朋子

春香と優の母親である朋子は寝室で寝ている。

朋子は寝ずにイライラしていた。

「今日はどこへ遊びに行こうかな。育児なんてめんどくさいだけで良いことねーし。優の事は春香に任せておけばいっかぁ。明日から春香を学校に行かせないとまた学校からアイツが来るだろうなぁ。ウザイなぁ、子供なんて産むんじゃなかった」

朋子は一人っ子で幼少の頃から甘やかされて育ってきた。欲しいものは何でも与えられてきた。

高校卒業後、村木信治と出会い恋に落ち出来ちゃった婚をしたため、親から勘当された。

信治は子供が好きだった為、大学に行かず働いてくれた。

春香が産まれた時は、二人して泣きながら喜んだ。朋子も家事、育児に専念した。

しかし、春香が5歳になる頃信治の浮気が発覚した。1度だけの浮気でも許せなかった。

信治が仕事から帰ってきても家事は一切しなくなった。育児も信治と春香に任せっきりで自分も遊びに出るようになった。

愛想を尽かしたのか、信治は出ていってしまった。

「全部アイツが悪いんだ」

朋子は布団をかぶり、眠りに落ちた。


数時間後、朋子は目覚める。

カーテンを開けると夜になっていた。

リビングに行き、子供たちの様子を伺う。

ソファには優が寝ており、床には春香が寝ている。

寝室にメモ書きが置いてあったのを思いだし、寝室に戻る。

携帯電話を取り出し、電話をかけると低い声の男が出た。

『はい』

「何の用事?」

『朋子ちゃん困るんだよね、飲み代支払ってもらわないと』

朋子はホストクラブに通い続けていて、飲み代を50万もツケにしてある。

「わかったわよ。明日持っていくから」

『よろしくね』

家に来てまで連絡してこようとするなんて!

朋子はお店で働いてからホストクラブに通うという日課になったのだ。

その中で蕪木秀也という男と付き合うようになった。秀也は家を知っているがまさか家まで来るなんて思いもしなかった。

売り上げが足りないのだろうか。

お金は有り余るほどある。

信治から慰謝料と養育費をもらっているし、

この家だってキャッシュで買った。両親は不動産業だから、お金には困ってない。


今日はお店休みだから子供たちと一緒にいようか。ううん、やっぱり遊びに行こうかな。

春香も優も可愛いが、優の方が段々信治に似てきて憎たらしくなる。

アイツに似ている優を見てると、思い出して育児もしたくなくなる。

お店では飲めないお酒を飲んでセクハラまがいな親父に触られる。

うっぷんが溜まってお店で仲が良い仲間とホストクラブに通いだした。

そこでは、自分を1人の女性と見てくれる。

優しくされるとまた通いたくなる。

それがお金だけの関係だとしても・・・。












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