第12話 翔への告白

 その後も放課後、僕と翔と二人で過す日々が続き、僕はとうとう翔に告白した。


「僕、羽根のことが好きなんだ。」


それだけしか言えなかった。


 それなのに翔ときたら、

「な、なにを、今さら。

 そんなのとっくの昔からわかっていたけどね。

 だいたい、涼太は羽根を見る目が優しすぎる。

 大好きだって顔に書いてある。

 それにー」


「ちょっちょっと…待って!

 もう…いいから。」


 僕は耳が赤くなり、熱を持つのを感じた。


「じゃあさ、羽根は僕のことどう思ってる?」


「羽根の気持ちはオレもわからへん。

 涼太のこと好きだとは思うけど、羽根はもともとすごく可愛いやつなのに、涼太の前では男らしくなるねん。

 オレの前では、すごく女らしいこともある。

 高校は私服だから、スカート履いてるの見たことはないけど、クラスでは普通にボーイッシュな女子やし。

 羽根の性別がわからんくなるの、涼太と一緒にいるときだけやし。

 でもさー

 この前、優子ちゃんに言われてから男らしいとか女らしいとかわからんくなって。

男が女子力高くても女が化粧しなくても良い時代になったんやろな。」


「翔はそうゆうふうに考えたんだね。

 僕は…羽根は女の子のことが恋愛対象で優子のことを好きになったのかなって思ったんだ。」


「涼太は、思ってることをちゃんと羽根に話すこと。

じゃないと何もはじまらないかな。

宿題な。」

翔はそう言って、今日も僕の肩を2回たたいた。

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