第20話:街宣車

 右翼団体のことを(保守派)と呼び、左翼団体のことを(改革派)とも呼ばれている。街宣車を使って愛国心アピールをしながら、警察隊と衝突をしている。しかし、この行為は小学生以下の子供ですら何をやっているのか理解できなければ、単なる祭りでチンピラと警察が揉め事起してるだけの、喧嘩祭りにしか見えないのだ。

「この世の中の真理と仕組みをしっかりと理解し、それを上手に伝える工夫ってのが大事なんだな」

 金成はこの世の真理についてを十分に理解したい考えだ。

北方領土を返せと北海国と青森国とで争っているが、そもそも青森国の右翼は警察が敵ではなく、それを管理している北海国に抗議しているのだ。

 むろんこの壁についても、どう取り除けばいいのかわからない状況にある。様々な思考を巡らされたが、一つは外交を結ぶしか他ならないのかもしれないが、残念ながら街宣車でのアピールは他国でも多々発生し、多くはデモ行進が行われている。

 逃亡条例や覆面禁止法により、今も尚埼玉国ではデモ隊と警察隊が衝突し合っている。他の国でも同じであったが、東京国や千葉国では鎮圧されてきている。

 さすがに大学生の多くの若者も疲れ切ったのだろう。警察隊が押し寄せる中で、ロープを使って校舎から逃げる学生も多くいた。しかし、裏で検問していた警察隊と調査隊が一斉に検問し、そこで魔法合戦が勃発した。多くの死傷者を出し、警察隊もついには猛毒ガスを使用し、多くの革命家?どもを一掃することにしたわけだ。

 Bitter(ブイッター)では多くのその時の動画が撮影され、一斉にリブイートされまくり、動画が拡散されている。真実というものをもっとマスコミは報道すべきだ!を念頭に、多くの動画がノーカットシーンで配信された。

 いよいよ終止符が付かない状況であった。

「神はこのような行為を忌み嫌い、人々に壁を隔てた。しかしなお、この見えない壁に多くの人が苦難している。お金、時間、情報、宗教の4つの壁だ。おそらくこの4つ全てだろう。覆面禁止法ってのはいまいち理解できねえが、とりあえず彼らのやっている行為も神はいずれ天罰を下すだろう」

 金成はそう思った。未来予知をした。これは高台を登った方がいいな。震災が来るぞ。そう考えた。

 金成は学校の体育館に一人避難した。そして震災が起き、街が一気に崩壊したのだ。多くの人は瓦礫の下敷きになり、デモ隊と警察隊共に多くの命を失った。

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