中世日本編

第3話、統一される日本神話

【古事記、日本書記の登場】


 皇室の祖先が天照大御神を唯一神とはせず、他の氏族の神々の存在を認めたので、日本は多神教の道を辿っていくのです。

 しかし、当時の皇室は歴史を記録しておらず、ましてや正典や神々の系譜も残していませんでした。


 伝言ゲームのように、先祖代々口だけで伝えていました。そうしたら……

「ナゴヤテバサキ名物神が天照大御神の息子なんだよ!!!」

「なんだってー!?」


「ヒロシマヤキインザヤキソバ大神が、天照大御神を産んだんだ!!!」

「なんだってー!?」


「所詮この世は、キリタンポアツアツナベノ神の見ている夢に過ぎないのだよ!!!」

「なんだってー!?」


 このように伝わっている神話は氏族や地方によってバラバラで、カオスな状態でした。


 そして飛鳥時代、673年に在位した第四十代天武天皇が……

「うう、日本に伝わっている歴史や神話がメチャクチャだよぅ。そうだ、一度見聞きした事は忘れない、頭の良さで定評のある稗田阿礼ひえだのあれい君ちょっと来てくれる?」

「はい、ボクが説明くさい呼ばれかたをした稗田阿礼だよ」

「ちゃんとした歴史書を作りたいから、天皇家の系譜や神話を覚えてきてくれる」

「おっけー、任せておいて!」


 まあ、こんな軽いノリではないんでしょうけど、このように天武天皇の命令で日本初の歴史書の編纂がはじまりました。

 その途中、天武天皇が崩御し、編纂が止まる事もありました。


 稗田阿礼の語り書きを写した古事記が712年に完成しました。

 そして、720年に稗田阿礼が集めた資料を元に、日本書記が完成したのです。


 この二つの書物により、日本神話は統一されたのです。

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