第4話 佐奈と恋愛をするためにⅠ

私は佐奈から恋愛を教わっている最中、本当にこのまま佐奈から

教わるばかりでいいのでしょうか。


よく考えてみると私は恋愛未経験で恋愛は当然した事がありません。


そのせいで佐奈から恋愛を教わっているという事なのです。


しかし、佐奈はきっと私が恋愛を教わってる事に対して何にも

疑問すら持たないでしょう。


佐奈に聞きたい事があるのならば、どんどん聞いた方が

良いと私は正直思います。


今は中庭に佐奈と私しか居ません。


それに私がベンチに座ってて佐奈は立ってて私の事をずっと見つめてばかりいます。


「佐奈はどうしてベンチに座らないの?」


「どうしてって立ってる方がいいからに決まってるでしょう」


「そうなんだ、隣に座って欲しいな、ダメ?」


「わかったわ、楓の隣に座るわね」


「うん、ありがとうね、佐奈」


私の隣に佐奈が座ってくれてとても嬉しい気持ちになって心臓が

ドキドキしています。


「そういえば、佐奈ってどうして私に恋愛を教えてくれるの?」


「楓が私しか頼れる人がいないって言うからじゃない」


「そういえば、そうだったね、忘れてた」


「本当にしょうがない子ね」


「えへへっ」


佐奈は私の頭に手をのせて頭を撫でてくれて私はすごく嬉しくて

恥ずかしい気持ちです。


「佐奈と私は恋愛しているの?」


「そうね、恋愛は教えてるけど、まだ恋愛はしてないわね」


「そっか、残念」


私が落ち込んでいると佐奈は

「何よ、恋愛してみたいの?」


「うん」


「確かに恋愛というのを楓に教えてるけど、私と楓は恋愛してるつもりなのよ」


「恋愛してるつもりってどういう事なの」


「簡単に言うと恋愛の扉があってまだ二人ともそこに立っているだけなのかな」


「そういう事なんだね」


「うん」


私は佐奈から恋愛を教えてもらっているけど、まだ佐奈とは恋愛してるようで

してないって事になるのかもしれない。


佐奈と本格的に恋愛をするためにはどうすればいいのでしょうか。


「佐奈と恋愛したい場合はどうすればいいの?」


「それを聞いちゃうのね」


「うん、聞きたい」


「そうだね、私と恋愛をしたいなら…………まずは恋愛を教えてる時に試練を

与えるからクリアしたら考えてもいいかもね」


「本当に?」


「本当よ」


「じゃあ、私佐奈と恋愛するために頑張るね」


「うん、頑張ってね」


私は佐奈と恋愛するために試練を乗り越える必要がある。


その試練を乗り越えて達成すれば、佐奈と恋愛が出来る。


何か知らないけど、私はやる気がどんどん出てきたような気がします。


こうなったら絶対に佐奈と恋愛をしてみせるんだからね。

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