〔しょぼくれ山のドングリ〕(2)

だけど、しょぼくれ山にはその木を成長させるだけの栄養がもう無かったのです。


だから、しょぼくれ山の木は成長しませんでした。


だけど、しょぼくれ山の木にドングリがなったのです!

だけど、しょぼくれ山の木にドングリがなったのです!


それは、男たちが、しょぼくれ山の木は死んだ愛する者なのだと信じたからでしょう。


しょぼくれ山に男たちは集まりました。

そしたら、しょぼくれ山の木から大量のドングリ落ちて、

コロコロと転がってきました。

男たちはドングリの雪崩に巻き込まれて皆転がり落ちてしまいました。

そしたら、ドングリは一斉に芽を出したのです。


男たちが信じたから、

ドングリは一斉に芽を出したのです。


死んだ愛する者なのだと信じたから、

ドングリは一斉に芽を出したのです。


だけれど、男たちは皆転がり落ちてしまいました。


だけれど、ドングリは一斉に芽を出しました。


だけれど、ドングリが芽を出したので、男たちはそれで満足しました。


今でもどこかでドングリは、コロコロと転がっているでしょう。


今でもどこかで男たちは、それで満足をして転がり続けているでしょう。

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