第28話 眼のないスライムからは視線を感じない?
「おつかれさん。ちょっと力押しの部分が気になるけど大丈夫だろ。」
俺の雄姿を見てサクラさんが労いの言葉をかけてくれた。
『雄姿って美化し過ぎっす。エロスライムが触手を生やしてただけっす。』
おいヤス。
それはいくらなんでも俺の偉業を過少評価しすぎではないかな。
もしかして俺がオーク軍団相手に無双したのが気に入らなかったのか。
まぁ、つい先日まで下水道でラット相手にチマチマ戦ってたスライムがオーク相手に無双していい気になっていたら若干イラっとするかも。
ヤスのディスりはいつものことだ。サクラさんの労いの言葉で満足しよう。
さてさてオーク軍団を吸収してどれくらいステータスが増えたかな。
ステータス!
ステータス
名前 未設定
種族 エロエロマジックスライム(M気質)
魔力量 3100/2600
ランク F?
スキル
触手 ビジアンヌの寵愛 ヤス 魔力操作 魔力感知 メタルウィップ 多重魔力吸引 強打 スライムドリル エッチな風魔法(ウィンドカッター弱 ウィンドボム弱) あんでっと化 ケッカイ こうそく思考
変態 念話 多段螺豪突き
身体強化に使う魔力量が200も上がっている!
オークは豚だけに美味しいかも。
「サクラさん、サクラさん。オークの露払いは俺に任せてください。」
「そうだな、これだけオークが増えてるとキングかクィーンがいるかもしれないからアタイは魔力を温存させてもらうよ。それじゃ頼んだよ。」
「任せてくれ!」
胸の前で両手を組んで強調されたサクラさんを見ながら気合を入れた。
『オイラ旦那が近い将来女性で失敗する光景が目にみえるっす。』
ヤスが何か言っているが気にしない。
目のないスライムになったから美しい女性の胸や尻をガン見してもバレないのだ。
だから思う存分観察するのは当然の帰結である。
『絶対サクラさんは気がついているっすよ。分かっていてやってるんすからね。』
何を言っているんだヤス。
女性は視線に敏感なのは俺も知っているぞ。
ただ何度も言うが俺には目がないのだ。視線を感じるわけないだろ?
『はぁ、そうっすか。』
これからオークを刈りつくして進化するから良いだろ。
「そろそろオークの巣が見えてくるかもな。」
あれからオーク軍団に頻繁に遭遇したが俺の魔力量アップに貢献してもらいました。
「頼むから、もう変なことするなよ。」
オーク軍団を倒したときには俺のことを頼りにしていたサクラさんがなぜこんなことを言ったのかは理由がある。
『便利なヤツとは思ってたかもしれないっすけど、頼りにはしてなかったっす。』
オーク軍団を倒したときには俺のことを頼りにしていたサクラさんがなぜこんなことを言ったのかは理由がある。
『スルーっすか別に良いっすけどね。』
こんなことを言ったのかは理由がある。
オークの巣を探すのに森を歩き回るのは非効率じゃないかと思って次々と出てくるオークを狩りながら考えていたわけですよ。
ほんっとゴキブリかよってくらい狩っても狩っても出てきたな。
俺としては魔力量がアップしてウハウハでした。
話を戻してオークの巣を簡単に見つけれないかと思ったわけですよ。
魔力感知の有効範囲も初期に比べて広くなったとは言ってもこの森全体を調べるようなことはできないわけです。
森に入ってから俺をディスるしかしていないヤスに活躍の場を与えてやろうと思ったんだけど、案内人のくせにヤスも分からないって言ってホント使えない。
そこで俺は諦めなかった。
サクラさんの誘惑的な身体を眺めながら考えていたらピコーンっと閃いたわけです。
そう、オークのことはオークに聞けば良いってね。
敵であるオークにどうやって聞くのかって不思議に思ったそこのあなた!
忘れていませんか、俺はあんでっと化と言う天使に褒められたスキルを持っているんですよ。
それであんでっと化スキルをオークの死体に使ったわけですよ。
いや~、びっくりしましたね。
ゴブリンはバカだって体験してましたけどオークもバカでしたね。
あんでっと化スキルをつかった瞬間「ブヒ!」って叫びながら襲い掛かってきたんだよ。
もちろん豚肉になってもらったよ。
あんでっと化のスキルの説明に雌の場合能力値が強化され忠誠心があがる代わりに雄は忠誠心が下がるって表記されてたけど、雄の場合敵対心を持つってのが正しいと思うんですよ。
『自分を殺した相手に忠誠心なんてあるわけないじゃないっすか。つまりマイナスがさらにマイナスになっているだけっすよ。』
・・・(ポン)確かに。
久しぶりにヤスのディスりに納得した。
つまりそんなことがあってサクラさんのさっきのセリフがあるんですよ。
次からあんでっと化させるのは雌限定にしようかと思います。
「サクラさんどうやらもうすぐオークの巣みたいです。」
俺の魔力感知が百は裕に超えるオークの反応を捉えた。
「ああ、アタイも気配を捉えたよ。しかも嫌な予感が当たっちまったね。」
嫌な予感ってアレですか。
クィーンかキングがいるかもって言っていたやつですね。
サクラさんは知らないと思いますけどそれは俗に言うフラグってヤツです。
俺にはこれっぽちも回収する気はなかったんですけどね。
『いや、この場合はフラグっていうより必然じゃないっすかね。遭遇したオークの数も尋常じゃなかったっすから。』
どっちでも良いけどね。
「つまり、キングかクィーンがいるんだ。」
「いいや、この気配はキングかクィーンじゃなくてキングとクィーンがいるんだよ。」
サクラさんが厳しい顔つきで呟く。
確かに魔力量が大きな個体がチラホラいるみたいだけどキングとクィーン両方いるとはね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます