第3話 はじまりのお返し
羽根は僕より1個上の高2。
つまり僕は高1。
羽根の高校は私服通学OKだから、他校の僕が制服姿で校門の前に立ってるとすごく違和感あるってわけ。
羽根は、はじめて会ったときは、えくぼが印象的なすごく笑顔の眩しい女の子だった。
でも、はじめて話したときから羽根の一人称は俺…だったな。
女の子なのに自分のことを俺と言う違和感が全く無かったんだよね…理由はわからないけど。
忘れもしないあれは幼稚園の入園式の次の日、僕は母さんに幼稚園に置いてかれたショックで、園庭の隅で泣いていたんだよね。
そうしたら、
「大丈夫だよ。
お迎えの時間になったら、ママは来てくれるからね。」
と、羽根が僕に話してかけてくれたのがはじまり。
そして次の日から毎朝、幼稚園の門の前で僕のことを待ってくれている羽根がいたんだよね。
だから、僕が高校に入学してからまだ2ヶ月だけだけど、放課後校門の前で羽根を待ってるのはその時のお返しなんだけどな。
羽根はそんな昔のことなんて覚えてないのかな…。
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