井川 徹Ⅴ
こんな事になるとは思ってもいなかった。今の状況を整理すると、今からトリプルデートをする事になった。彼女と水族館に行くのは決まっていたけど、あまり知らない人が二人もいるので、俺は帰りたくなった。
「次、ペンギン見行かない?」
と提案している彼女は楽しそうにしている。俺はひたすら絵にした。これは小説のシーンに使うことが出来るかもしれないので俺は絵にしている。彼女の感情を意識して、彼女が何を考えているか、それだけで、絵は変わってくる。
「絵ばっかりかかないで、渡辺さんと楽しんだら。渡辺さんもきっと待ってるよ」
栄一が俺が絵を描いてる途中で言ってきた。俺は鉛筆を動かすのをやめて、スケッチブックを閉じた。俺は彼女に近づいた。俺は水槽の中を泳ぐ、ペンギンを見た。水族館なんて何年振りだろう。ペンギンは水槽の底の方を泳いだり、水面に近いところをよいだり、いろんなところを沢山のペンギンが泳いでいた。俺はスケッチブックを取り出して、泳ぐペンギンを何匹も描いた。俺が半分描き終わると、
「そういえば、井川君はなんで、絵を描いてるの?」
と聞いてほしくない事を聞いてくる、委員長。それを聞いていた、俺の事を知らない人たちがみんな気にし始めた。と言っても、俺の事を知らないのは二人だけ。
「この際だから、言っちゃえば」
「そうだよ。別に二人だけなら、いいじゃん」
「二人ともすぐに喋ったりしない人だよ」
俺は自分の事を話すのは極力したくない。でも、親友二人の彼女になるかもしれない、二人ならどちらにしろ、言わないといけない気がしたので、俺は言う事を決めた。俺はみんなを手招きをして、集めて小声でみんなに聞こえるように
「俺は小説家の井川イッテツなんだよ。で今日はその一部のシーンを絵にしに来ただけだ」
「え、えぇぇぇぇぇぇ!」
「そうなんですか!」
いい反応をする石田さんと、意外と反応が薄い委員長。委員長はすごく落ちつた様子だが、石田さんはものすごく興奮している。本当なのか栄一に聞いたりしていた。
「イッテツを漢字にすると一徹になって、一だけ取ると、井川徹になる、という事だね」
と解説をする彼女。彼女はすごくドヤ顔で解説をしていた。
「この事は誰にも言わないでくれ」
俺はみんなに忠告をした。みんなコクンと頷いた。俺は少し安心した。彼女たちは俺の事も話しながら、水族館を楽しんでいた。俺はその風景を絵にしながら、水族館を楽しんだ。絵は未完成全て含めて、20枚ほどになった。俺は一人で絵を見直していると
「その絵ほとんど美羽さんしか描いていませんね。美羽さんの好きなんですか?」
と石田さんが尋ねてきた。ほかのみんなは昼食を買いに行った。坂神さんと栄一は席を取っていた。俺がいるから、みんな昼食を買いに行ったらいいと俺は思っている。
「他のみんなを勝手に描くのは犯罪になりそうだから。彼女には許可を取って描いてるんだ」
俺は少し嘘をついた。水族館のデートは主人公とヒロインだけで楽しむ設定だ。だから、あまり他の人を描くのは変だと思った。必要そうだったら描くが。多分、みんなを描くなら、背景を変えるだろう。
「なら、みんなが笑ってるところ、絵にしてみて、他のシーンで使うのはどうでしょう。本音を言うと、私たちを描いてほしんだけどね」
石田さんは少し照れたように言った。俺はその顔を見て、栄一の方をチラ見した。栄一は何もないような顔で俺と石田さんを見ていた。栄一が嫉妬をしてない事を確認した。
「それより、話が変わるけど最近謎の病気が流行っているらしいね。
確かにその病気は俺も聞いたことがある。病気も謎。原因も治療法も謎のままらしい。
最近の話をいろいろしていると昼食を買いに行った組が帰ってきたので
「お願いがあるのだけど、みんなを絵にさしてくれないか?」
俺は頭を少し下げてお願いした。
「そんなの、いくらでも手伝ってやるよ!」
宗助は相変わらずテンションを高くして言った。
「私は井川君がそれでいいなら、構いませんよ」
優しい委員長が言ってくれた。
「こっちも手伝って方しいときは手伝ってもらうぞ」
優しくて真面目の栄一が言った。
「私はさっきも言ったけど、絵にしえくれると嬉しいかな」
ほんの少し照れて言う石田さん。
これでみんなの許可が出たから、みんなを絵にすことが出来る。俺はみんなに感謝を込めて
「ありがとう。あ、もしかしたら、そのまま小説に載るかもしれないけど、それもいい?」
俺はもう一つ確認をした。
「それは雑誌に載るのと変わらないくらいですね」
「本当にそれはそれで嬉しいです」
他のみんなはコクンと頷いてくれた。これで思いっきり絵を描くことが出来る。俺はまた、「ありがとう」と言って、昼食を買いに行った。
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