第2話



        手編みの帽子にマフラー。フェルト地のコート。


           光沢を失ったアルミ製の食器。


     小突き回され凹んだカンテラから配給される薄い薄いボルシチ。


       靴底カツレツに歯が立たないアルミナイフ。


               耐え忍びの民。


      厨房車から漂ってくる煤が降り立ったテーブルクロス。


         Boissonは ヴォッカ か ブランディー。


          広大なシベリアの中で乾いていく寂寞感。


      時代は何処かを目指してるようだが、付き従う盲目の僕等は


              お仕着せの夢を買わされ


               お慈悲の飢饉飢饉


             夕日の中静かに潜んでいると


               背後に税徴収人。


          時々嘘でもイイから至福の瞬間を。。。





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執着くん!そんな所にへばり付いてちゃ、だめだよ。日々の移ろい?2 @tati

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