第8話 エンカウントしました

ヤスのディスりを強制しようとしたら、なぜかヤスの身体を探す約束をしてしまった。


その上ヤスが女の子ということが判明。


ヤスの話で忘れそうになっているけど、魔力吸収でどのくらいステータスが変わったのか確認するつもりだったんだ。


ステータス!




ステータス


名前 未設定


種族 エロスライム


魔力量 50/50


ランク G




スキル 


触手 ビジアンヌの寵愛 ヤス 魔力操作 魔力感知 スライムウィップ


スキル 多重魔力吸引・・・空気中の魔力を自動で吸収するスキル




「ヤス、見てみろ。魔力量が5倍になっているぞ!」


『はぁ!旦那一体何をやったらそんなことになるんすか。旦那は気絶するたびに強くなるって某戦闘民族でやんすか。』


「多重魔力吸引スキルを使った結果だろ?」


この多重魔力吸引スキルは歩くだけで経験値取得や歩くだけでレベルアップみたいだな。


・・・つまりこれってチートスキルか。


『ああ、そうだったっす。あまりの出来事に忘却の彼方にとんでいってったっす。』


俺のために厳しい言葉を言っているってヤスは言っていたけどやっぱ普通に俺のことディスってるよな。


これ指摘したらまた泣いて永遠とヤスの声が頭にガンガン響くことになるんだよな。


つまりこれからもヤスのディスりを受け続けないといけないのか。


やっぱりこれビジアヌスの呪いじゃね。


乳を触ったくらいで呪いを受けるなんてもっと揉みくちゃに触っとけば良かった。


過去を振り返ってばかりでは前には進めないとも言うし、世界の環境を戻すと言う目標に向かって行動しますか。


まずは意識を失わない程度に多重魔力吸引を発動。


歩くだけで経験値を取得するようなスキルを使わない手はないからな。


魔力量が増えたからか吐き気は来ないな。


『旦那、まさかあのトンデモスキルを使ってるっすか。』


「ああ、魔力を自動で集めてくれるスキルを使わない手はないからな。」


『頼むからまた魔力酔いで気絶しないでくれでやんすよ』


「分かっとるわ!俺だってそう何度も気絶をしたくないわ。」


さすが呪いヤス、安定のディスりをかましてくれる。


ヤスのディスりに構ってばかりもいられないので強化された魔力量が増え強化された身体能力を使ってさらに魔力量をあげるぞ。


「チュー、チューチュー。」


フッフッフ、どうやら俺に魔力を捧げるために餌のほうから俺にところへやって来たようだな。


魔力量が50になった俺はもう貴様らラットからコソコソ逃げ隠れる日々から解放されるのだ。(※決して逃げ隠れはしていません。ラットはチョッカイを出さない限り襲ってきませんから)


「喰らえ!スライムウィップ!」


(ブチ)


高くなった身体能力を受けてスライムウィップは音を立ててラットを叩きつぶした。


「おお、一撃だ。一撃で倒したぞ!」


『ラットも最低ランクGっす。初期の旦那の半分ほどの魔力量のはずっす。魔力量だけでも旦那は十倍っす。その上スキルの効果を考えたら当然の結果っす。』


魔力量だけでなくスキルも重要なんだな。


アレ?ヤスが俺のことをディスってないぞ。


明らかにディスりそうな話題だったのに。


「チューチュー。」


お、また餌がきたぞ。


(ブチ)


「チュー、チューチュー。」


「チュチュチュー。」


今度は二匹か。一匹も二匹も今の俺にはさして変わらんわ。


「ダブルスライムウィップ!」


(※そんなスキルも技もありません。二本の触手で順番にスライムウィップスキルを使っただけです。)


(ブチブチ)


「キーキー」


今度は蝙蝠か。空を飛んでいようとこの狭い空間では意味がないぞ。


「スライムウィップ」


(ブチ)


「キキ、キーキー」


「キキ、キー」


ラットと同じで蝙蝠が二匹来ようと関係ないわ。


「ダブルスライムウィップ!」


(※何度も言いますがそんなスキルも技もありません。二本の触手で順番にスライムウィップスキルを使っただけです。)


(ブチブチ)


「ハッハッハ、見てみろ。まるで俺に魔力を与えるために餌がドンドン集まってくるぞ。」


『旦那、油断していると痛い目見ますぜ。』


「何を言っている。どれだけ来ようと一撃のもと叩き潰してくれるわ。」


「チュ、チュチュチュー。」


早速新たな贄が来たようだ。


「チュチュチュー。」


「チュチュ。」


フッフッフ、さぁドンドン来い。贄達よ。


「チュ、チュチュチュー。」


「キ、キキー。」


「キーキー。」


「キキキキー。」


そろそろ十分じゃないかなぁ~。


「チューチュー。」


「キキキー。」


「よし、戦略的撤退だ。」


『ものは良いようっすね。だから調子に乗ったらダメなんっすよ。』


うるさい。さっさっと撤退だ。


『旦那、旦那。撤退はもう無理みたいっすよ。』


ラットとコウモリの相手に夢中になっている間に後ろにも回り込まれたのが魔力感知を通して分かった。


「やす、分かっていたのなら教えてくれても良いんじゃないか。」


『何言ってんすか。オイラはしがない案内人でっせ。そんなの今分かったに決まってるっすよ。』


俺が周囲の警戒をしてなかったのが悪いのは分かってるけど、俺はできた人間いやスライムじゃないから誰かにあたりたいんだよ。


折角魔力感知で360度警戒できるのに宝の持ち腐れじゃんか。


「こうなったら、突撃して突破口を切り開いてやる。」


『オイラは何もできないっすけど応援してるっす。ガンバレ旦那!』


「食らえ、スライムウィップ!」


(ブチ)


「スライムウィップ、スライムウィップ。」


(ブチブチ)


「チュチュー。」


「キキー。」


「クソ、噛みつくな!イタ・・・くない?オオ、全然痛くないぞ。」


『魔力量の差でダメージが少ないんすかね?いや、旦那身体食べられてないっすか?』


「ん?何しやがる離れろ。スライムウィップ!!!」


クソ、噛みつかれたところがチョッピリ欠けてやがる。血も出てないし痛くないけどどうなってんだ。


『おそらくですけど、スライムは魔力の塊みたいな生物なんで痛みはないのかもしれないっす。ただ魔力を取られているかもしれないっす。』


つまりダメージはないけど魔力量は減るってことか。


「魔力量がゼロになったらどうなるんだ。」


『そりゃもちろん死ぬっす。』


それってダメじゃん。


「ええい。鬱陶しい。喰らえ必殺螺旋スライムウィップ。」


説明しよう。


螺旋スライムウィップとはスライムウィップを使いながら身体を回転させることで周囲にいる敵すべてにダメージを与える必殺技とエロスライムが思い込んでいるものである。


「よっしゃ!突破口が開いたぞ!」


『螺旋スライムウィップはスキルにならなかったっすね。』


毎回毎回スキルには成らないだろ。


俺は身体の表面をキャタプラのように高速回転させ猛スピードで退却した。

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