第20話 happy tomorrow

 空港近くのカフェに来た二人。


「ねー涼太!

 ほらあのハンバーガー美味しそうに食べてる人見て!」


「ちょっと羽根‼

 知らない人の顔をジロジロ見ちゃだめでしょ。

 確かにあの人美味しそうにハンバーガー食べて、しかも口のまわり汚してるけど…」


「やっぱり涼太もあの人のこと気になってたんだね!

 あの人にもさー

 俺と同じようにえくぼがあるよね。

 だから、もしかしたら同じ席でコーヒー飲んでる人が運命の相手だったりするのかなー」


「うわー

 いつからそんなにロマンチックなこと言う人になったのかな?

 羽根様は。」


「ふふっ


 でもさー

 俺はせっかく日本に帰ってこられたんだから、まず涼太んちのコーヒーが飲みたかったなー」


「ごめん。

 せっかく成田まできたから、勉強のためにこの店に寄りたかったんだ。

 うちの店は昔ながらの喫茶店が売りだけど、やっぱり今の流行りも知っておきたいからね。」


「そっか。

 涼太は今、大学で栄養学を学びながら、お店の手伝いもしてるんだったね。」


「翔も優子も大学や職場の友達連れて、よく来てくれてるよ。

 そうだね。

 羽根の帰りを待ってた人は僕だけじゃない。

 皆が待ってる。

 早く帰らなくちゃだな‼」



 席から立ち、手を繋いで歩きはじめた二人の背中に一瞬だけ表れた翼が羽ばたき、すぐに消えた。

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