第14話 一度目は忘れてましたけど二度目の進化を報告します

『旦那、旦那。』


「もう少し寝かせてくれ。」


『気絶する度に同じネタをやるのは止めてほしいっす。』


「はぁ、分かったよ。んで、今どういう状況なんだ?確かビックスカベンジャーに大穴を明ける前に気絶したと思ったんだが。」


下水道のどこかってのは分かるが現在地が分からない。


魔力感知の範囲にビックスカベンジャーも溜め池も見当たらない。


『オイラも外の様子は分からないっすけど、ここは以前人族の男がいた場所っす。おそらくビックスカベンジャーを貫通したあと下水を流れてここまで来たんじゃないっすか。元から汚物まみれのでよかったっすね。汚物まみれの下水に流されても気にならないっすから。』


いや、気になるよ。メッチャ気になるからね。


「体をキレイにする魔法ってないのかなぁ。あれば今すぐ身体をキレイにするのになぁ。」


汚物を吸収したくないけど勝手に吸収しているようで身体が汚物まみれってことはない。


心情的にはいい気分ではないがもう諦めはついている。


だからヤスが言うように俺が汚物まみれってことはないけど気分的に一度リフレッシュしたいのだ。


『え!旦那そんなことしたら汚物まみれというアイデンティティーを失ってしまいますよ。』


「どんなアイデンティティーだよ!」


『そんなことよりステータス確認しなくても良いんっすか?あれだけの大穴を開けれたのならビックスカベンジャーを倒せたと思うっすからステータスも上がってるはずっすよ。』


そんなことってかなり重要なことだと思うよ。


汚物まみれが俺のアイデンティティーかどうかってのは俺にとって非常に重要なのだよ。


ヤスにとってはハッキリさせないほうが良いんだろうな。


そのほうが俺をディスり易いんだから。


まぁ、俺も気になるからステータスを確認するか。


スタータス!!




ステータス


名前 未設定


種族 エロエロマジックスライム(M気質)・・・エロスライムが魔力操作を覚えさらにエロくなることで進化可能な種族、その上M気質の亜種である。


魔力量 3000/2000


ランク F?




スキル 


触手 ビジアンヌの寵愛 ヤス 魔力操作 魔力感知 スライムウィップ 多重魔力吸引 強打


スライムドリル・・・数えきれないスライムウィップと強打の合わせ技多くの魔力を使用する代わりに大ダメージを与える。


エッチな風魔法・・・エッチな行動に補正効果のある風魔法




「オオ、進化しているぞ!どうやらビックスカベンジャーはキッチリ倒したようだな。」


種族名には非常にモノ申したい。


俺はスライムに転生してからもエロさに変化はないのにさらにエロくなったってどういうことだ。


あれかスライムドリルのためにたくさん触手を生やしたのが原因か!


それからM気質ってなんだ。俺はノーマルだ。


もしかしてヤスのディスりに耐えたのが原因か!


話相手がヤスしかいないからと言ってガマンしてたのがまずかったのか!


「ハァハァハァ。」


『そんなに息を切らして何を想像してたんっすか。キモいっすよ。』


こいつのこいつのせいで俺はM気質なんて不名誉な亜種になってしまったんだ。


だがそのことを言ってもどうせこいつは『オイラのお蔭で亜種になれたんすから感謝してくださいっす。』とか言うに決まっている。


『ム、なんか旦那が非常に失礼なことを考えてる気がするっす。』


「ああ、どうやら進化したみたいで種族名が変わっていた。」


どうでも良いヤスの発言はスルー。


『話を逸らそうとしているけど旦那が可哀想なんでのってあげるっす。何の種族に進化したんすか?』


「・・・・マジックスライムだ。」


自分で進化の話を振ったが種族名は言いたくないのだ。


エロエロマジックスライム(M気質)って長いから省略しただけだ。


『なんか隠してないっすか。返事に間があったっす。それに元々エロスライムだった旦那が普通にマジックスライムになるわけないっす。』


「しばらく女にあってないからエロいことしてないからエロが種族名かなくなったんじゃないか?」


そうだよな。エロ本もなければ女性にもあってないのにどうやってさらにエロくなるんだ。


ありえない。これはきっとステータスのバグだな。


『んなわけないっす。旦那のエロがそう簡単に解消されるわけないっす。女性に会えないことで寧ろ悶々として口では言えないようなことを妄想し続けていたに違いないっす。旦那と一心同体のオイラにはわかるっす。』


いやいや、エロの話が出たのは最初のステータス確認のときくらいだろ。


しかも俺のエロさは一般レベルでスライムとしたらエロいって話だったはず。


「俺は普通だぞ。」


『確かに旦那は人間としては一般的のエロさだったっす。ただ一般的な性欲でもずっと我慢しつづけたら爆発するっす。つまりスライムというエロゲーの重鎮に転生した旦那は性欲を発散できずにエロを拗らせているいるはずっす。』


「なわけあるか!」


『騙されないっす。案内人たるオイラは旦那の状態を正確に知る必要があるっす。進化した種族はエロスライムキング、いやマゾマジシャンスライム、もしかして鬼畜スライムソルジャーっすか!』


「違う!エロエロマジックスライムだ!」


なんだエロを拗らせているって!マゾとか鬼畜とか好き放題言いやがってからに。


それにスライムになったんだから性欲がなくなったと考えるほうが普通だろ。


いやエロスライムだからなくならないのか?


でもなくならなかったら発散させようがないよな?


アレ不味くないか。


「・・・あっ。」


しまった勢いで種族名を言ってしまった。ありえねぇ。


しかし、亜種については言ってない。最悪の状況ではないぞ。


『やっぱり、旦那からエロが消えるわけなかったっすね。旦那のアイデンティティーが保たれて安心したっす。』


エロも・・・じゃなくてエロが俺のアイデンティティーなのかよ。


汚物は俺のアイデンティティーじゃないからな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る