

「私は『地天』。地の天、すなわち地の頂を司る者です。地に関するものならば、私は自由自在に操れる」

 影人の呟きにエリレが反応する。その間にも、巨大な岩や土の手は影人を握り潰さんと迫る。

「なるほど、確かにそりゃ災厄だな・・・・・・!」

 影人は空中を三次元的に飛び回り腕から逃げる。その間に影人は地上を観察した。

(地上がめちゃくちゃになってやがる。そこかしらが地割れしている。地に関する事を操る災厄っていうなら、地震も起こせる可能性があるな・・・・・・)

 畑や地面が腕が這い出てきたせいで悲惨な状態になっている事を目撃した影人は、エリレの力が危険だと判断した。戦いが長引けば、どれだけ被害が出るのかは想像もつかない。

「味気がないと言えばないが・・・・・・早期決戦にさせてもらうぜ。詠唱は・・・・・・仕方ないから省くか」

 その事を考慮した影人はエリレを今から自分が使う力の対象として認識すると、こう言葉を唱えた。

「『世界』顕現、『影闇の城』」

「っ!?」

 瞬間、影人とエリレの世界が暗闇に包まれる。その現象にエリレは驚いたように目を開く。数瞬間の後に現れるはどこかの城の城内。影人の『世界』、『影闇の城』。

「これは・・・・・・」

 一瞬にして光景が変わった事、また自身が体験する未知にエリレは周囲を見渡した。そして、自身の胸部付近に何かぼんやりとした白い炎のようなものが灯っている事に気がついた。

「――それはお前の魂だ。よかったぜ、お前にもそれがあって。もしかしたら、ないかもと思ってたからな」

「っ・・・・・・」

 エリレの背後から突然そんな声が聞こえてきた。エリレがバッと振り向くとそこには自分に背を向けるスプリガンの姿があった。

「これで・・・・お前を殺せる」

 影人の体にぼんやりとした闇が纏われ、影人の姿が変化する。影闇と化した影人はスッと気軽に物を取るような手軽さで、エリレの胸に灯っている魂に触れた。影人はエリレに死の決定を下した。

「あ・・・・・・」

 エリレは糸が切れた人形のようにガクリと首を落とす。次の瞬間『世界』が解除され、元の世界に戻る。既に事切れたエリレは地上へと落下していく。だが、地上にぶつかる前にエリレの体はぼんやりと光を放ち、やがてフッと世界から消失した。

「・・・・・・今回は表の肉体と裏の魂両方ともに死を下したからな。完全におさらばだ。あばよ、『地天』のエリレ。地の災厄さんよ」

 元のスプリガン状態に戻った影人は落ちて消えたエリレにそう言葉を送ると、地上へと向かった。













「――さて、じゃあ行きましょうか」

 メザミアの次元の境界が揺らぎ、影人がエリレを討伐した翌日。メザミアの町の外でシェルディアは一同にそう告げた。

「ああ、そうだな。メザミアの人達にも別れは告げたし、次の目的地に行かねえと」

 シェルディアの言葉に影人が頷く。メザミアの人達は数日間だけの付き合いだったとはいえ、影人たち(特にフェリートとゼノとキトナ)との別れを惜しんでくれた。畑やいくつかの家は損害を受けたが、幸い住人たちに重傷者や死者は出なかったので、住人たちは元気だった。

 昨日、影人がエリレを討ってから、影人たちは色々と話し合った。主にエリレが復活した原因、メザミアの次元の境界が不安定になった事について。結果、やはり原因はフェルフィズしかいないという結論に落ち着いた。

 その後、影人たちがエリレが封印されていた遺跡に赴くと、遺跡の床に1本のナイフが刺さっていた。引き抜いてみると、ナイフには複雑な紋様が刻まれており、普通のナイフではないという事が分かった。

 シトュウにそのナイフの正体を探ってもらったところ、そのナイフは次元の境界地に突き刺せば、境界を不安定にさせるという代物だった。そんなナイフを所持し、突き刺した人物は1人しかいない。すなわち、物作りの神フェルフィズだ。

 その事実が示すのは、フェルフィズが遺跡へとやって来て直接ナイフを刺したという事だ。だが、影人とキトナはエリレが復活する少し前まで遺跡にいたが、フェルフィズの姿は見ていない。見たのは獣人族の男性だけだ。

 色々と考え話し合った結果、影人たちはある可能性に思い至った。それは、その獣人族の男性がフェルフィズだったのではないかというものだ。つまり、フェルフィズは如何なる手段を用いてか、変装していたのではないかと。

 そして、その予想は当たっていた。今日の朝にメザミアの住人に影人とキトナが見た獣人族の男性の特徴を伝えると、そんな男性はメザミアにはいないという事だった。メザミアは小さな町なので、住人たちは互いに知り合っている。そんな人々がそう言うのならば間違いはない。あくまで状況証拠にはなるが、やはりあの男性がフェルフィズで、あのナイフを突き刺したのだ。

(あいつが変装の手段を持ってるのは最悪だな。聞き込みが全く無力になった。用心深いあいつのことだから、目立たないようにこっちに来てから変装してたんだろうが・・・・・・加えて、あいつは俺がこの世界に来ている事を知った。これからあいつはそれを考慮して動く。余計にあいつを捕まえる事は難しくなった)

 しかし、チャンスはある。フェルフィズの目的はやはりこちらの世界の次元の要所を崩す事だった。ならば、フェルフィズは次の霊地に向かうはずだ。そして、影人たちもその霊地に向かえばいい。このメザミアから1番近い次の霊地は、魔族国家にある霊地ウリタハナ。影人たちはフェルフィズが次にそこを目指すと考え、自分たちもそこに行く事を決めた。ゆえに、影人たちはメザミアから離れるのだ。

「ですが、その前にヴェイザ嬢を王都に送らなければなりませんね」

「だね。シェルディアがそう約束したし」

「ええ。あの王様、結局私たちに追っ手や監視を差し向けてこなかったし、約束は守ってあげなければならないわ。だから、今から1度王都に転移するわよ」

「っ・・・・・・」

 フェリートの提起にゼノが頷き、シェルディアがそう宣言する。シェルディアの言葉を聞いたキトナはほんの少しだけその表情を動かした。残念そうに。

「・・・・・・キトナさん。ここが最後の分かれ道だ。あんたの願いを叶えるな。あんたが素直に自分を明かして、願いを口にすれば道は変わるかもしれない。まあ、それを選択するのはあんたの自由だ。ただ・・・・・・出来るだけ悔いが残らない方がいいとは思うぜ」

 そんなキトナに気がついた影人はボソリとキトナにだけに聞こえる声でそう言った。

「影人さん・・・・・・」

 影人にそう言われたキトナは一瞬目を開く。そして、覚悟したような顔になると、シェルディアたちに向かってこう言葉を切り出した。

「皆さん、出発の前に私の話を聞いていただけないでしょうか?」

「ん?」

「話・・・・・・ですか?」

「? 別にいいわよ」

 ゼノ、フェリート、シェルディアが軽く首を傾げる。そして、キトナは3人に自分の全てを打ち明けた。

「へえ・・・・・・今までのは演技だったんだ。凄いな。分からなかったよ」

「・・・・・・私も見抜けませんでしたね。もっと観察眼を鍛えなければ」

「なるほど。ふふっ、キトナ。あなた面白いわね」

 キトナの話を聞いたゼノ、フェリート、シェルディアがそれぞれの感想を漏らす。そして、シェルディアはキトナに対しこう言葉を続けた。

「キトナ、あなたのその気持ち理解したわ。広い世界に焦がれ、自身を偽り続けて来たその強さにも敬意を抱くわ。気に入ったわ。キトナ、あなたのその願いを叶えるため、協力しましょう」

「っ、本当ですか・・・・・・?」

「ええ。籠の中の鳥ほど哀れでつまらないものはないもの。任せなさい」

 シェルディアがニコニコ顔で頷く。そのやり取りを聞いていたフェリートは軽くため息を吐いた。

「はあ、始まりましたよ。シェルディア様の気まぐれが・・・・・・」

「まあ、仕方ないよ。だって、シェルディアだから」

「だな。で、実際どうするんだ嬢ちゃん。取り敢えず、一旦はキトナさんを城に帰すんだろ?」

 ゼノの言葉に同意を示した影人がシェルディアにそう言葉をかける。シェルディアは頷くと、こんな言葉を放った。

「ええ、一旦はね。でも、それからは特に約束もしていないし・・・・・・ふふっ、少し劇的に、強引にやるのもありね。ほら、昔から定番でしょ? 悪者がお姫様を攫うのは」

 そして、シェルディアは悪戯っぽく微笑んだ。

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