第18話:ハローワーク
NISAについては一度女子中学生にも聞かれたことがある。
これは現代のカツアゲのやり方である。しかし、多くの人は株取引で失敗をする。その理由は、株価が上がるか下がるかの2択を常に予測できないからである。
それはつまり、多くの人にとって「まだ上がるだろう」というお金の欲に目がくらむからだ。そして損失を出した時に、もう上がるだろう、と考え、まだまだ下がるという負のスパイラルが発生するわけだ。
金成の未来を視る力は優れている。次の日の株価が上がるか下がるかなど、安易に予測できるわけだ。
おっさんはハローワークにいかずに、NISAに打ち込んだ。
結果として、おっさんはわずかなお金(100万はあるが)で、それを10倍にすることができた。1000万も数日で稼ぐことが出来た。
「あんた、その能力すごいね」
「俺の雲雨傘の論理に死角はない」
これは経営コンサルタントの用語で雲は事実、雨は予測、傘は行動をさす。あくまで予測がすごいことをアピールしているが、実際に金成には未来を視る力があることをおっさんには告げていないわけだ。
しかし、ここまで百発百中で言い当てることが出来ることに、おっさんは驚いた。
「人に何かを与えるのって最高だな、奪うことなんかより」
金成にとって奪うことは大きく決めている。
身内以外は奪う対象と考えていた。それは家族や職場の仲間、学校クラスの仲間などは与え、それ以外は全て奪うわけだ。
しかしこのようになんでも奪えばいいわけではない。与えなければ、得られないものもあるというわけである。
就職活動や転職活動でも福利厚生にばかり目がいくのではなく、自分が会社にどのような貢献が出来るのか、それを企業側は求めている。
自分の私利私欲ばかりではなく、相手の悩み・期待を越える働きが出来なければ、互いの利害が一致することなど到底ありえないからである。
金成にとっておっさんの手助けなどどうでもよかったわけだ。見ず知らずなのだから、見捨てることも出来たわけだ。
しかし彼にとってのこの行動は次のステップへの行動であった。
金成は水晶に触れた。条件を満たしたことにより、「雷」の力を手に入れた。
「これで戦闘力は大きく上げられる。この異世界では最強の力になるだろう」
金成は次のステージを考えた。次は銀行か。
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