第4話:「4つの壁」という本

「金成、いいことをしましたね」

「まあ予知能力のおかげ、それであとどれぐらいで次の能力が手に入る?」

「次のポイントまでは、まあせいぜい10ポイントぐらいですかね。あくまで目安です。そんなRPGゲームみたいに、必ずこの数字到達したら、次の魔法が使えるとかそんな単純なシステムではありません」

水晶玉は至って厳しい。しかし、金成はこの水晶玉から能力を頂くことができるのである。


現在の東京国は荒れている。壁で戦争は現在起きないが、個人の暴行、強姦、窃盗、麻薬、賭博、殺人などは相次いでいる。治安の悪さはどこに行っても同じである。

例えば駅で歩き煙草を注意されて逆切れし、その注意した人を暴行した、という出来事であったり、男子高校生が女子小学生の自宅まで付き纏ったりするという出来事だ。小さな犯罪から大きな犯罪まであとを絶たないでいる。

これらは今に始まったことではない。国が47ヵ国に別れる前からずっとあったことである。

神様ならば、このような外道どもを念力かなんかで殺すことはできないものか、いやしかし、殺す程のものであろうかと、金成は自問した。

それはさすがにやりすぎだな、というのが彼の見解である。しかし彼は心のどこかで自分も少年でありながら思うのは「少年法」はいらんな!という考えである。

あれは未成年者にペナルティ無しで犯罪やりたい放題と宣言しているようなものであった。彼はその状態がすこぶる気に入らないわけである。


そんな時に彼は祖父の残した本「4つの壁」という本を手にした。中身はこうだ。

この日本社会に於いて、「お金、時間、情報、宗教」の4つの壁が存在している。という内容だ。うげええええ、47ヵ国以外にもこんな壁が存在していたのか!と驚愕を隠せなかったが、読んでみるとそれは物理的な壁ではなく、見える世界と見えない世界であった。

「この世の中の真理と仕組みについてを理解しなければ、弱肉強食の世界では奪うか奪われるかである。したがって、ローリスクハイリターンはその2つの意味を理解したものにのみ訪れるものである。それについてこの本で伝えたいことがある」という内容であった。

「真理と仕組みとは?」金成の頭の中では疑問が浮かんだ。

社会のしくみってやつか?疑問は絶えぬと思うが、彼は世界を見ながらじっくりとこの本を通じて、自身の成長を助長させたいと感じたのであった。

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