第11話:LGBT
「予知能力があるということは」
こちらの隙を一切見せることなく、相手の攻撃も読めるというわけだ。
場合によっては戦争とかにもかなり使えるぐらい強固な力ではないだろうか。
しかし、それを活かせるだけの能力がまだ足りていない。
「能力を同時に使用してみたいな」
例えば力強さもそうだが、スピードも欲しいところである。
「パワーとスピード両方兼ね備えてる力か、雷だな」
雷の力を手にしたいと思う金成であったが、まずは周りからの賛同をどう得ることができるかを考えてみた。
やはり情報というものが大事、それを考えて求人サイトをクリックした。
「LGBTについての求人」
性に対する悩みというものは生物学における3大欲求でも既に必要不可欠であることは証明されている。世の中にはスカートを穿きたくない女性がおり、逆にスカートを穿きたい男性もいる。そして同性婚をしたいというカップルがいる。そういった方達を支援するというのがこの求人なんだろう。
「う~ん、難しい話ではあるが、どういう心境なのかを聞いてみるか」
とりあえず応募してみることにした。
ここには多くの性同一性障害に対しての悩みを抱える人も多いだろう。
これは4つの壁でいう、所謂「宗教の壁」というやつだろう。
難易度が格段に上がる分、それだけ多くの声も拾えるだろうと金成は考えた。
「ローリスク・ハイリターン」には程遠いかもしれないが、それでもまあやってみるか。というのが彼の出たとこ勝負であった。
壁の門が閉じ、この日はその活動に参加した。
所謂相談員といったところだろうか。派遣のような感じでもいいそうだ。レンタル彼女やレンタルおっさんというものが流行っているぐらいなのだから、どちらかというと相談員というより思春期の男女に話を聞いてもらう方が相手のパーソナルスペースには飛び込みやすいという試行もあったのだろう。
「こんにちは」
「こんにちは」
お互いに挨拶をする。
どういったお悩みかを尋ねてみる。若い男性で年は19歳ぐらいだろう。
「好きな人がいるんだ」
「それはどういった方ですか?」
「父親です」
これはたまげたな~、まさか身内かよ!という設問に戸惑うしかなかった。
「何故父親・・・?」
「父の背中を見ていると、それはもう愛でしか感じられないから」
「そうかそうか・・・」
これは一種の娘が父親に抱く愛情とはまた別の何かなような気がしてならない。
とりあえず話を聞くしかないようだ。
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