第7話、神様の数だけ神社がある。分社の登場

 自然崇拝から始まった日本神道は祖霊信仰、神奈備信仰へと発展し、さらに仏教と融合する事で、複雑な宗教観と沢山の神様が生まれました。


 それだけでなく、実在の人や、怨霊を祭る御霊信仰。

 そして神道と仏教を混ぜた修験道も登場し、とても多くの神様を内包する事になりました。


 このように神様が沢山いるので、祭神が住んでいる本社を中心に、神格を分けた、分社が増えていくのです。


 日本にこれだけ神社が多いのは、本社の神社から祭神の神格を分けてもらい、各地の神社に祭るからです。


 単純に考えれば神社に従事している、神主や巫女さんが布教活動をすると思いますが、ちょっと違います。

 

 各地に神社を増やしたのはサムライも関わっているのです。

 サムライの力が強くなった鎌倉以降、有力なサムライは自分の領地に、自分が信仰する神様を祭るようになりました。

 

 そして室町時代になると、修験道の山伏が全国を巡って布教活動を行います。

 焦った伊勢神宮の神職の人々は「ヤバイ、このままだと信仰のシェアを獲られてしまう」


 このように伊勢神宮も布教活動を始めました。


 なんだかD社、A社、S社の携帯シェア争いのようですが、中世日本ではこのように神社、権現社、また神宮寺が増えていきます。


 更に江戸の城下町では事故や事件が起こると、何かにつけて「狐の祟り」と言われたので、あちこちに稲荷神社が建てられるようになりました。

 

 しかし、時代が明治になると、神道は大きなターニングポイントをむかえ、神社が爆発的に増えるのです。

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