旅三十二日目 神武天皇と順調な船旅
ずいぶんと歳の離れたカップルですね。アエズ様は熟女が好きのように思われますが、実の母親の温もりを知らないアエズ様は、寂しさを玉依姫様にぶつけ、彼女はその思いを受け入れたのかもしれません。
アエズ様と玉依姫様の間に出来た四神の末っ子である、
ここで、少し旅を振り返りましょう。
神武天皇のご先祖様である、ニニギ様の妻、コノハノサクヤ様の父親は山の神様である
そして山幸彦様の妻、豊玉姫様の父親の
なので、神武天皇は海の神様と山の神様の血を引いているので、陸海両方の力を持っているといえます。
さて、神話の世界を巡る旅もいよいよ終わりが見えて来ました。これからは神武天皇となるカムヤマト様と一緒に、旅をしていきましょう。
ニニギ様が建てた日向ノ宮にいるのはカムヤマト様と、長男の
ちなみに次男の
五瀬様とカムヤマト様が日向ノ宮で国を治めていました。
しかし、そんなある日の事です。
「なあ、カムヤマト」
「なんだい? 兄さん」
「日向って端っこ過ぎない? もっと政治しやすい所に行こうよ」
この五瀬様の一言でカムヤマト様達は、東にある大和の地(奈良県)に行く事にしたのです。
二神は旅の為に船を造ってますね。どうやら陸路ではなく、海路で旅をするようです。
そういえばこの旅は、潜水艦で海底宮殿へと向かった事はあります。しかし船旅は初めてですね。
それではカムヤマト様達と一緒に船旅で出ましょう!
さて、カムヤマト様と五瀬様、そして家来を乗せた船は、九州の海岸にそって北上していきます。
二神の旅路は順調そうですが、今はまだ神話の時代。
アマテラス様の御子であるカムヤマト様の統治は、この国の隅々まで行き届いておらず、未開拓の土地があったり、悪霊や暴力的な荒神が蔓延っています。
きっと様々な受難な試練が待ち受けている事でしょう。
そう言ったものの、豊国(大分県)で
そして、広島県、岡山県を経て瀬戸内海を進んでいきます。
ちなみに時間を加速させているので、私達にとってあっと言う間の出来事ですが。
日向を出発してすでに十六年経過しています。
さて、たこ焼きの原型として有名な、『明石焼き』の発祥の地である明石海峡へと入ったようです。
神話の時代なので明石焼きなんてありません。
おや、明石海峡に近づいた途端、船が激しく揺れはじめました。
どうやら、潮の流れが早い、難所ですね。
船酔いしそうですね。カムヤマト様と五瀬様は大丈夫でしょうか?
「どうするカムヤマト?」
「うむむ……」
流石に困っているようです。
「あれは、なんだろうか?」
カムヤマト様が海で何か見つけたようです。
おや、東方旧作の霊夢のように、大きな亀の甲羅に乗って、海を漂っている神様がいますね。
どうやら、海釣りをしているようです。きっとハマちゃん並みの、釣りバカに違いありません。
早速、カムヤマトイ様は船を釣りバカに近づけます。
「君の名前は何と言うんだ?」
カムヤマト様が釣りバカに話しかけました。
「俺っちは
「この海の海流には、詳しいのか?」
「それはもう熟知しているっす。ずっと、ここに住んでるっすから」
「よかったら。案内してくれないか?」
「いいっすよ」
こうしてカムヤマト様は珍彦様を船に上げました。
「そこ、流れが早いから、右にいった方がいいっすよ! あ、それ以上行くと、渦潮に巻き込まれるっす!」
こうして珍彦様の案内によって無事に明石海峡を越えたカムヤマト様は、お礼として珍彦様に
明石海峡を過ぎ、カムヤマト様は大阪湾で停泊していますね。
難所がありましたが、ここまで命の危険に脅かされるような事はありませんでした。
カムヤマト様の旅は順調ですね。
きっとアマテラス様のご加護があるに違いありま……うわっ! 急に矢が飛んできました!
「敵だ! 全員戦闘配置につけ!」
五瀬様の掛け声によって、全員剣や弓矢を持ち出してきます。
さて、突然の敵襲ですが、カムヤマト様と五瀬様は、一体どうなってしまうのでしょうか!?
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