第7話 羽根と翔

 翔は親の転勤で高2のはじめに転校してきた。

 運動神経抜群でイケメンだし、性格も明るくてすぐにクラスの人気者的存在に。

 勉強はできないふりをしているけど、編入試験に合格したんだから、やればできる子なんだと思う。


 俺は中学のときは不登校ぎみだったし、高校では友達がいないわけではないけど、特に親しいクラスメイトがいるわけでもなかった。


 今でも理由はわからないけど、翔が突然

「一緒に帰ろうぜ」

と言ってきたの。


 でも、翔と帰りたい子なんていっぱいいる訳で。

 数人の女子が

「翔くん、羽根ちゃんは彼氏が校門で待ってるからダメだよ。」

と教えたの。

 俺は正直その場からすぐに逃げたい気持ちもあり、否定せず早足で教室から出てきたんだけど、それに翔も付いてきたのが、俺と涼太と翔のはじまりとなった。

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