第5話:税金
4つの壁の中で、特に多くの人が最初に悩まされるものは「お金の壁」である。税金であったり、生活費であったり、教育費であったり、とにかくお金を稼ぎたいと思う人は多いのだ。お金があれば病院に行けるが、無い場合は「病は気から」で治す根性論が出てくる。お金が有るのと無いのとでは、天地の差が開くのだ。
しかしお金は身を滅ぼすことにもなるし、お金は人格をも変えてしまう。簡単に言うならば、お金の為なら身体を売ることも、人を殺すことも容易ではないということだ。
この世界は47ヵ国に別れた。しかし各国の社会には必ずこの「4つの壁」が見える世界と見えない世界で存在しているのもまた事実である。
4つの壁を越えなければ「自由と幸福」は訪れないのかもしれない。個人によって幸せ度は違うが、やはり時間とお金は求めている人は社会人になればなるほど多いものである。
日本人を動けなくしている悪の根源が必ずどこかにいる。そいつを見つけ出さなければ、少子高齢化からの脱却はできないのである。
さて、金成の住むこの日本47ヵ国は異世界ファンタジーでありながらも、異世界系ラノベに現れる、所謂「モンスター」というものは出現しない。では何故この世界は現代ファンタジーではなく、異世界ファンタジーなのか?
その答えは既に47ヵ国の壁の存在、水晶玉の存在、そして何より金成の最初に見せた予知能力、これは既に超越的能力であり、既に現代ファンタジーの域を超えてしまっているからだ。では異世界でありながら、何が彼のこの世界を異世界と証明するのか。それはこの物語を読み解いていけば分かることであった。
話を進めるとしよう。金成はお金の問題で悩んだ。
「税金ってさ、めんどうだよな。消費税が今月から8%から10%に伸びたが、これで何が変わるというのか?この東京国は暮らしが豊かになるのか?」そんな疑問が彼を惑わせた。
金成のそもそもの疑問があった。今回の国法での取り決めで「国民年金と国民健康保険」の支払い義務は20歳以上から15歳以上に繰り下げられたことだ。
彼はまだ学生の身でありながら、既に消費税以外の税金を課せられているのだ。その金額は会社に折半してもらえば50%は企業が持ってくれるが、そうでなければ彼は全額負担になるのだ。現在は親が肩代わりしている。以前は扶養家族という制度もあったのだが、それは既に廃止されていた。絶望な世界であった。
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