第12話
「キサラさん!?」
洋館の玄関の近くにキサラさん倒れていた。
「・・・良かった。気絶しているだけみたいだ。」
キサラさんが呼吸しているのを確認して安心していると・・・。
「ショウマ様!」
ソーマさん達も洋館の玄関に到着する。
「一人で行動するのは止めてください!何かあったらどうするんですか!?」
「すみません!でも、心配で・・・。」
「・・・まあ、何もなかったからよかったです。」
そう言ってソーマさんはため息を吐く。
「アレ!?」
後ろからカーラさんの驚きの声が聞こえてきた。
カーラさんの方を向くとそこには入口のドアノブをガチャガチャしていた。
「どうしたんだ、カーラ?」
「ドアが開かないんだよ!?」
「・・・どういうことだ?」
ソーマさんが訝しげに問い返すとカーラさんは青い顔をして答えた。
「だから、ドアが開かないんだよ!」
「そんな訳ないだろ・・・。」
呆れたようにソーマさんがカーラさんを退かすとドアを開けようとする。
「・・・ん?」
ガチャガチャ・・・。
ドアノブを回すが開く気配がない。
「ほら!開かないでしょ!?」
「・・・誰かがカギを掛けたのか?」
「それなら、こっちから開けられるはずでしょ!?でも、ほら!」
そう言ってカーラさんが指さしたのはドアノブの上の部分だった。
その部分はロックが解除されていた。
念のためその部分を弄ってみるがドアが開くことはなかった。
「・・・しょうがない。ドアを壊すぞ!」
ソーマさんが助走をつけてドアにタックルする。
ドン!
しかし、ソーマさんのタックルを受けてもドアはびくともしなかった。
「私も!」
そう言ってカーラさんも風魔法を発動させてその勢いでドアにタックルする。
「きゃあ!?」
しかし、ドアはびくともせず逆にカーラさんが吹き飛ばされる。
「・・・これは明らかに異常だぞ?」
「私達、閉じ込められたの!?」
ソーマさんとカーラさん、それにアルスも加わりドアに攻撃魔法をぶつけたりしたがドアに傷ひとつつけることは出来なかった。
「・・・主様。」
その時、シルビアが僕の服を引っ張る。
「どうしたんだ、シルビア。」
「・・・後ろ。」
シルビアは青い顔をしながら僕の後ろを指さす。
僕は振り返るとそこには人形が立っていた。
「人形?」
その人形はカクカクと僕たちの方に向かって来た。
「ソーマさん!なんか、人形がこっちに向かってきているんですけど!?」
「なんだと!?」
ソーマさん達が振り返る。
人形は1体だけではなく、2体・3体と数を増やしていき最後には玄関いっぱいに並んでいた。
『ふふふふふふふふふふ・・・・・。』
その人形たちは不気味な笑い声をあげる。
「ひっ!?」
シルビアは僕の背に隠れる。
「ショウマ様たちは後ろに下がって下さい。」
そう言ってソーマさんとカーラさん、アルスが剣を抜いて人形たちに向き合う。
僕はシルビアとマリア、それから気絶しているキサラさんを庇うように前に出る。
『ふふふふふふふふふふ・・・・!』
人形たちは不気味な笑い声を上げながら僕達に殺到する。
「「ウォール」!」
ソーマさんが魔法を発動すると床から土の壁がせり上がって人形たちの進路を塞いだ。
しかし、その土の壁もミシミシと音を立ててヒビが入る。
「カーラ!」
「わかってる!」
カーラさんは風を纏って腰を低くする。
次の瞬間、壁は崩れてそこから人形たちが雪崩れ込んできた。
「「疾風」!」
その瞬間、カーラさんは凄い風圧と共に人形たちに突っ込んでいく。
カーラさんの風圧によって人形たちは宙を舞う。
「今の内に逃げましょう!」
ソーマさんに言われて僕たちは走り抜ける。
しかし、風圧で飛ばされなかった人形たちが側面から襲い掛かって来る。
「させるか!」
側面から襲い掛かってきた人形たちにアルスが炎を纏わせた剣で切り捨てる。
「急ぐぞ!」
「うん!」
僕達は急いで洋館の奥に逃げ込んだ。
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