第7話 佐奈からの1つ目の試練

私は今から佐奈の恋愛としての試練を受ける所です。


一体、試練の内容はどういったものになるのでしょうか。


私はドキドキワクワクしてて堪りません。


「では、楓、試練の内容を言いますわ」


「うん」


「私に対して蕩けるような言葉を言って下さいね」


「えっ、それって簡単というより難しいよね」


「楓にとっては難しいかもしれないわね」


「う、うん」


佐奈の事を蕩けさせるような言葉ってどういう言葉なんだろう。


それに私は口付けをしてもらって蕩けたけど、

言葉で蕩けさせるのは難しいかと思っています。


そんな事を出来る人っているのかな。


とりあえず、何にしても実行しないと始まらないよね。


「佐奈の事を大好きで愛しているよ」


「普通過ぎて蕩けないわ」


「うぅぅぅぅ、難しいよ」


「頑張りなさい」


「う、うん」


やっぱり、ごく普通の言葉しか出てこないよ。


どうすれば蕩けるような言葉が出てくるのか、私は考える事にした。


しばらく私は考えているとある言葉が思いついたのでそれを

言ってみようと思います。


「佐奈っ!!」


「いきなり大きい声を出してどうしたの」


「佐奈の事を幸せにしたい、それといつまでも一緒に居たい、だから私と結婚して!!」


「……………………」


どうしよう佐奈が黙ってる。


「楓、蕩けるような言葉だったよ、そこまで私の事を思っているなんて」


「うん」


「ご褒美に良い事をしてあげる」


「う、うん」


佐奈は私の唇に口付けを何度もしてくれて私は蕩けそうになっていると

佐奈が私のお胸を触ってくるのでした。


「ダメだよ、佐奈、やめて」


「どうして、楓は蕩けそうになっているじゃない」


「でも………………」


「いいよね?」


「うん」


佐奈は口付けをしながら、私のお胸も触ってくると私は変な気分に

なりそうなのでまずいと思いました。


「さ、佐奈、もうやめて」


「そうね、やめましょうか」


「佐奈って意外とエッチなんだね」


「そうかもしれないわね」


私は佐奈の事が大好きで堪らないけど、こういう事をされるとドキっとして

怖いというか恐ろしいというか、この先に行くと辱めを受けているようで

嬉しい気持ちになります。


「それにしてもいつ見てもいい身体をしてるのね」


「えっ、佐奈って私の事をそういうふうに見てるの?」


「そういうふうに見てるけど、内面も含めてすべて見てるのよ」


「確かに私のお胸やお尻は普通の人より大きいけど、それでも

そういうふうに見てほしくないな」


「まぁ、私は楓の事が大好きだし、それに嫌いだったら恋愛なんて

教えてないわ」


「うん」


「楓って本当に私と恋人になりたいの?」


「えっ、恋人………………」


佐奈と恋人になりたいけど、恋人になったらなったでまた大変な事が

起こると私は感じてしまうのでした。


「恋人はまだいいかな、今は恋愛についてよく知る方が大事」


「なるほどね」


「でもね、佐奈とは恋人になりたいよ」


「うん」


「楓ごめんね」


佐奈はそう言うとベッドの上に倒れこんでしまった。


「さ、佐奈」


私は佐奈の身体を揺するけど、佐奈が目を覚ます感じはありません。


「どうしたらいいの」


どんどん私はパニックになっていくと何を考えていいのかがわからなくなる。


そんな事をしていたら、佐奈が目を覚まして起き上がると私に向かって

「楓じゃない、ここに居るって事は私のものになりたいの?」


「えっ、どうして…………佐奈から恋愛というのを教わってるの」


「私がそんな事を教えるわけないじゃない」


「どういう事なの、今さっきまで私に試練出してくれてたり、

恋愛というのを教えてくれてたよ」


「おかしいわね、そんな事を私がするはずないのに」


佐奈の様子がさっきと雰囲気もぜんぜん違うし、変わっているように思える。


ここは逃げた方がいいのかな。


逃げるにしても鍵が閉まってて逃げれないのを思い出したのです。


「貴方は誰なの?」


「誰って君島佐奈じゃない」


「貴方は佐奈じゃない」


「わかりました、本当の事を言いましょう」


「はい」


「私は君島佐奈で間違いないの、でもね、もう一人の佐奈って事かな」


「もう一人の佐奈?」


「そう、もう一人の佐奈です」


「そ、そうなんだ」


私には何が何だかわからないし、これから先どうしたらいいのか

がぜんぜんわかりません。


こういう時に助けてくれる人がいたらいいんだけど、

私にはもうそういう人はいません。


「うふふっ、楓は困ってるようね」


「そ、そんな事はないです」


「心の中で私の事を助けてくれる人はいないのかなって思ってるくせに」


「ど、どうしてそれを………………」


「図星なのね」


「佐奈、ここから出してよ」


「い・や・よ」


「お願い出して下さい」


「ここのお部屋はね、私と楓の恋愛をするための第一歩なの」


「い、嫌よ、私は佐奈と恋愛をしたいの、貴方じゃない」


「私も佐奈じゃない、恋愛をしましょうよ」


「貴方とはしません」


「意外と頑固なのね」


私はどうにかしてもう一人の佐奈を呼び戻さないといけないと感じている。


しかし、どうやって呼び戻せばいいのか。


こんな事をしているうちに私が危険に晒されてまずい状況に

なっていくのでしょうか。


「ねぇ、楓、もしかしてもう一人の佐奈を呼び戻そうとしているの?」


「そのつもりよ」


「だったらやめた方がいいわね」


「どうしてよ」


「貴方が試練を乗り越えた事によって私、もう一人の佐奈が出てきているの」


「そ、そんな………………」


私はショックで項垂れていると佐奈が

「もういいじゃない、私が恋愛を引き続き教えてあげるし、

それに私と恋愛をすればいいのよ」


「うん、わかった、そうするね」


佐奈は私の事を見ながら、高笑いをしている。


まるで私が佐奈のものになったような感じがして嫌というか、嬉しいというか

複雑な気持ちになっていると思うと自分が嫌になる。


もう一人の佐奈って言うけれど、そもそも佐奈ってどういう人物なのかも

私にはわからなくなってきている。


「もう一人の佐奈って言うけど、普通は本人だけだよね」


「普通はそうね、でもね、佐奈はそういう病気を抱えているの」


「病気って聞かされてないよ」


「そんな事を貴方にお話をするわけじゃない」


「なんで佐奈はお話をしてくれなかったのかな」


「それはね、貴方に迷惑をかけたくないからよ」


「それでも私はすべての佐奈を受け入れたい」


「そこまで言うのなら、私の事も受け入れて頂戴」


「でも、そうするともう一人の佐奈の事を裏切る事に…………」


「そうはならないと思うけどね」


「どうしてそんな事を言えるのよ」


「私もそうだけど、もう一人の佐奈もきっと同じ事を言うよ。

すべてを受け入れるのなら全部知った上で恋愛して欲しいってね」


「そ、そうだよね、ごめんなさい」


「わかればそれでいいの」


「うん」


「実はね、私もそこまで貴方の事を邪険にするつもりはないの」


「うん」


「そういえば、1つ試練を乗り越えておめでとう」


「あ、ありがとう」


「残りの試練はまだあるけれど、すべて私が試練を出すね」


「うん」


佐奈の事をもう一人の佐奈から聞いた。


佐奈の身体にはそういう病気があってそのせいで佐奈が二人居る事になる。


私が知っている佐奈は今お話をしている方じゃない。


しかし、佐奈の事をもっと知りたいなら、今出ている佐奈も受け入れないと

何も始まらないような気がします。


私はどんな事があっても佐奈を見捨てないと心の中で誓います。

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