第11話 公園で何かが起こる

この公園で私は何かが起こるというのを確信していて、

どんな事が起こるというのはわかりませんがなんとくわかります。


「さてと楓には何かをしてもらいましょう」


「えっ、な、何をするのかな」


「そうね、私に対して喜びそうな事をして欲しいわね」


「佐奈が喜びそうな事って何なの」


「そんなのはご自身で考えて頂戴」


「うん、わかったよ」


私は佐奈が喜びそうな事を頭の中で必死に考えておりますが、

ぜんぜん思いつかないし、佐奈が喜びそうな事というのが

まったくもってわかりません。


もしかしてこの公園でエッチな事をしたらいいのかなと考えているけれど、

それはそれで良くないし、考えれば考える程よくわかりません。


「ごめんなさい、佐奈、よくわかりません」


「私の喜びそうな事がわからないのね」


「うん、ごめんなさいね」


「そっか、そうなるとここで恋愛を教えるのもおしまいだし、

私との恋愛をするというのも白紙ね」


「う、うん、しょうがないね」


「じゃあ、楓、今までありがとうね」


「うん、こちらこそ、ありがとうございました」


佐奈は私の目の前から消えて何処かへと行ってしまうと、私一人だけが

ここの公園に居るという事で寂しいです。


「私は本当に馬鹿だね、もっと頑張れば良かった」


私もこの公園から出ようとしたら、いきなり後ろから抱きつかれて私も

どうしたらいいのかがわからないという状況です。


そうしていると抱きついている相手から私に

「鬼原楓さんね」


「はい、そうですけど、何方様ですか?」


「振り向いたら怒りますよ、それと私のお名前は教える事が出来ません」


「そ、そうなんですか、わかりました」


一体、この人は誰なんでしょうか。


そんな事を考えていると抱きついている相手からこう言われてしまうのです。


「楓さんは君島佐奈という人と恋愛を教えてもらうのと恋愛をしたいそうですが、

もう一度チャンスが欲しいですか?」


「はい、欲しいです」


「では、後ろを振り向いていいですよ」


「は、はい」


私は後ろを振り向くとそこには佐奈が居たのです。


「佐奈っ! 驚かさないでよ」


「ごめん、ごめんってば」


「あのね、悪ふざけにも限度があるよ」


「そ、そうね、ごめんなさいね」


「謝っても許してあげない」


「そう怒らないでよ、楓、そういう顔をする楓も可愛いわね」


「そんな事を言われても私は………………」


「これをあげるから許してね」


佐奈が私に渡してきたのはパンツですが、これは誰もパンツ何でしょうか。


「このパンツは?」


「私がさっきまで穿いていたパンツね」


「えっ、じゃあ、佐奈は今パンツを穿いてないの?」


「そういう事になるわね」


「佐奈のパンツを私がもらっていいの?」


「うん、いいわ、あげる」


「あ、ありがとう」


「それにしても楓はよく諦めないで頑張ったわ」


「う、うん」


「じゃあ、恋愛は引き続き教えるけど、同時進行で私と恋愛を

していきましょうか、本格的にね」


「えっ、えっ、本当にいいの?」


「もう一人の佐奈には申し訳ないけど、私はそうさせてもらうつもりよ」


「やったー! 嬉しいよ、佐奈」


「喜んでくれて私も何よりよ」


「佐奈、大好きで愛しているよ」


「うふふっ、私も楓の事が大好きで愛しているよ」


ここは公園で人目につきやすいのに二人は口付けを交わしているのでした。


ただたんに口付けならいいけど、二人とも濃厚な口付けをしていて

公園には二人しか居ませんが、それでも恥ずかしいという気持ちは

あるかもしれません。


二人の口付けは当分終わりそうにない。


しばらくしてやっと二人の口付けが終わると楓が

「佐奈の口付けって本当に蕩けちゃうよ、素敵」


「楓の口付けも最高だわ、ありがとうね」


「口付けが出来て本当に幸せだよ」


私はもう一人の佐奈の事がだんだんとわかってきているような気がします。


この調子で理解してあげていけばもう一人の佐奈に戻るかもしれません。


本当に私は佐奈にとって大切な存在になりたいと改めて思いました。

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