第8幕

「や、やだ、そんな処を舐めちゃだめぇ!」


「わんわん。私は犬ですので、人間の言葉は分かりませんわ。ぺろぺろ♪」


 薔薇のベッドの上で。

 今日は、犬耳のカチューシャを付けたロザリアに悪戯されている。


「な、何よ。そんな首輪まで着けて……」


「あら、ご不満ですの?」


 首を傾げるロザリア。


「当然でしょう。だって……」


 耳まで火がついたように灼熱させて、ミアリスは叫んだ。


「だって、犬役は、私の方が似合うんだからぁ!」


「ふふ、そうですわね。殿下は、虐められる方がご趣味ですものね♪」


 そして、攻守交代。

 犬耳と首輪を着けてミアリスは、理性を忘れ獣のように、甘えるのだった。


「くぅ~ん♪」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

姫とメイド 百合宮 伯爵 @yuri-yuri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ