第21話 恋人との距離Ⅰ

佐奈がケーキバイキングに行きたいって言う事だけれど、

私は甘い物が苦手で行きたくないというのがあります。


どうやって返答すればいいのかもわからないし、

間違えて傷つけるような言葉でも言ったら、

佐奈に嫌われてしまうような気がします。


ここまで佐奈とは仲良くしてきて恋人にもなっているのに

それを壊すような関係もしたくありません。


「佐奈ね、ケーキバイキングはやめない?」


「どうしてなの?」


「そのね、ごめんなさい、私は甘い物が苦手で」


「えっ、そうなんだ、残念だわ」


「楓は甘い物が苦手だったのね」


「うん」


「そうなるとデートする行き先をどうするかだよね」


「そうだね」


「私のせいで振り出しに戻してしまって」


「楓のせいじゃないわよ、気にしないでね」


「うん、わかった」


私のせいで佐奈のお誘いを無駄にしてしまうなんて本当に情けないよ。


これから先、私はどうすればいいのかもよくわからないでいると、

佐奈が私に

「とりあえず、お部屋の中へ戻りましょうか」


「ごめんなさい、佐奈、私用事があるの」


「そうなんだ、気をつけて行ってきてね」


「うん」


私は佐奈と別れたら、自宅へ帰る事とします。


自宅へは歩いて帰れる距離なのでこのまま歩いて移動して自宅へと帰ります。


しばらく歩いて移動していると、自宅が見えてきて私は急いで自宅に向かうと、

玄関扉を開けて家の中へ入ります。


玄関で靴を脱いで自室に行くと、ドアを開けてお部屋の中へ入って静かに

ドアを閉めます。


自室に戻ってきた私は

「佐奈とはもう会うのはやめよう、私には相応しくない」


そんな私はベッドの上で横になると疲れていたのか、目を閉じて

そのまま寝てしまうのでした。


しばらくしてから私は目を覚ますと

「私寝ていたのね」


結局、ベッドの上で横になってそのまま寝てしまった私は

何もしないでじっとしている。


お部屋の時計を見ていると、時刻は21時を過ぎてて

このままでいいかなって思っています。


佐奈には悪いけど、このまま私は一人になる事を選びます。


そうする事で佐奈の事も忘れる事が出来るし、それに私は

元々一人だったので心配ない。


佐奈から恋愛というのを教わる事が出来て楽しかったです。


これから私は誰とも交流をせずに生きていこうと考えていますが、

それは良くないって

思うので家族とはしっかりと交流をします。


しかし、大学に行っても私は誰ともお話をするつもりもないし、

佐奈から声をかけられても無視しようと考えています。


これからどうしようか考えていると、ドアがノックされる音がして私は

「はい、お母さん?」


「楓、貴方にお客さんが来ているの」


「うん、わかった」


私は自分のお部屋から出ると玄関に行ってみたら、そこにはなぜか佐奈が

立っていてかなり怒ってるような感じがします。


「佐奈、どうしてここが…………」


「楓、ごめんなさいね、貴方の様子がおかしいから後をつけさせてもらったの」


「そうなんだ」


「はい」


「私に何か用なの?」


「ここだとお話しにくい事もあるので外へ行きましょう」


「はい」


私は靴を履いて佐奈と一緒に外へ出ると、佐奈が私に

「どうして何も言ってくれないのよ」


「………………」


「楓、黙っていてもわからないの」


「………………」


私は佐奈とはお話もしたくないし、このまま黙っていようかと思います。


「そうやって黙ったままでいるのね」


「………………」


このまま黙ったままでいれば、きっと佐奈には嫌われてもう会う事もない。


その方がきっとお互いのためになるはずだと信じている。


「もういいわ、楓、さようならね」


「………………」


これでこれでいいのよね………………。


「最後に一言だけ言わせてもらうわね、楓は何のために私から恋愛を教わってて

何のために恋人になったのか、私にはわからないよ」


「お元気でね、楓」


佐奈は私の傍から離れると歩いていってしまって佐奈の姿がどんどん遠くなって

いくのが見えると私は

「一体何をしているのだろうね、私」


「本当にこのままでいいのかな、取り返しのつかない事を

しているような気がする」


私は急いで走って佐奈を追いかける事にします。


このままじゃ良くないと思うと行動しないわけにはいきません。


急いで走って追いかけていると佐奈の姿が見えてきて私は

「佐奈、待って!!」と

叫んでいた。


そうすると佐奈は私の叫び声が聞こえたのか、その場で立ち止まってくれている。


私はそのまま走って佐奈の元へ行くと私は

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、ごめんなさい、佐奈」


そのまま私は深呼吸をして息を整えていると佐奈が

「きっと追いかけて来ると思ったわ」


息が整え終えると私は

「本当にごめんなさい、ごめんなさい」


しかし、佐奈の顔を見ると怒っている顔をしていて困る私がいます。


果たして、このままトラブルに発展して悪い方向に行かない事を祈ります。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る