第4話 羽根の部屋
俺は自分の部屋に入ると、鏡の前に座り、鏡の中の自分と目を合わせ、深呼吸をして息を調えた。
俺は俺のえくぼが嫌いだった。
鏡に写る俺の顔、えくぼを見るたびに理由はわからないけど、ズキッと胸が痛くなるからだった。
俺はさっき涼太から中国のえくぼ伝説…その迷信を聞いて瞬時に謎はすべて解けた!とまるで某探偵少年のように閃いたというよりは、時計の針がゆっくりと時を遡るかのように忘れちゃいけないことを忘れていたことを思い出したんだ。
君のこと。君との前世の記憶。
すごく昔のことだから、まだはっきりとは思い出せないし、思い出せた前世の記憶も本当のことなのか自信もない。
あとは全部思い出せそうなのに、思い出すのが怖い部分も少なからずあり、それが全記憶を呼び起こすのを邪魔しているような自覚もあった。
でも確かなことは1つ、俺には前世に愛する人がいた。
それだけは確信できた。
俺はベッドに横になり、そして目を閉じ涙を流した。
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