第38話 天国と地獄
「ご主人様、次はどうするブ。」
ユズに頼まれたオークの巣の殲滅は終わった。
サクラさんに抱きしめてもらえないのでこの村にこれ以上いる理由もないか。
簡単にやられない程度には実力もついたから修行パートも終わりかな。
ビジアンヌの頼みを聞くには国を相手にする必要があるな。
それよりも妖精石や精霊石をかっぱらって解放するのが地味だけど現実的なものか。
そしたら妖精や精霊も世界環境を戻す手伝いをしてくれるかもしれない。
となると小さな人族の村や街を襲撃したら良いかな。
今ならオーク達がいるから村くらいなら無理なく襲撃できるだろ。
スライムになってるお陰か自然と村を襲撃するとか言ってるよ俺。
「次は・・・・」
今後の話をしようと仙に視線を移しすと何かを忘れている気がする。
何だ?
オークの巣はすでに殲滅し終わっている。
サクラさんに抱きしめてもらうのは諸事象で不可能。
サクラさんの代わりにユズに抱きしめてもらおうにもサクラさんと同じ諸事情で不可能。
仙に抱きしめてもらいたいけどスキルのせいで俺が死ぬ。
サクラさんに命力についてすでに押してもらって済んだ。
う~ん、仙を見て何か引っかかるってことは仙に関係することだよな。
仙を良く観察する。
脚はアスリートのように引き締まっている。
ガリガリで病気なんじゃないと心配するような痩せ細りかたをしておらず健康的な美脚だ。
腰まわりもキュッと引き締まった全く無駄のない素晴らしい肉体だ。
しかしここで勘違いしてはいけないのは無駄のない肉体だがもっとも重要な部分には必要十分な肉があるのだ。
両手を使っても隠し切れない女性の象徴
しかもただデカイだけの醜いものではない綺麗な球形で自立した奇跡の、これは女神の象徴かもしれない。
そんな女神の象徴を持つ仙は女神のような優しげな目をしたブタさんの耳がチャームポイントなオーククィーンである。
ただ、あえてどうしても仕方なく欠点を上げるとすればブタさんの鼻かな?
「ご主人様、じっと見られると恥ずかしいブ。」
「すまん、何か仙のことで重大なことを忘れている気がするんだ。」
『旦那はエロ以外のことは三歩あるくと忘れるっすから問題ないっすよ。』
問題有りすぎだろ!っていうか俺はニワトリか!
『ニワトリじゃなくてスライムっす。』
こっちではニワトリじゃなくてスライムなのね。
・・・それって俺のことじゃん!
ヤスがチャチャを入れるから思考が反れたじゃないか。
しかしこんなほぼ完璧な美女配下がいるのに抱きしめてもらえないなんてなぁ。
なんだよ。女王さまってエロスライム対策みたいなスキルだよな。
・・・・俺はMじゃない。
それに女王様って仙はオーククィーンだけどボンテージを着ているわけでもないのにスキル効果の内容が変だよな。
もっと普通の女王様っぽい効果にしてくれたらいいのに。
だからって仙がボンテージを来ていたらそれはなんか・・・良いかも。
いや仙には正統派メイド服が似合うと思う紺色の足元まで覆うスカートに白いエプロン良い良いね。
「思い出した。裁縫スキルを取得しなきゃいけないんだった。」
そうだそうだよ。
思い出した。
サクラさん・ユズ・仙にメイド服やセーラー服果てはナース服なんかを着せたかったんだ。
変態コスプレ趣味だって、そんなことはない健全な男児ならみんな思っているはずだ。
『世の男児に謝るべきっすよ。』
スキル如きが男児のことを分かるはずもない。ヤスの言葉は見当外れだ。
「誰から裁縫を習おうか。」
自慢じゃないが前世で俺はそこそこ家庭科の成績は良かった。
だから一定レベルの裁縫知識はある。
ミシンの使い方やチャコペンシルの使い方・糸の縫い方・仮縫い等々。
ただ服一着を一から作るとなるとどうすれば良いのかぼんやりとしか分からない。
それにこの世界での裁縫のやり方があるはずだ。
服の素材は違うだろうし、ましてやミシンなんてないだろう。
「私は裁縫が出来ないばかりにすみませんブ。」
オークが裁縫できたらビックリだよ。
いや、それは偏見かオークも服を着ていたから裁縫技術は必要だ。
ただ仙はクィーンだから裁縫できなくても仕方ない。
女王様がチクチク裁縫してたらイメージ崩れるわ。
「気にするな。仙は十分役に立ってるよ。なんなら俺と一緒に練習しても良いしな。」
オーク軍団を纏めてくれて非常に助かってます。
贅沢を言えば早く力加減を覚えてその胸で包み込むように抱きしてくれたら嬉しいです。
「私も一緒に練習しますブ。」
この村での知り合いは少ない。
ユズとサクラさんとトン・チン・カンだけだ。
村人や家族も紹介されたけど気安く頼み事が出来るほど親しくはない。
ユズは下水道で助けてあげたし道中もいろいろ話もして仲良くなった・・・はず。
サクラさんは一緒にオークの巣を殲滅したうえに肌と肌の触れ合いをした仲だ。俺は寝てたけど。
トン・チン・カンはアレだ。叩きのめせば大概の頼みは聞いてくれるだろ。
この中で裁縫ができそうなのはユズかな。
トン・チン・カンはもし裁縫ができるとしても暑苦しい男共に裁縫なんて教えてもしくない。
サクラさんは鬼神の加護なんて如何にも戦闘民族みたいなスキルを持っているんだから裁縫が出来ても得意ではないと思う。
となると残りはユズだけだ。
「よし、ユズのところに行くぞ。」
「分かったブ。ご主人様、どうぞブ。」
仙が両手を広げてが胸に飛び込むのを待ち構えている。
まさかこの少しの間に女王様スキルを制御できるようになったのか。
確かに仙は俺と違って純水な才能で命力を感じ取るほどの才能も持ち主だ。
可能性は十分ある。
虎穴に入らずんば虎児を得ず。
ハイリスクハイリターン。
これを乗り越えれば俺はいつでも仙の胸を体感できるようになる。
迷う必要があろうか、いやない。
俺は両手を広げる仙の胸に飛び込んだ。
そして仙が優しく俺を抱きしめる。
「ギャ、ヘルプヘルプ、ストップ仙・・・。」
グフ、後のことは頼んだぞ仙。
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