第5話 佐奈と恋愛をするためにⅡ

佐奈と恋愛をするためには佐奈から出される試練を乗り越える必要があります。


乗り越える事が出来なければ、きっと佐奈とは恋愛が出来ないのでしょう。


私は必ず試練を乗り越えて佐奈と恋愛をしてみせます。


試しに佐奈にどんな試練があるのかを聞いてみようかな。


「佐奈、恋愛を教わってるけど、どんな試練があるの?」


「そうね…………内緒かな」


「えっ、どうして教えてくれないのよ」


「教えたらつまらないし、それに対策を立てられると困るのよ」


「そっか、そうだよね」


そう簡単には試練の事を教えてくれないよね。


でも、私はどうしても試練の内容を聞きたいのでどうにかしたいと考えています。


私はベンチに座っているけど、そろそろ動きたい気分なのでベンチから立ち上がると

佐奈が私に

「楓、立ち上がってどうしたの?」


「座ってるのも退屈だし、そろそろ身体を動かしたいかなってね」


「そうなのね」


「うん」


そうしていると佐奈もベンチに座ってましたが、私と同じで立ち上がって

私にこう言ってくるのです。


「楓、そろそろ別の場所に移動しましょうか」


「うん、そうだね」


「さてと何処に行こうかな」


「何処に行くの?」


佐奈は何処に移動しようかとじっくり考えているのに違いない。


私は中庭にある時計を確認すると時刻は夕方になっているのでした。


夕方って事はそろそろ帰らないといけないはずだけど、私と佐奈は

佐奈専用のお部屋みたいなのが大学内にあるので帰宅する必要性がない。


一体、佐奈はどうするのか私も気になっている所です。


「私専用のお部屋に戻りましょうか」


「うん」


結局、私と佐奈は佐奈専用のお部屋みたいな所に戻る事とします。


二人は佐奈専用のお部屋みたいな所へ戻っている最中に佐奈が私に

「ごめんなさい、女子トイレに用があるの、ここで待っててね」


「うん、わかったよ」


佐奈は私をここに残して一人で女子トイレに行ってしまうのでした。


私は一人になってしまって心細いと思っていますが、これも何かの

試練だと思ってじっと待つ事にしたのです。


しばらくしていると佐奈が女子トイレから戻ってきて私に歩み寄って

くると私にこう言い放ってきます。


「待たせてごめんね」


「ううん、気にしないで」


「うん」


「佐奈はどうして女子トイレに用があったの?」


「女子トイレに用があるって言ったら、1つしかないでしょ」


「ご、ごめんなさい」


「もしかして私と一緒に女子トイレに行って私がしている所でも

見たかったの?」


「えっ、何でそうなるの、そんな気はないのに………………」


「冗談よ、ごめんなさいね」


「もうっ、びっくりしたよ」


「うふふっ、可愛いわね、楓」


「恥ずかしい事言わないで」


佐奈は私の事をこうやって可愛がってくれるけど、私からすると嬉しいというよりは

恥ずかしいという気持ちが強いです。


恋愛を教わっている段階では何も出来ないけれど、それでも私は一日でも早く佐奈と

恋愛をしたくてしょうがありません。


「さっ、早く私専用のお部屋へ戻りましょ」


「うん」


私と佐奈は早歩きで佐奈専用のお部屋みたいな所へ戻っています。


佐奈専用のお部屋みたいな所へ着くと、佐奈がドアの鍵を開けて

二人は中へ入ると佐奈がまたしても内側から鍵をかけてしまうのでした。


「どうしてまた鍵をかけるの?」


「それは以前にも言ったけど、楓が逃亡しないためです」


「佐奈ね、私は逃亡もしないし、恋愛をしっかりと教わって試練を乗り越えて

佐奈と恋愛したいから何にもしないよ」


「念のためによ、ごめんなさいね」


「うん」


どうして佐奈はこうも用心深いだろうと私は思うのでした。


佐奈はベッドのある方へ歩いていくとベッドの上に座るのでした。


「楓もこっちに来て」


「う、うん」


私もベッドの方に歩いて行き、佐奈の隣に座ると佐奈が

「こうして見ると楓は本当に可愛いわ」


「恥ずかしいからやめて」


「そんな事を言わないの」


「だってさ、佐奈は私に恋愛を教えてくれてるけど、なかなか本格的に

恋愛を教えてくれないじゃない」


「もしかしてさすがにバレてたの?」


「うん」


「そっか、それならお話が早いね」


「うん」


「実はね、私って恋愛未経験だけど、なぜか知識だけは豊富なのよね」


「そ、そうなんだ」


「それでね、楓が恋愛を教わりたいって来た時は正直言うとびっくりしたの」


「なるほどね、もしかして私に恋愛を教えてる事は無理なの?」


「ううん、無理じゃないよ、私なりにしっかりと恋愛というのを教えるし、

それにね、試練を乗り越えたら恋愛してあげるのも事実だよ」


「なら良かった」


「不安かもしれないけど、楓には恋愛というのをよく知って欲しいと思ってるよ」


「うん」


私はどっちにしても佐奈からじゃないと恋愛は教わりたくないし、

佐奈としか恋愛をしたくないというのもあります。


でも、佐奈も私と同じで恋愛未経験というのは驚きました。


正直言うと佐奈は恋愛経験が豊富ばかりだと思っていた。


人間の勝手な思い込みというのは恐ろしいね。


しっかりと相手とお話をして聞いた上で判断する方が賢明だよね。


私もこれからは佐奈とよくお話をもっとして情報を聞き出して

それから色々と判断しようと思います。


恋愛の事をもっと知りたい私は佐奈から恋愛の事を聞き出す事にします。

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