第21話:生理バッチ
震災は大きな被害を齎した。東京国、千葉国、埼玉国、栃木国、神奈川国を中心に関東大陸がまさに甚大なる被害だ。その中で生理バッチというものは全くの役に立たなかった。
このバッチは「私は生理です」という周囲に理解を求めるために創られたバッチであるが、この状況では生理バッチより生理用ナプキンとかを多く配布したほうがまだ避難者にとって有難い話である。
またこの震災のどさくさに紛れてガードレールを690m分も盗まれるという被害も発生したのだ。国土交通省や警察隊はすぐに動き出し、国の兵士達も警備にあたった。
「これではらちがあかぬわ」
秋葉王は痺れを切らした。
「王直属護衛軍の4名をここへ呼べ」
兵士に告げ、招集が直ちに行われた。
王直属護衛軍の4名はそれぞれ東西南北の管轄を担当している、凄腕に達人ばかりであった。ランク付けをするならば4名はそれぞれSランク級であった。秋葉王がSSだとすると、彼らは折り紙付きの実力者だ。
突然このようなランク付けの話をしても、いまいち凄さが理解できないと思われる。拳銃を持った警察官をCランクとすれば、金成の持つ雷の力はAランク以上に匹敵するという感じの強さである。
戦車であれば、Bランクに該当する。戦闘機はAランクだ。如何にSやSSが恐ろしいものかがよく分かるであろう。この世にはSSSというものも存在するが、しかしそれを見た者は未だかつて誰もまだいないという。
話は戻るが、この4名が招集されたのは、一気にデモ隊の駆逐と被災者の救助であった。
王直属護衛軍4名はそれぞれ「東区の青龍、西区の白虎、南区の朱雀、北区の玄武」であった。この4名はいずれ作中で出て来るであろう千葉国の「千葉王国に仕る最強の士族:陰陽五行説」と対等なる力を持つ者達であった。
王直属護衛軍4名はそれぞれ獣の能力を使うことができる、いわば四神とも呼ばれるほどの使い手たちだ。
仮に秋葉王と対立することになった場合、金成は彼らと戦いをしなければならないのだ。まだ彼には実践経験が少ないのである。
今まで販売経験しかなかったものが、突然営業職に転職活動をするぐらいの初心者であった。「志望理由は?」「退職理由は?」の追求を免れることが難しい状況下での戦いを強いられることは間違いないであろう。
彼ら4人がそれぞれ動き出した。一方金成は体育館で待機していた。
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