第10話:NISA③
突然話をしている時に、見知らぬ30代ぐらいの男性が突如女子中学生を襲いだした。男は女子中学生の「太もも」を噛もうとした。
しかし、それを金成は制止した。
「おいおっさん、いくらなんでも夜道でもないこんなところで、しかも女子中学生の太もも噛むとか、どんなニュース番組に取り上げられたいんだよ」
「俺は話題を作りたいだけだ。ただの強姦魔だと、何の話題にもなく、人の記憶からも失われるだけだ。俺は有名になりたいんだ」
「失せろ」
金成は男の顔面に一発食らわせ、鼻血を出しながら男は去っていった。
「あ、ありがとうございます」
腰が抜けたのか、女子中学生はその場にしゃがみこんだ。
「まあさっきの男は道理に適っているな。太ももを噛むなんてマニアックなニュースは中々ないからな。そうすることによって知名度ってのは、ある意味上がるし、名前や顔も覚えてもらえる可能性はある。あくまでさっきのは犯罪での印象だから、あまりよくはないが、成功者というものはある意味、そういった他にはないような状態で認知度を上げる方法を心得ているかもしれないな」
金成はそのようにして女子中学生にアドバイスをした。
「人に笑顔を与える行為を忘れなければいい。そういうことからまずは始めるんだな。本業を疎かにするものに副業は成功しない。君はまだ学生だ。学生の本業は勉強にある。それをやった上で社会の勉強をし、正式に働ける年齢になったら経験を積むといい。それまでは家事や手伝い程度にしておくことだな。学ぶことはこの世界には多い」
4つの壁の3つ目「情報の壁」というやつを金成は言いたいのだろう。
女子中学生は金成にお礼を述べ、そのまま去っていった。せっかくなのでメアド交換をしておいた。
「さて、これでまた一人感謝されたというわけかな」
ワニに襲われた少女を、別の少女がまた目をえぐって救うかのような出来事のような優越感程は得られなくても、金成は自分の出来ることというものを実行にうつしただけであった。
「さて壁を破壊するには」
金成は考えた。壁の正体、そもそも壁ができた理由を考えなければいけない。
「要するに見える壁と見えない壁があるわけだ。つまりは人々が社会で感じる4つの壁を破壊することが、即ち現実に見えるこの国境を隔てる壁を破壊する行為になるのだろうかな」
このような結論を述べ、金成は中央区国王の思い悩む壁を取り除こうと考えた。
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