第15話 翌朝の出来事

私は目を覚まして横を見ると佐奈の姿がございません。


佐奈を探そうかどうか迷っているけれど、ベッドの上で

横になって待っている方がいいと思いました。


眠る事はしませんけれど、佐奈が戻ってくるのを私はじっと

待っている事にします。


しばらくしてお時間が経過すると佐奈が私の方に来て

「楓、起きたのね、具合は大丈夫?」


「うん、もう平気だよ、心配かけてごめんね」


「ううん、私の方こそ、楓の事を責めてごめんなさいね」


「私は気にしてないし、忘れてね」


「そ、そう、楓がそう言うのなら忘れるね」


「うん」


「それはそうと濡れていた衣服や下着はすべてコインランドリーに行ってきて

洗濯して乾かしてきたからね」


「佐奈~ありがとう~嬉しいよ」


「喜んでくれて良かったわ、それに昨日の事は不可抗力だしね」


「次からは私も気をつけるね」


「そうしてくれると助かるわ」


私はベッドの上で起き上がって降りると、下着や衣服を着ていく事にします。


すべて着る終わると私は佐奈に

「今日はどうするの? 恋愛を教えてくれるのかな」


「そうね、恋愛を教えるっていってもだいたいの事は教えてるのよね」


「そうなんだ、じゃあどうするの」


「どうしようか、楓」


「私に聞かれても困るけども」


「楓も一緒に考えてよ」


「う、うん」


私は今日佐奈としたい事を考える事にしているのけれど、なかなか一緒にしたい事が

思いつかないのも事実です。


こんな事では佐奈と本格的な恋愛が出来たとしても呆れられて良くない気がします。


佐奈と一緒にしたい事と言えば、どんな事をしたら佐奈は喜んでくれるのかな。


私は頭の中で一生懸命に考えているけれど、ぜんぜん思いつかないし、

一緒にしたい事というよりは一緒に居れるだけで満足しています。


「ごめんなさい、佐奈、思いつかないの」


「そう、私と本格的な恋愛をしたくないのね」


「そういう事じゃないの、恋愛未経験だから、ごめんなさい」


「今までもう一人の佐奈と今の私が恋愛を教えてあげてるのに

何も出来ないっておかしいじゃない」


「ごめんなさい、私には恋愛というのを知るのは早かったかもしれない」


「何て事を言ってるのよ、私を失望させないでよ」


「本当にごめんなさい」


私は佐奈の傍に居る資格がないと感じると、このお部屋から出てしまって

誰も居ない場所へ向かう事にしている。


そして、私は大学内にある屋上に来ると私は

「私は恋愛を知る資格もないし、佐奈と恋愛をする資格もない」


そんな事を考えていたら、急に泣き出してしまってどうして良いのか

わからなくなってくるのです。


私は泣き止みたいけど、涙が止まらないので泣き続けているのですが、

悲しくてどうする事も出来ません。


こんな姿を佐奈に見られたら、佐奈はどんなふうに思うのかな。


結局、なんとか泣き止みましたがそれでも悲しいままなのは事実です。


そうしていると私の後ろの方から佐奈の声が聞こえてきます。


「楓はここに居たのね、急にどうしたのよ」


私は後ろを振り返ると佐奈にこう言うのでした。


「佐奈、ごめんなさい、私は佐奈の傍に居る資格なんてないよ」


「そんな事ないよ、楓は私にとって大切な存在なの」


「違う、大切な存在なんてありえない」


佐奈は私の方に歩み寄って近づいてくると、私の頬を手で叩いてくるのでした。


「痛いよ、佐奈」


「何を馬鹿な事を言ってるの、楓は私の事が大好きで堪らないんじゃないの」


「そうだよ、大好きで大好きで堪らないよ」


「だったら、ずっと傍に居ればいいじゃない」


「でも、でも、恋愛を教わっててもよくわからないの」


「私が何度も教えてあげるよ、楓がわかるまで」


「本当に?」


「本当よ」


「私と恋愛してくれるの?」


「楓が望むのなら恋愛をしてあげます」


「うん」


「だからね、私の傍に居て欲しい」


「うん、わかった」


私と佐奈は手を繋いで一緒に仲良く屋上を後にすると、まずどうするかを

考える事にしてます。


そのためには佐奈専用のお部屋へと二人は戻る事にするのでした。

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