第24話:小5男子20万
死闘の末、金成は勝利した。
「S級首を狙うにしても、やはり手練れだなこれは」
彼の感想は至ってシンプルであった。彼には許せない事例というものが存在している。それは「友情」というものがどこから存在するからである。
小学校5年生の男子が「お金を持ってこないと遊んであげない」という事例があるとすると、その少年はどこまで親のタンスからお金を引き出すのか。
それを検証するならば、なんと10万円を超えて20万円以上も引き抜いたという。6人グループで、彼をいじめた。お金を持って来いと。
もはやいじめではなく「恐喝」だ。彼も拒むことができたはずと思うが「宗教の壁」が邪魔をしたのだろう。宗教の壁は「世間の目」であり、おそらく悪い噂をクラスや学校中に広められると、この少年は不登校になり、最悪「自殺」という手段を取らざるを得なくなる。
そうなってしまうのを恐れ、今回は20万以上のお金を既にいじめグループの子供たちに渡したのだが、こんどは「お金の壁」が彼を蝕んだ。要するにお金が間に絡むことにより、そこには「友情」というものは存在していないというわけである。
「哀れだ。これが哀れでなければ、神様の無慈悲なのか?少年法?まあ確かに小学生は10年そこらしか生きていない。まだ自分の自覚症状というものも出ていない。しかし、親は何をやっている?どういうしつけだ?」
金成は少年法を嫌った。いっそのこと、金成の力を恐喝紛いをするような小学生をも青龍のように殺してやろうかと考えたが、しかし彼は深く考えた。
「相手はまだ小学生。13歳未満はさすがに命の代償が重いな。だが中学生以上は容赦せんぞ。知識のないままの夫婦の営みの紛いで、くだらぬ命のやり取りほど、政府や社会のように大目に見るほど、俺は器は大きくは無いわ」
そう言って、金成は次を目指した。「南だな」
南区には「朱雀」がいる。朱雀は空中を得意とする王直属護衛軍の一人であった。力も未知なる領域、青龍より上か下かも分からない。仮に未来が見えていたとしても、戦況はその時の金成の行動次第でいくらでも変更も可能だ。
「日本国の壁をとっぱらい、このふざけた国に革命をもたらしてやりたい」
金成の切実なる願いであった。神様は何故壁を創ったか?答えは簡単だ。「壊してみろ?」という挑発であろう。受けて立つのが金成であった。
逆風に立たされた時こそ、「疾風に勁草を知る」というものであった。
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