第60話 特訓の成果
「ふぁ〜あ・・・・・・・・・眠い。そして暑い・・・・」
大きくあくびを1つして、影人は気怠げに学校へと歩を進める。影人は恨むように頭上に燦然と輝く太陽を睨み付けるが、すぐに無意味な行為だと気がつくと、ため息1つ視線を元に戻した。
6月も終盤に差し掛かっているため、最近は更に日差しがキツくなっている。いずれは本格的にセミ達が大合唱する夏が訪れるだろう。
「・・・・・・・・・そういや、まだ一応梅雨だっていうのに、今年はあんまり雨が降らないな」
昨日見た天気予報では、この時期はまだ当然梅雨ではあるが、例年に比べあまり雨は降っていないと言っていた。これも地球の異常気象の影響か。
『くくっ、えらくスカしてんじゃねえか。何だかんだで、
影人の脳内に人を喰ったような態度の女の声が響く。気が向いたのか、はたまた暇なのかは分からないが、彼女の方から話しかけられるとは思っていなかった影人は、少し驚いたように思わず足を止めた。
(俺から念話してもうんともすんとも言わなかったお前が、急にどうしたんだ? イヴ)
だが足を止めたのは一瞬で、影人は心中でそう呟くと再び歩き始めた。その顔はどこか嬉しそうで、口元がニヤついている。
『別に気分だ、気分。俺が暇つぶしがてらにお前と話してもいいかと思ったまでさ。だから色々と勘違いすんなよ』
その影人にだけ聞こえる声の主は、素っ気なさそうにそう言ってきた。影人はその声の主――イヴ・リターンキャッスルの意志が封じられている、黒い宝石のついたペンデュラムが入っている鞄に視線を向けながら、念話を続けた。
(へいへい、分かったよ。後、勘違いって言うならお前もしてるぜイヴ。一昨日の暁理とのアレはラブコメじゃない。俺はただ友人の願いを叶えてやっただけだ。なんせ、あいつと俺はただの友達だからな。それ以上でもそれ以下でもねえよ)
影人がイヴの先ほどの言葉を訂正する。
影人は一連の出来事の末に、イヴの存在を認めた。そのため、イヴは影人が変身していない時はペンデュラムの黒い宝石の中にその意志を宿している。
そしてイヴは黒い宝石形態の時は、半径1メートル以内という制約はあるが、影人の視覚と聴覚などを共有することが出来るのだ。つまり、影人がペンデュラムを携帯している時は、イヴは好きな時に影人の視界を見ることが出来るし、影人の耳を通して世界の音が聞けるというわけだ。
当然、影人は一昨日の暁理との遊びの時も(暁理が聞けば「デートだよ!」と反論するかもしれないが、影人の認識ではそう)不測の事態に対応できる様に、ペンデュラムを鞄に忍ばせていた。そして、おそらくイヴは影人と暁理の遊びを一部始終見ていたのだろう。その証拠が先ほどのイヴのラブコメ発言だ。
『あれがラブコメじゃなかったら何なんだよ。早川暁理とか言ったかあの女? あいつ多分お前の事が好きだぜ影人。くくっ、よかったじゃねえか。お前を好いてくれる雌がいてよ』
イヴがどこか挑発するようにそう言った。おそらくは影人の慌てふためく様でも見たいのだろうが、影人からしてみればそれは挑発にすらなっていない。
(・・・・・・・・普通に考えてそれはあり得ねえよ。自分で言うのもなんだが、俺の見た目は暗い。どこの誰がこんな顔半分見えない奴を恋愛的に好きになる? 何だかんだで、恋愛は顔ってパーツが重要だし、それが決め手になりうるんだよ。特に金のない学生なら尚更だ)
影人は冷静に、いやいっそのこと冷めたように心中でそう呟く。影人の恋愛観は極めてドライだった。
『スレた考え方してんな、お前。よく言うじゃねえか、人間見た目よりも中身だってな』
「はっ、都合の良い幻想だな」
イヴが面白くなさそうに言葉を返してきた。そして、影人はその言葉だけ肉声で答えを呟いた。別に意味はなく、咄嗟的にそう言ってしまっただけだ。
(それと、俺はあんまりそっち系の話は好きじゃない。だからそう言った話は振ってくれるなよ、イヴ。まあ、お前もそう言った事に関心を持つ年頃なのかもしれんがな)
敢えてイヴが怒りそうなワードを内なる言葉に込め、影人はその話題を逸らそうとした。
『あ? また父親面かてめえ? ちっ、シラけちまったぜ』
そしてイヴは影人の思惑通り、もう何も語りかけて来なくなった。そんな分かりやすいイヴに、影人は自然に笑みを浮かべてしまう。この分かりやすいところがイヴの可愛らしい点だ。
「ふっ、まだまだだな。イヴ」
軽く勝ち誇ったような表情を浮かべ、影人は風洛高校の正門を潜った。
「1限目は・・・・・・・・・歴史か」
教室の自席に座った影人は、1時間目の授業の準備をすると何とはなしに窓の外に視線を向けた。影人の席は窓側の1番端。ゆえに窓の外も、その下側も影人は見る事ができる。
「と・・・・・・・・・・そういや、そろそろあの時間か」
(いや何の時間だよ)
影人の呟きを聞いてしまった前の席の生徒は、内心そう突っ込んだ。別に影人の前の席の生徒は、突っ込みたくて突っ込んでいるわけではない。だが、席の関係上必ずといっていいほど、影人の独り言が聞こえるのだ。ゆえに、生徒は反射的にそう突っ込んでしまった。
まさか、自分の前の席の人物が律儀に心中で突っ込んでいるとは露知らぬ前髪野郎は、その視線を正門へと向けた。
「あー、ヤバイヤバイ! 今日もヤバイよ明夜! このままじゃ遅刻しちゃう!」
「そんなのいつものことよ陽華! 大丈夫、まだ時間は1分あるわ! 門なんてぶっちぎってやるわ!」
すると2人の少女がまるで
「・・・・・・・・・・毎日毎日ご苦労なこった」
風洛高校が誇る名物コンビ、朝宮陽華と月下明夜の姿を見た影人は呆れたようにそう呟いた。なんだか久しぶりに見たような気がしないでもないが、よくよく思い返してみると2、3日前も見たので全く久しぶりではない。
「ふん! 今日こそは間に合うまいよ! チャイムは――今鳴った!」
正門前の体育教師、上田勝雄がチャイムと同時に正門を閉めようと正門に手を掛ける。窓際に集まった生徒たちの盛り上がったような声を聞きながら、影人は日常風景と化しているその光景を静かに見つめた。
「ぬあ!? どうしよ明夜! 上田ゴリラ先生の怪力のせいでもう校門が閉まっちゃうよ!」
「誰がゴリラだ! 聞こえとるぞ朝宮ッ!」
「すんません! つい!」
校門があと少しといったところで、完全に閉められる。当然ながら、あの校門が閉まれば陽華と明夜の遅刻はその瞬間に確定する。
「すべき心で、理性を乗りこなすのよ陽華! 私たちは冷静に全力で、駆ければいい!」
「分かったよ明夜!」
2人と校門の距離はもうあと少しといったところだ。だが、校門は無慈悲に世界を閉じてゆく。
「「うおおおおおおおおッ!!」
「くっ!? 敗れるのか俺は今日も・・・・・・!」
2人のあまりの気迫に勝雄の手が、ほんの一瞬だけ止まった。そしてその隙が勝敗を分けた。
「「行っっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」」
2人はその一瞬の隙を突いて、校門を突破した。
「くっ・・・・・・俺は、自分に負けたのか・・・・」
2人は今日も勝利した事の喜びを分かち合うため、コツンと拳をぶつける。2人は次は教室に向かうべく、昇降口を目指した。後に残された勝雄は、ガクリと肩を落とし、悔しそうにしていた。
「はっ・・・・・・・・今日も今日とてしょうもねえな」
言葉だけを聞くと、冷めた反応で中々辛辣な言葉だが、影人の口元はどこか緩んでいた。
スプリガンとして影から暗躍する影人だが、この何気ない朝の光景は変わらない。
「おらー、ホームルーム始めるぞー。席につけー」
ガラガラと音を立て、担任教師の榊原紫織が気怠そうに教室に入ってきた。生徒たちは慌てて席につき、ホームルームが始まる。
(・・・・・・・愛すべき日常の退屈が今日も始まるな)
だがそれは素晴らしい事だ。非日常の危険さと面倒くささを知った影人は強くそう思った。
4時間目の授業もあと5分ほどで終わりといった時間、影人は普通にノートを取りながら授業を聞いていたのだが、ある音が突如として影人の脳内に響いた。
キイィィィィィィィィィィィィィィィィン
(・・・・・・・・・・日常が3、4時間で壊れやがった)
聞き慣れたその音を聞きながら、影人はため息を吐いた。脳内には既に闇奴の出現位置がイメージとして浮かんでいる。ソレイユからの仕事の合図である。
(位置は・・・・・・ここから1、2キロか。この距離なら転移はないな。面倒だが行くか)
影人は4限目の数学の教師に「体調が優れない」と断りを入れ、教室を出た。そして自分と同じく合図を受けたであろう、とある3人と顔を合わせないように、昇降口とは反対側の階段の影に身を潜めた。
パタパタという音が静かな廊下に響き渡る。足音は2人分。陽華と明夜だろう。そして少し遅れて1人分の足音。光司だ。
影人はそれらの足音が完全に聞こえなくなった事を確認して、階段を降り昇降口を目指した。
『こんにちは影人。すみませんが、今回も例の如くお願いします』
「・・・・・・・・分かってるよ、そんな事は。いま昇降口に向かってるところだ」
脳内に響くソレイユの声に影人は肉声で答えを返す。するとソレイユはこんな言葉を返してきた。
『そうですか、ありがとうございます。ふふっ、そういえば影人があの2人を見守るのは、何だかんだでちょっと久しぶりじゃないですか? ここ最近はあの2人の周囲に闇奴は現れていませんでしたし』
「まあな。つーか、俺の本来の仕事はそっちなんだがな。最近は、フェリートに提督、キベリアにイヴとかとドンパチしてたし・・・・・・・・・まあ、イヴの事に関しては自分の問題だったが」
ソレイユの指摘に影人は頷いた。
そう。本来の影人の仕事は陽華と明夜を影から見守ることだ。そして2人に危険が迫った場合には、スプリガンとして2人をそれとなく助けること。それがソレイユから影人に与えられた、スプリガンとしての仕事だ。
だが、最近はカモフラージュとしてあちこちに姿を現したり、ランキング3位の光導姫と戦ったり、はたまた最上位の闇人たちと戦ったりと、他の仕事で忙しかった。ゆえに本来のスプリガンとしての仕事は存外に久しぶりというわけだ。
「で、ソレイユ。今回の闇奴はどんな具合なんだ? 俺は見てるだけで大丈夫そうなのか?」
下駄箱で靴に履き替えながら、影人はそんな事を聞いた。一応、ポケットにペンデュラムを忍ばせてはいる。だが、実際に自分が戦う可能性があるかもしれないのであれば、事前にそのことを聞いておきたい。
『強さはそれ程ではないですね。気配の大きさがそんなに大きくはありません。よくて中くらいの闇奴でしょう。10位の彼もいますし、あなたは見守るだけだと思いますよ』
「そうか・・・・・・まあ確かに香乃宮がいりゃ大抵は何とかなるしな。だけど問題はあの2人だろ。あいつらまだ括りとしては新人だろ? 中くらいの強さの闇奴って言ってもてこずるんじゃねえか?」
靴を履き替えた影人は目的地に向かうべく、校門を出た。影人の懸念にソレイユは、少し含むような言い方でこう言ってきた。
『それは・・・・・・・・どうでしょう? あなたの見ていない所で、2人は『巫女』に稽古をつけてもらっていたようですから。もしかしたら、私たちが思っているよりもずっと強くなっているかもしれませんよ?』
「あいつらが? ・・・・・・・・・まあ、俺的にはそっちの方が助かるがな。とりあえずは、期待せずに見守るよ」
影人の言葉にソレイユは『素直じゃありませんね』と呆れたように言葉を返してきたが、影人はそれを無視すると、非日常に向かうべく駆け出した。
「さてさて、戦いはどうなってるか・・・・・・・・」
周囲に人の姿がないことを確認すると、影人は戦いが行われているであろう中心地――今回の場所は閑静な住宅街――を見るべく、近くの住宅の壁に身を潜めた。そしてそこから顔を最低限出す。少し久しぶりの影から見守るスタイルである。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
「ブモッ!?」
見てみると、ちょうど変身した陽華が闇奴に強烈な蹴りを加えているところであった。陽華が蹴り飛ばした闇奴はいわゆる獣人型と呼ばれるタイプで、その特徴的な顔から牛人だろうという事が分かる。
「ブモォォォォォォォォォォォッ!」
だが、陽華に蹴り飛ばされた闇奴は怒り狂ったように雄叫びを上げると、その筋骨隆々とした肉体で持っていた棍棒のようなものを振りかぶった。
「明夜!」
「ええッ!」
その動きから大上段からの強力な一撃を予測した陽華は、後方に控えていた明夜に呼びかけた。
「氷の蛇よ! 絡めて
明夜が杖を振るい、氷の蛇が地面を這いずる。氷の蛇は一瞬で牛人の足元でも到達すると、牛人の体を這いずり上り棍棒と右手に絡み付いた。そして蛇は巨大な氷塊へと姿を変えた。
「!?」
牛人は再び驚いたように自分の右手を見つめるが、その隙を陽華たちは見逃さなかった。
「ふっ!」
光司が神速の速さで牛人との距離を詰める。光司は右手の剣を振りかぶり、凍りついた牛人の右手を切り落とした。
「ブモォォォォォォォォォォォ!?」
切り落とされた右腕の断面から闇奴が大量の血を流す。大量の血を流した事により闇奴は、大幅に弱体化することを余儀なくされた。
「2人とも!」
「ありがと香乃宮くん! 明夜!」
「ええ! やるわよ陽華!」
「「汝の闇を我らが光に導く」」
2人の武器、ガントレットと杖が光に変わり陽華と明夜の手に宿る。陽華は右手を、明夜は左手をそれぞれ重ね合わせ、言葉を紡いだ。
「逆巻く炎を光に変えて――」
「神秘の水を光に変えて――」
2人は重ね合わせた手を闇奴へと向ける。
「「浄化の光よ! 行っっっっっっっっっっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」」
浄化の光の奔流が闇奴を襲う。弱体化していた闇奴はなす術もなく光へと飲み込まれた。光の奔流が収束すると、後に残ったのは浄化された人間だけだった。
「やったね! 明夜!」
「ええ。上々だわ陽華」
2人は笑顔でハイタッチをしあうと、闇奴化していた人間の介抱へと向かった。当然、光司も2人に続き闇奴化していた人間の介抱へと向かう。
「・・・・・・・・・・こいつは」
『これは・・・・・驚きましたね。2人とも分かりにくくはありますが、体捌きや浄化の力が前よりも向上しています。これが巫女との特訓の成果ですか・・・・・』
ソレイユの声が再び影人の脳内に響く。その声からソレイユもこの戦いを見ていた事が窺えた。おそらく影人の視界から戦いを見ていたのだろう。
(お前にしては珍しくまともな考察だな。浄化力云々は俺には分からんが、確かに朝宮の体捌きは前よりキレがあったような気がしたぜ。まあ、それは香乃宮も同じな気がするがな)
声で自分の潜んでいる場所がバレないように、影人は心中でそう呟いた。影人ももちろん戦いの素人ではある。だが、何だかんだ戦っている内にその観察眼はかなり鍛えられている。
まあ、影人の場合は観察眼が鍛えられているというよりは、観察眼を鍛えなければ死という状況だったのだが、本質は同じだ。
『カチンとくる言葉があった気がしますが、今回は流しましょう。守護者の彼に関しては、元のレベルが高かったので私には分かりかねましたが、明夜も浄化力を上げていましたよ。ふふっ、これは巫女に感謝しなければなりませんね』
(あいつか・・・・・・・・・まあ、多少なりとも強くなってるなら重畳だな)
巫女の顔を思い出しながら、影人はそう結論づけた。先ほどはソレイユにあまり期待せずに見守ると言ったが、2人の実力は影人が思っているよりも上がっているかもしれない。
「しかし・・・・・2人とも強くなったね。前の君たちなら、もう少し獣人型の闇奴に手間取っていたと思うよ。これも巫女――連華寺さんとの特訓の成果かな?」
影人が物陰でソレイユとそんな事を話し合っている間、闇奴化していた人間の介抱を終えた光司が陽華と明夜にそう問いかけた。
「本当!? だってさ明夜! 私たち前より確実に強くなってるんだよ!」
「そうね陽華。こんなに嬉しい事はないわ。あのキツい模擬戦に耐えてきた甲斐があったってものね。・・・・・・・模擬戦? うっ、ダメだわ。先週のアイティレさんとの戦いが・・・・・・・」
「思い出しちゃダメだよ明夜! あの記憶は忘れなきゃ!」
陽華が頭を押さえる明夜にそう呼びかけた。先週の金曜日の放課後に2人は光導姫ランキング3位『提督』こと、アイティレ・フィルガラルガと実戦形式で戦ったのだが、見事にボコボコにされた。しかもアイティレはスパルタであったらしく、それはそれはみっちりと鍛えられたのだ。
「あはは・・・・・・どうやら大変だったみたいだね。でも本当に2人は凄いと思うよ。確か2人は今月で光導姫になって2か月だったかな? 2か月であのレベルで動けて浄化力も上がっているのは、僕は見たことがなかったよ」
「えへへ、そう言ってもらえると嬉しいです! でも香乃宮くんもいつも通り凄かったよ! 香乃宮くんがいなかったら絶対あんなスムーズには浄化出来なかったもん。いつもありがとう香乃宮くん!」
「っ・・・・・いや、僕はやるべき事をしただけだから」
陽華の輝くような笑顔に、なぜか頬が熱くなるような気がして光司はその顔を背けた。なぜかは分からないが、心臓も鼓動が速まっている気がした。
「さて、私たちもそろそろ戻りましょう。たぶんもう少しで昼休みが終わるわ」
「げっ! それはまずいよ明夜! 私まだお昼ご飯食べてない!」
「じゃ、じゃあ走って戻ろうか。走って戻ればギリギリお昼ご飯くらいは食べれるかもしれないから」
2人の言葉を聞いていた光司が、何とか笑顔を浮かべてそう言った。陽華と明夜は光司の言葉に頷くと、変身を解除した。光司も2人に続き変身を解除すると、3人は風洛高校へと戻るべく駆け出した。
「・・・・・・・・・・さてと、俺も戻るとするか。飯食えるかな・・・・・」
3人が走り去った事を確認した影人は姿を現すと、自分も昼飯にありつくべく徐々に歩みを速くした。2人が強くなっているという事実を知った影人は、少しだけ、ほんの少しだけ、喜ばしい気持ちを抱いた。
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