オーウェル子爵領との交渉 2
「……宣戦布告と言ったが、どういうつもりだ?」
「正々堂々と権謀術数を巡らして、あなたから次期当主の座を奪うと言うことですわ」
権謀術数を巡らすのが正々堂々なのかどうかは――この際だ。貴族社会において権謀術数が当たり前だと考えれば、それを宣言するのは正々堂々と言えなくもない。
問題は――
「宣戦布告と言ったが……ジェニスの町になにを仕掛けた?」
「あら、わたくしは宣戦布告をしに来たんですわよ?」
「だが、権謀術数を巡らすのだろ? そこまで宣言しておいて、攻撃を仕掛けるのは宣戦布告が終わってから、なんて綺麗事を言うつもりか?」
「ふふっ、よく分かりましたわね」
おそらくは次期当主候補として内定した時点で謀略を準備していたのだろう。じゃなければこの短期間で、ロイド兄上に続いて俺にまで攻撃を仕掛けられるはずがない。
不味いな、完全に後手に回っている。
どうする、どうしたら良いとめまぐるしく考える俺の手を温もりが包み込む。ちらりと視線を落とせば、クリス姉さんがテーブルの下で俺の手を握っていた。
クリス姉さんの小さな手は――わずかに震えている。いくら能力が優れていても、クリス姉さんは俺やフィオナ嬢と違って見た目通りの女の子でしかない。
父上に匹敵するリディアの圧力は耐え難いものがあるんだろう。
なのに、クリス姉さんは俺の手を包み込んで、俺を励まそうとしてくれている。
そうだ、俺は一人じゃない。
それに俺の行動には、クリス姉さんやフィオナ嬢、それにジェニスの町の命運も掛かっている。リディアがどんな策略を仕掛けてきたとしても負けるわけにはいかない。
俺はゆっくりと深呼吸をして自分を落ち着かせ、あらためてリディアに視線を向ける。もう、彼女の圧力に気圧される気持ちはなくなっていた。
「うちになにを仕掛けた?」
「オーウェル子爵家をご存じですか?」
「むろん知っている」
ウィスタリア伯爵領と隣接する領地で、うちとは古くからの付き合いがある。巨大な塩湖を擁した領地で、近辺で消費する塩の大半はこの領地から輸入したものだ。
「――まさか」
「ええ。オーウェル子爵と交渉して、塩を輸出しないようにいたしました」
「嘘よ、そんなこと出来るはずないわ!」
クリス姉さんが声を荒らげた。
塩は生活必需品も同然で、オーウェル子爵領から輸入できなくなれば、ウィスタリア伯爵領は早急の対処を要求される。姉さんが取り乱すのも無理はない。
普通に考えればブラフ。
リディアの力で、そんな攻撃を引き起こせるはずがないが、さきほどのロイド兄上が捲し立てていた、塩を送らないといっていたのはこのことか。
……まさか、ロイド兄上が情報をくれるなんてな。
「塩の輸出を止めた。的を絞った、ということか?」
リディアに可能かどうかはともかく、オーウェル子爵領がその気になれば、俺やロイド兄上が管理する町への輸出を制限する程度なら可能だ。
こちらの対策として、他の町から買うことは可能だが、父上はウィスタリア伯爵領と、俺やロイド兄上が統治する町を切り離して考えるきらいがある。
俺達に攻撃を仕掛けたとしても、相応の理由がなければウィスタリア伯爵家は動かない。
もちろん、他領から取り寄せることは可能だ。だが、定期的に必要となる塩を遠くから取り寄せるとなると、どうしてもコストがかさむ。
町民達に負担を強いることになり――父上の評価にも繋がる。
「さすがですわね。あなたの予想通り、塩の輸出を制限したのはロイドお兄様とアレンお兄様の統治する町だけですわ」
「だとしても、オーウェル子爵家を動かすことなんて出来ないはずよ」
事実を受け入れられないクリス姉さんが食って掛かる。
だけど……そうじゃないんだ。普通に考えればあり得ないことでも、この状況で少し調べれば分かるような嘘を吐くはずがない。
だから塩の制限は事実。問題はその方法。
「一体、どんな手を使ったんだ?」
「わたくしがウィスタリア伯爵家の次期当主になれるよう、協力をお願いしただけですわ」
「そんな口車に乗って、オーウェル子爵家が俺やロイド兄さんに圧力を掛けた、と?」
「ええ、その通りですわ」
理屈は分かるが理解は出来ない。リディアの素性は俺達にも分からなかった。いまの彼女は全くの無名。そんな彼女に味方する理由がない。
……いや、違う。
リディアに味方したわけじゃなく、俺やロイド兄上に敵対したんだ。
オーウェル子爵領はウィスタリア伯爵家と隣接している。もっと具体的に言えば、俺やロイド兄上の町への輸送を制限できるほど近く――隣接した場所にある。
「ロイド兄上が原因か……」
「ふふっ、さすがはアレンお兄様ですわね」
思わず天を仰いだ。
ロイド兄上の去年の政策は、町の様々な税を下げて商人を招き寄せるというもの。それによって被害を受けたのはジェニスの町だけじゃない。
ウィスタリア伯爵領の一部と、隣接する領地――オーウェル子爵領も含まれている。
「でも……オーウェル子爵家に被害をもたらしたのはロイドお兄様でアレンは関係ないじゃない。それに、お父様が後始末をしたはずよ?」
「それは、クリス姉さんが俺の側にいるから分かることなんだ」
ロイド兄上が一方的に喧嘩を仕掛けて自爆したことを俺達は知っている。だが客観的に見れば、俺とロイド兄上がやりあった結果、周囲に被害をもたらしたようにしか見えない。
「ましてや、ウィスタリア伯爵家の人間が事実を歪めれば……完璧だな?」
「あら、わたくしは客観的に説明しただけですわよ?」
「真実を知っているのに、か?」
「知っていたとして、なにか問題がございますかしら?」
「……いいや」
非常に痛いとこを突かれたが、この程度は誰だってやっている。正々堂々と権謀術数を使うという言葉に偽りはない以上、ここで文句を言っても仕方がない。
問題は塩をどうするか、だな。
塩さえ確保できれば、最悪はオーウェル子爵家にどう思われようと乗り切れる。
それに、オーウェル子爵家は塩を使ってウィスタリア伯爵家に圧力を掛けた。今回は俺達の町限定だが、いざというときは塩で圧力を掛けるということが証明された。
塩の輸入ルートを他で確保して、オーウェル子爵家の影響力から抜け出すことが出来れば、父上は俺を評価してくれるだろう。
問題はどうやって塩の輸入ルートを確保するかと言うことだ。
アストリー侯爵領に海や塩湖があれば良かったんだが、残念ながら存在しない。山はあるが、岩塩が取れるという話は聞いたことがない。
遠くに行けば海があるし、塩を輸出している領地はいくらでもあるが……塩だけのために遠くから輸入するには輸送費が掛かりすぎる。
こちらからもなにか輸出できるようにならなければ話にならない。
「ふふっ。あなたの頼みの綱であるアストリー侯爵領にも塩はありませんわ。塩を押さえられては、町の統治も苦しいでしょう? 諦めてわたくしに従いなさい。そうすれば、ロイドお兄様と同じように、わたくしのペットにして差し上げますわ」
「……そうやって、ロイド兄上を従えたのか?」
「いいえ、そうやって挑発したら、賊を雇おうとしたので賊の代わりに部下を送り込み、襲撃の証拠を押さえて脅しました。自白の内容を示した書状に血判を捺していただいたので、ロイドお兄様は一生、わたくしには逆らえませんわ」
「おぉう……」
リディアの手際の良さを褒めるべきか、学習していないロイド兄上に呆れるべきか。俺の一件で襲撃は不味いって反省したんじゃなかったのかよ。
もしかして、俺じゃなきゃ許されると思ったのか? ……思ってそうだなぁ。
「それにしても、それを俺に話して良かったのか? 俺を罠に掛けるつもりはないのか?」
「アレンお兄様がそういうタイプじゃないことは存じておりますわ。アレンお兄様であれば、直接妨害するのではなく、領地を発展させることで対抗するのではありませんか?」
「その通りだ。……なるほど、調べは済んでいると言うことか」
俺の予想通り、次期当主候補として俺達の前に立つ前から動いていたのだろう。それを卑怯だとは思わない。事前準備を怠らないのは戦いにおいてあたりまえだ。
問題は、リディアに俺の手が読まれていること。
どうやってリディアを出し抜くか……リディアはおそらく気付いていないはずだが、塩の輸入ルートを押さえられたのは、俺にとってはとくに痛手だ。
なんとかして、この危機的状況を乗り越えなきゃいけない。
「即座に対応しようとしている、なかなか優秀なようですわね。ですが……あなたが治めているのがジェニスの町である以上、わたくしの謀略を食い破るのは難しいと思いますわよ?」
「……どういう意味だ?」
「他種族のことですわ。いまは比較的上手くやっているようですが、明らかに不和の種となりますでしょう? 他種族がいなければ、そのような問題も起きませんのにね」
リディアの整った顔に、かすかな嫌悪感が浮かぶ。
「……リディアは他種族が嫌いなのか?」
「この大陸に住む人間の大半はそう思っていると思いますが?」
「だが、そうじゃない奴もいる」
「それもまた事実ですわね。ですが不和の種であることに変わりはありませんわ。わたくしが当主になれば、不和の種は一掃して差し上げますわ」
「……ふざけるな。この町にどれだけ他種族がいると思っている」
「たった町一つの話ではありませんか」
イヌミミ族だけで三分の一を超え、人間以外の他種族でいえば三分の二を越えている。そんな町から人間以外の種族を追い出すなんて、どれだけの血が流れるか分からない。
だが、この国の中では他種族の暮らす町があることが例外であり、ウィスタリア伯爵領全体で見ても少数でしかない。
いまの彼らは大人しく、排斥しようとすれば他領からも批難の声が上がるだろう。だが、彼らを加害者に仕立て上げてしまえば、排斥することは出来る。
つまり、ウィスタリア伯爵の地位があれば、他種族を一掃することは可能だ。
「……どうやら、おまえに当主の座を渡すわけにはいかないようだ」
「あら、渡すつもりなんてありましたの?」
「リディアが優秀で民を想う優しい領主になるのなら、場合によっては下についても良いと思ってた。だが、他種族を差別するような奴にウィスタリア伯爵領は渡せない」
「ではどうするとおっしゃいますの? わたくしの策略を食い破れますかしら?」
リディアは俺の反応を期待するかのように笑う。
ロイド兄上も平民の被害をなんとも思わないところがあったが、彼はそうすることで領主となって、領地をより良く出来ると信じていた。
やり方が間違っているだけで、理念自体は間違っていなかった。
だが、こいつは違う。領地の利益を一番に考えているとは思えない。なにより、この状況を楽しんでいる。こんな奴には負けられない。
「おまえの策略を正面から蹴散らして、当主の座を勝ち取ってやる」
「ふふっ。それは楽しみですわ。では、わたくしの策をどうやって蹴散らすのか、せいぜい楽しませていただきますわ」
リディアはドレスの裾を翻して立ち上がり、優雅な微笑みだけを残して帰っていった。
リディアが帰還したあと、俺は早急に仲間の元に戻って対策会議を開いた。
ロイド兄上がペットになった事情、塩の輸入ルートを押さえられたこと、リディアが他種族を排斥しようと考えていることを伝える。
全てを聴き終えた仲間達は、皆一様に眉をひそめた。とくに、塩の下りではフィオナ嬢が取り乱し、他種族の下りではカエデが色めきだった。
「おまえ達を集めたのは他でもない。これからどうするか……は、決まってるな。リディアの策略を蹴散らして次期当主の座を勝ち取る。だから力を貸して欲しいんだ」
「塩をどうやって手に入れるか、ということよね?」
クリス姉さんが頬に人差し指を添えて考え込む。
「もちろん、それが大前提だ。だけど、それに全員でかかりきりになるわけにはいかない。だから、みんなにはそれぞれ別の役割を担当して欲しいんだ」
リディアの攻撃を退けてようやくスタートライン。そこから、俺の方がリディアよりも次期当主に相応しいと証明しなくてはいけない。
「まずは……カエデ。カエデには引き続き町の管理を頼む」
「いままで通りで構わないんですか?」
「いままで通りにして欲しいんだ」
あえて念を押すとカエデは瞳を瞬かせた。その紫の瞳には困惑が浮かんでいる。
「食糧不足や魔物の危機から脱したとはいえ、まだまだ人々は不満を抱えている。そこへ塩不足になるかも知れないと聞かされればどうなるか分からない。領民が冷静な対応を取れるように上手くコントロールして欲しい」
小さな町であるがゆえにそれほど多くの備蓄はない。塩をどこかから取り寄せるまで持たせる程度の余裕はあるはずだが、買い占めなんかが発生したらそうも言ってられなくなる。
町をいつも通りに保つのは、リディアの策略をはね除けるための必須条件だ。
「そういうことなら私に任せてください。いままでだってジェニスの町は苦しい局面を乗り切ってきましたから、今回も上手く乗り切って見せます」
「ああ、カエデに任せる」
これまでにも様々な問題に見舞われながらも町を統治していたカエデなら安心だ。俺は続いて――と、レナードに視線を向けた。
「レナードは当然、リディアの情報収集だ。高みの見物をするとか言ってたが、彼女の策がこの一つだとは思えない。次の手を打ってくるだろうが、それを事前に察知するのは難しい。可能な限り予測するために、彼女の素性や性格を調べ上げろ」
「ああ、それこそ俺の本領だ。必ず満足のいく結果を出してみせる」
レナードもこれまで限られた時間で結果を出してくれている。今回の相手は一筋縄じゃいかないが、レナードなら結果を出してくれるだろう。
「でもって、フィオナ嬢には魔導具の開発を頼みたい」
その言葉を聞いて動揺したのはクリス姉さんだ。それに気付いたフィオナ嬢がちらりとクリス姉さんへ視線を向ける。
「魔導具の開発なら、私よりもクリスさんの方が適任だと思いますわよ?」
「もちろん分かってる。けど、クリス姉さんには別に頼みたいことがあるんだ。それに、今回作る魔導具に限って言えばフィオナ嬢の方が適任だ」
「……私の方が適任? あぁ……分かりました。では、後で詳細をお聞かせください」
俺が欲しているのは前世の世界に存在した魔導具。それに気付いたフィオナ嬢は、目元だけで了解の意を示してきた。
ちなみにバームクーヘンの量産に欠かせない魔導具で、父上への交渉材料にするつもりだ。
「さて……クリス姉さんだけど、塩の確保を頼みたい」
「えっ、あたしが塩を確保するの!?」
魔導具の制作という得意分野をフィオナ嬢に取られて、心なしかしょんぼりとしていたクリス姉さんだが、予想外の大役を任されて目を丸くする。
「えっと……塩を確保って言っても、遠くから輸入するのは厳しいわよね?」
「最悪はそうするしかないけど、おそらくはそれがリディアの狙いだろうな」
備蓄が尽きるまでなにもせずに塩不足に陥らせるのは論外だ。この状況でなにもしない奴が次期当主に選ばれるはずがない。
だから、塩の確保は最低条件。
費用がかさむのを覚悟で遠くから塩を確保するでは及第点止まり。被害を最小限にとどめることが出来れば五分と五分。反撃の一撃を加えることが出来て初めてこちらの勝ちとなる。
反撃の一手は……ある。
輸送費を抑えて、遠くから塩を確保し、そのうえでリディアに打撃を与える方法はある。だが、そのための準備が整っていない。リディアに勝利するためには、被害を最小限に抑えてこの状況を乗り切らなくてはいけない。
「じゃあ……アストリー侯爵領から融通してもらうのはどうかしら? 少し多めに仕入れてもらって、オーウェル子爵に気付かれないように横流ししてもらうとか」
「……難しい理由が二つある。一つは、リディアが当然予想しているだろうってことだ」
リディアが止めたのは、俺とロイド兄上が統治する町限定。ロイド兄上が敗北したいま、塩の輸出を制限しているのはジェニスの町限定だろう。
であれば、他所で多めに塩を輸入してもらって横流ししてもらう方法は真っ先に考える。手間賃がかさむが、遠くから輸入するほどにはならないはずだ。
だが、リディアがそんなことに気付かないはずはない。
とくに、アストリー侯爵領との取引は、ロイド兄上に対抗するときにも活用した。絶対に、アストリー侯爵領への塩の輸出量はチェックするだろう。
たとえアストリー侯爵領が塩の輸入量を増やしても、オーウェル子爵家がそれを阻止するとは思えないが、塩の値上げくらいはやりかねない。
それを防止するためには、アストリー侯爵領の塩の輸入量は増やせない。うちに横流しをした分だけ、アストリー侯爵領も塩不足に陥る。
「で、二つ目。これが俺を悩ませる最大の原因なんだが……石鹸を作るには塩がいる」
俺が何気なく言い放った石鹸の秘密に、クリス姉さん達は目を見開いた。
「ちょ、ちょっとアレン? そんな極秘情報を……ここには秘密を漏らすような人はいないと思うけど、軽々しく口にして良いの?」
「このメンバーは信用しているというのもあるが、もし塩が原料だってバレても簡単には再現できないから問題ない」
フィオナ嬢の作った電撃を発生させる魔導具を海水に使うと、苛性ソーダと呼ばれる石鹸の材料が発生するのだ。
ちなみに劇薬で取扱注意だ。
この世界で、その魔導具を作れるのも仕組みを理解しているのもフィオナ嬢だけ。これが、石鹸の工房をアストリー侯爵領に作った理由だ。
ここで問題なのは、アストリー侯爵領で石鹸を作るために塩の輸入量を増やすと、ジェニスの町へ横流しするために輸入量を増やしたと誤解されることだ。
もし塩の値段を引き上げられたら、反撃の一手を失いかねない。
もっとも、アストリー侯爵領はなにもしなければ塩不足には陥らない。買い増しは出来ないが、ジェニスの町に工房を作るよりはマシだ。
今回の一件で協力を求めなければ、少数ながらも石鹸を作ることは可能だろう。
「そんなわけで、リディアに勝つためには可能な限りこちらに被害を出さない形で、塩不足に陥らないように対処する必要がある」
「でも……他に塩を手に入れる方法なんてあるかしら?」
「あるだろ。ジェニスの町へ輸入するのに十分な量の塩を持っている領地が近くに」
みんな思いつかないようで、それぞれが首を捻っている。だが、頬に人差し指を添えていたクリス姉さんだけは、あっと口を開いた。
「もしかして……オーウェル子爵領? そっか、それであたしに任せるって言ったのね」
「そう言うこと」
オーウェル子爵が俺と敵対しているのは、ロイド兄上と俺の争いをリディアが利用したから。言ってしまえば誤解で、損得勘定で動いているだけだ。だから、俺達の陣営の中では比較的中立の立場――と客観的に見えるであろうクリス姉さんに仲裁してもらう。
「分かったわ。そういうことならあたしに任せて。オーウェル子爵家と和解して、必ず塩の輸出を再開するように説得してみせるわ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます