第19話 数年後

 空港の北ウイング。


 羽根様。


 そう書いたプラカードを持ち、待つ涼太。


 人混みの中から羽根が歩いてくるのが見える。


「ちょっと、何それ?

 やめてよー」


 涼太の大好きな羽根の笑顔。


 涼太が羽根を抱きしめる。


「羽根おかえり。」


「ただいま涼太。」


 見つめあう二人。


「涼太、体調は大丈夫?

 変わりない?」


「大丈夫だよ。

 羽根、留学終了おめでとう。

 向こうがすっかり気に入っちゃて、留学期間伸ばして帰ってこないから、僕のこと忘れちゃったのかな?

て…翔が言ってたんだよな。」


「翔が?

 翔は、僕とは言わないと思うけどな?」


「翔も言ってたし…もちろん僕も思っていたよ。」


「やっと見つけたよ…俺の探し物。

 涼太、俺とずっーと一緒に探してくれて、ありがとう!」


 もう一度抱きあう二人。


 涼太の胸に顔をうずめたまま羽根がつぶやく。


「翔、また何処かで見てたりしてね…」


「…。」

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