第333話 勇気

「・・・・・・ねえ、海公っちもあの事は誰にも話してないんだよね?」

 時は少し遡る。海公と一緒に道を歩いていた魅恋は海公にそう聞いて来た。

「・・・・・・はい。霧園さんもですよね?」

「うん。あんな不思議な事、みんなにも話したかったし、SNSにも投稿したいって思ったけど・・・・・・出来なかった。もちろん、脅されたっていうのもあるけど。でも、なんでかさ」

 海公に同じ事を聞かれた魅恋はその首を縦に振る。魅恋の言葉を聞いた海公は魅恋の言葉に理解を示す。

「分かります。僕もなぜか言えないんです。誰かに話してしまえば、あの出来事が夢かなにかになるような気がして・・・・・・」

「そうそれ。ウチも似たような感じなんだ。でも本当、あの人何だったんだろ・・・・・・」

 スプリガンと名乗った黒衣の男。目の色が金色という事もあって、まるで不吉な黒猫を連想させる。普通では説明できないような特殊な力を使って、化け物と戦った男。魅恋は彼が何者であるのか全く分からない。

「・・・・・・悪い人ではないと思います。僕たちを助けてくれましたし。それに・・・・・・脅しだけで済ませてくれましたから」

「そう・・・・・・だよね」

 目撃者である海公と魅恋の口を封じたいのならば、もっと確実な方法があったはずだ。だが、スプリガンはそうしなかった。海公と魅恋を無傷で日常に帰してくれた。

「でも、気になるよね。あの人の事もあの怪物の事も。はあー、マジで気になり過ぎて無理だわ」

 魅恋はうーんと悩むような顔で大きくため息を吐いた。魅恋は基本好奇心が旺盛というタイプではない。ただ楽しければ、みんなと明るく笑い合えていればいいとしか考えて来なかった。それが、魅恋の幸せ。それが霧園魅恋の本質だ。

 しかし、その考えを、幸せを、本質を蝕むかのように、今の魅恋の中には好奇心と知りたいという欲求が生じている。魅恋はその欲求に頭を悩ませていた。

「・・・・・・僕もあの出来事が何だったのかは知りたいです。今この世界で何が起きてるのか。その理由も知りたい。でも・・・・・・不思議に思われるかもしれませんが、僕はいま何よりも・・・・・・またあの人に会いたいです」

「っ・・・・・・!?」

 海公の漏らした本心を聞いた魅恋は驚いたような顔を浮かべた。そして、「そっか・・・・・・」と呟くとこう言葉を続けた。

「実は・・・・・・ウチもなんだ。ウチもまたあのスプリガンって人に会いたい。助けてもらったお礼の言葉も言いたいし」

「そうですね。僕たち、お礼も言えてないですもんね」

 無意識に魅恋は少し口角を上げる。海公も小さく笑う。

(きっと僕が心の底の底で思っている事は――)

(ウチがあの人に抱いてるこの気持ちは――)

 海公と魅恋が自身の抱いている本当の気持ちを自覚する。

 そんな時、いかなる偶然かはたまた不幸か、


 ピシリと空間に亀裂が奔った。そして、


「・・・・・・!」

 突然、虚空から異形が現れた。

「え・・・・・・・・・・・・」

「なっ・・・・・・・・・・・・」

 その光景を見た魅恋と海公は、一転呆然とした顔になった。2人は同じような光景をつい2日前に見た。あの時も何の前触れもなく、2人の前に異形の怪物が現れた。

 ただ、今回現れた怪物は以前の骸骨のようなものではなかった。まず、その姿が骸骨よりも遥かに大きかった。骸骨は人間の大人くらいのサイズしかなかったが、この怪物は優に骸骨の倍は大きい。3メートル、いやもしかしたら4メートルはあるかもしれない。

 頭部は山羊の頭蓋骨のようで、長い2つの巻き角が特徴的だ。その眼窩には青い炎のような揺めきがあり、その揺らめきがまるで目のようだった。

 胴体部は赤黒い筋骨隆々とした肉体で、体には何やら紋様が刻まれていた。腕も含めて、そこだけは人間のようであった。

 下半身はこちらも筋骨隆々としていたが、人間のようなものではなかった。強いて形容するならばこれまた山羊だろうか。黒い毛皮に覆われた足の先は蹄になっており、腰の付け根からは尾のようなものが生えていた。

 魅恋と海公は知らなかったが、その異形の怪物はこの世界の伝説上の存在――バフォメットという悪魔(または神)にどこか似ていた。

『ああん? どこだここ?』

 その怪物は人間には全く理解できない言葉のようなものを発すると、首を回して周囲を見渡した。

「ひっ!? ば、化け物!?」

 すると、魅恋や海公たちとは反対側にいた通行人である年若い女性が悲鳴を上げた。女性はあまりのショックに地面に崩れ落ちた。

『? 何だこの生物は・・・・・・? 初めて見る魂の形だな。魔族・・・・・・じゃねえな。あいつらの魂の形はこんなんじゃねえ。じゃあ、吸血鬼か? いや、それも違うな。というか、こいつなんて言ってるか全然分からねえな。何でだ?』

 女性の悲鳴に反応した怪物は、魅恋と海公に背を向けジッと女性を見つめた。その際、また意味の分からない音の羅列を並べていたが、やはり怪物が何と言っているのか魅恋と海公には分からなかった。

『まあ、よく分からんが・・・・・・美味そうな魂だ。丁度腹も減ってるし、頂くとするか』

 怪物が眼窩に揺らめく青の形を変えた。まるで、ニィと目で笑うかのように。そして、怪物はガバッとその骨の口を開けた。その中には全てを塗りつぶすような暗闇が広がっていた。

「ひっ・・・・・・!」

 女性が恐怖を顔に張り付かせたまま、何かを察したのかのように悲鳴を漏らす。女性の漏らした声と、ただならぬ危機感を覚えたのか、魅恋は気がつけば、

「え、えいッ!」

 怪物に向かって自分の鞄を投げつけていた。鞄はボスンと軽い音を立てて怪物の背中に命中し、地面に落下した。

『あ?』

「き、霧園さん!?」

 鞄を投げつけられた怪物は口を閉じ魅恋たちの方へと振り返った。海公も驚いたように魅恋を見つめた。

「え・・・・・・? う、うわやっちゃった・・・・・・ああ、でも・・・・・・だったら・・・・・・!」

 魅恋は自分でも驚いたような顔になったが、やってしまったものは仕方がないと諦め、大きな声で崩れ落ちている女性にこう言った。

「逃げて! できるだけ遠くに! 早くッ!」

「は、はいッ!」

 魅恋にそう言われた女性は気力を振り絞ると、這うようにこの場から逃げ出した。女性が逃げた事に気づいた怪物は後ろを振り返ると『ちっ』と不快そうな音を出した。

『獲物が逃げちまったじゃねえか。代わりにてめえらの魂を頂くぜ』

「ひっ・・・・・・!」

「っ・・・・・・!」

 獲物を魅恋と海公に変えた怪物が2人を見下ろす。自分たちが獲物にされたと本能で感じた海公と魅恋は更なる恐怖を覚えた。

「・・・・・・海公っち。私が囮になるから、海公っちはその間に逃げて」

「え・・・・・・? な、何を言ってるんですか霧園さん!?」

 急に魅恋にそう言われた海公が正気かといった声で魅恋の名を呼ぶ。魅恋は真剣な、それでいて恐怖を顔に張り付かせた顔でこう言った。

「鞄投げちゃったのは私だし、その責任は取るよ。だから、海公っちは早く逃げて。このままここにいたら、間違いなく危ない。死ぬかもしれない。海公っちも死ぬのは嫌でしょ? だから早く!」

「っ・・・・・・」

 魅恋が海公を守るように手を広げる。魅恋にそう言われた海公は魅恋の震える手を見つめた。

(霧園さんだって怖いんだ・・・・・・だけど、勇気を振り絞って、霧園さんは僕を逃そうとしてくれてる。ああ、凄い。凄いな霧園さんは・・・・・・)

 海公は正直、魅恋の言葉に甘えて今すぐにでも逃げ出したい。だが、逃げ出したいのは魅恋も同じはずだ。しかし、魅恋は海公にそう言ってくれた。これを勇気と言わずして、優しさと言わずして、強さと言わずして何と言うべきか。海公は魅恋に心からの尊敬の念を抱いた。

 だから、

「・・・・・・いいえ、霧園さん。僕は逃げません。ここで逃げたら、僕は一生後悔する。自分の事が嫌いになる。それに・・・・・・クラスメイトを見捨てる事なんて僕には出来ません。逃げるのなら、2人でです」

 海公は自分も勇気を振り絞り魅恋にそう言った。魅恋の手を自分の手で下げながら。

「海公っち・・・・・・」

 海公の言葉を聞いた魅恋がその目を見開く。海公の覚悟を悟った魅恋は「そっか・・・・・・」と声を漏らした。

「じゃあ、もし生き延びたら乾杯しようぜ・・・・・・!」

「ええ、いいですね・・・・・・!」

 どこかヤケクソ気味な笑みを浮かべそう言った魅恋に、海公も同じような笑みを浮かべ頷いた。2人は人生で初めて決死の覚悟というものをした。

『さあ、てめえらの魂はどんな味だ?』

 怪物が再び口を開ける。暗闇が魅恋と海公を覗く。2人はジリジリと下がり逃げるタイミングを窺う。決死の逃走劇が始まる。そう思われた時、


「――はあぁぁぁぁぁぁッ!」


 魅恋と海公の後方からそんな掛け声と共に1人の少女が飛び出して来た。少女は地を蹴り体を捻ると、右の蹴りを怪物目掛けて放った。

『あ?』

 怪物は不審そうな声を漏らし、左腕で少女の蹴りを受け止めた。瞬間、衝撃が空間を奔る。それは見た目からは想像も出来ないが、少女の蹴りがそれだけ重いという事実を示していた。

「「え・・・・・・」」

 その光景を見た魅恋と海公が驚いたような声を漏らす。そして、その少女は守るように2人の前に着地した。

「大丈夫!?」

 少女が振り返り魅恋と海公にそう確認してくる。その少女の顔を2人はよく知っていた。なぜなら、彼女は2人が通う風洛高校の有名人だったからだ。

「あ、朝宮先輩・・・・・・?」

「な、何でパイセンが・・・・・・というか、その格好は・・・・・・」

 その少女は風洛が誇る名物コンビの内の1人、朝宮陽華だった。陽華は何やら赤やピンクなどの暖色を基調としたコスチュームを纏い、両手にガントレットを装備していた。

「ちょっと陽華! いきなり攻撃しちゃダメでしょ! まずは対話できるか確かめなきゃいけないんだから!」

「っ、あれが異世界からの流入者か・・・・・・」

 すると、この場に新たな者たちが現れた。魅恋と海公が振り返ると、そこには少女と少年がいた。少女は青や水色を基調としたコスチュームを着て、杖を持っていた。少年の方は白を基調としたどこか王子然とした衣装で、腰に剣を装備していた。

「え、え? 月下先輩に香乃宮先輩まで・・・・・・?」

「い、いったい何がどーなってんの・・・・・・?」

 新たに現れた2人も風洛高校の有名人、月下明夜と香乃宮光司だった。

「ご、ごめん! 何か危険な空気だったから・・・・・・」

「全く・・・・・・これだから脳筋は」

「の、脳筋じゃないし!」

 陽華と明夜が張り詰めた空気の中、少し緩さを感じさせる言葉を交わす。そんな2人とは違い、光司は魅恋と海公にこう声を掛けてきた。

「君達は風洛高校の生徒だね。色々聞きたい事、混乱している事があるとは思うけど・・・・・・今は何も言わずに逃げてほしい。お願いだ」

 2人の制服から魅恋と海公が風洛の生徒だと分かった光司が2人にそう促す。光司にそう言われた2人は「で、ですが・・・・・・」「パイセン達も危ないんじゃ・・・・・・」と心配そうな顔でそう言った。

「ありがとう。君たちは優しいね。でも、大丈夫だよ。僕たちには力があるから。例え戦いになっても問題はない。だから、逃げてくれ。それが最善の道なんだ」

「っ・・・・・・分かりました」

「香乃宮パイセンがそう言うなら・・・・・・」

 真剣な光司の言葉を聞いた海公と魅恋は気がつけば頷いていた。状況は依然全く分からないが、光司が嘘を言っているとは思えない。ならば、自分たちが逃げる方がいいのだろう。魅恋と海公が逃げようとすると――

『逃げる気かよ? ダメだ、今度は逃さねえぜ』

 怪物が2人の動きに気がついた。怪物は右手を奇妙な形にして何か言葉を呟いた。すると、魅恋と海公が逃げようとしている道の先に闇色の壁のようなものが出現した。その壁が2人の逃げる先を遮った。

「「っ!?」」

「なっ・・・・・・!?」

 その光景を見た魅恋と海公は立ち止まり、光司は驚いた。障壁の先は十字路になっていたが、この道は1本道だ。つまり、逃げる方向は怪物のいる方向しかない。それは実質的に、逃げ道を封じられたという事だった。

「っ、これは・・・・・・」

「待って! さっきは攻撃しちゃったけど、私たちはあなたと話がしたいの! お願い、話を聞いて!」

 明夜と陽華もその壁に気付き、陽華が怪物にそう声を飛ばす。陽華の言葉を理解したのか、怪物は陽華にこう言ってきた。

『ああ? 話なんかしねえよ。俺は腹減ってるんだ。てめえら全員の魂を喰うって今決めたんだ。俺に喰われた後なら話を聞いてやってもいいぜ?』

「っ、これは・・・・・・戦うしかないみたいね」

「うん・・・・・・やるしかないみたい」

 怪物同様に怪物の言葉を理解した明夜と陽華が厳しい顔になる。ちなみに、会話が成立しているのは光導姫形態の言語理解システムが関係している。光導姫(守護者もだが)は、違う国の光導姫と共闘する事もあったので、違う国の言語を理解出来るようになっている。例えば日本人なら、英語が母語である日本語に聞こえるといった感じだ。それは光導姫の言葉も同じで、光導姫の言葉はその者が最も親しんだ言葉として相手に聞こえる。

 そして、それはどうやら異世界の言語も同様の扱いを受けるという事らしい。つまり、怪物の言葉が陽華や明夜、光司などには日本語に聞こえ、怪物には陽華の言葉が異世界の言語に聞こえたという事だ。それが、陽華と怪物の会話が成立している理由だった。

「香乃宮くん、2人をお願い出来る? 私と明夜は戦わなきゃいけないから」

「・・・・・・分かった。2人は僕が必ず守り抜いてみせるよ」

 陽華が光司に魅恋と海公を守るように頼む。光司は真剣な顔で陽華の言葉に頷いた。

「ごめん。そういう事になってしまったから、僕が君たちを守る。だから、出来るだけ僕の後ろにいてほしい。大丈夫、君たちには傷1つ付けさせないから・・・・・・!」

「は、はい・・・・・・」

「あ、ありがとうございます・・・・・・」

 光司にそう言われた海公と魅恋がその首を縦に振った。2人の言葉を聞いた光司は「ありがとう」と言って2人の前に出た。

「よし・・・・・・じゃあ、行くよ明夜」

「ええ、やるわよ陽華」

『ははっ、来いよ。絶望に染まった魂を・・・・・・俺に喰わせろ!』

 拳と杖を構える陽華と明夜。そんな2人を睥睨した怪物はその両手を広げそう言った。

 こうして、怪物と光導姫の戦いが始まった。














 ――そして、時は現在に戻る。

「はあ、はあ・・・・・・」

「くっ・・・・・・」

 陽華と明夜は疲れたような表情で、怪物を睨んでいた。2人に睨まれている怪物はカタカタと歯を鳴らした笑った。

『ははっ、戦いにくそうだな? そんなお荷物さっさと見捨てりゃ楽なのによ』

「そんな事は絶対にしない・・・・・・!」

「ええ。死んでもごめんね・・・・・・!」

 怪物の言葉に陽華と明夜はそう言葉を返した。怪物が言っているお荷物とは、魅恋と海公の事だ。怪物は露骨に2人を狙い攻撃して来た。その猛攻は光司だけでは守り切れず、陽華と明夜も守りの動きをせざるを得なかった。そのため陽華と明夜、光司も疲弊していた。

「み、皆さん・・・・・・」

「っ、ウチらのせいで・・・・・・」

 そんな3人の様子を見ていた海公と魅恋が申し訳なさそうな顔を浮かべる。そんな2人に対し、光司はこう言った。

「だ、大丈夫だ。君たちは絶対に守り抜く・・・・!」

「うん・・・・・・! 心配しないで・・・・・・私たち、これでもタフだから・・・・・・!」

「修羅場はそれなりに潜って来たつもりよ。だから、こんな所で私たちは負けないわ・・・・・・!」

 陽華と明夜も笑顔を浮かべ、魅恋と海公にそう言葉を送る。その言葉を聞いた2人は「「っ・・・・」」と泣きそうな顔を浮かべた。

(とは言っても、このままじゃジリ貧・・・・・・)

(残る手段は・・・・・・)

 明夜と陽華が内心でこの状況を打開する方法を考える。一応その方法は1つだけある。『光臨』だ。だが、光臨にはデメリットがあるし、周囲への被害もその強すぎる力のため免れない。ゆえに、切り札であるそれを、2人は使用するべきか悩んだ。

『そろそろ諦めて俺に喰われろよ。お前らがそいつらを守ってる限り、俺には勝てねえぜ?』

 怪物が呆れたようにそう言葉を放つ。魅恋と海公には相変わらずその言葉の意味は分からなかったが、怪物の言葉を理解している3人はこう言葉を返す。

「冗談。この程度で諦めたらに笑われるわ」

「うん。諦めない事だけが私たちの取り柄だもんね・・・・・・!」

「ああ。彼に頼らないように、僕たちはこれからも戦わなきゃならないんだ・・・・・・!」

 明夜、陽華、光司が諦めぬ魂の輝きを示す。その輝きを見た怪物は『ちっ』と舌打ちをした。

『全く魂が絶望に染まらねえ。いいぜ、なら1人殺して無理やり染めてやるよ!』

「っ、明夜・・・・・・!」

「ええ、使うしかないみたいね・・・・・・!」

 怪物が本気を出すかのように、その身から赤いオーラを立ち昇らせる。3人が緊張を更に高め、陽華と明夜が光臨を使用しようと決める。

『オラッ! 死に晒――!』

 怪物がその丸太のような右腕を上げる。するとその瞬間、ヒュンと音がしたかと思うと――


 怪物の右腕が半ばから両断された。瞬間、切断された腕が地面に落ち、黒い血が周囲に大量に飛び散った。


『っ!? ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?』

「「「っ!?」」」

「「え・・・・・・?」」

 怪物が悲鳴を上げ左手で何かに切断された右腕を握る。陽華、明夜、光司の3人は驚愕し、魅恋と海公の2人は何が起きたのか分からず、そんな声を漏らした。

「・・・・・・ふん、うるせえ悲鳴だ」

 そして、そんな言葉と共に急に虚空から黒衣の男が出現し、戦場に降り立った。

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