第53話 ホスト復活①
ゆうこと別れ、部屋を出ると住む所がなくなってしまう。
他の女の所に行く事も考えた。
しかし、ゆうこと同じ結末になる事も予想出来る。
(別れは、どんな相手だったとしても辛い)
そこで俺は、相原に電話を入れて相談をする。
「この間は、ありがとうございました」
「おう、あの女とどうなった?」
「はい、そろそろ潮時かと思って別れます」
「そうだな。他のホストと遊んでるようじゃな~やめとけ、やめとけ」
(相変わらず軽いよなぁ)
いつも相原と話していると深刻な話もたわいもない話に思えてくる。
「そこで、相談が・・・」
「なんだ?仕事か?戻ってくるのか?」
「それも考えいるんですが、住む所がなくなりまして」
「お前、他にも女いただろ?そこは?」
「もう誰とも連絡してなくて、今更って感じでして」
「ばかだな~何が起きるかわからないから常にキープしとけって」
「はあ」
(今はホストじゃないんだけどなぁ・・・)
「それで?」
「相原さん、ヘルプと一緒に住んでいますよね?」
「おう、そこに来たいのか?」
「お世話になれないかと思って」
「狭いぞ」
「寝られれば、他に贅沢は言いません」
「ヘルプも入れて俺と三人だぞ。それでもいいなら来いよ」
「はい。助かります」
「仕事は復帰するのか?」
「まぁ、そのつもりですけど、あそこには戻りたくないんですよ」
「そっか」
「どこか他にいいホストクラブありますせんかね〜?」
「そうか。うちには、来たくないか・・・」
「はい」
「しかし、ほんとにタイミングのいいやつだな」
「え?タイミング?」
「実は、ちょうど店を変わろうかと思っていたとこだ」
「そうなんですか?何故ですか?」
「ま、お前と違って色々あるんだよ」
(何かあったのだろうか?)
「じゃあ一緒に新しい店に入れますか?」
(よかった〜。一人だと仕事にならないもんな)
「引き抜きの話が来ててな。お前の話もしてみるよ」
「お願いします」
「じゃあまた、俺と一緒にやるとするか」
「はい!」
(ゆうこには、やらないといったのに・・・やっぱりホストしかなかったか)
「とりあえず、引っ越して来い。いつにする?」
「明日でも」
「早いな~。じゃ片付けるように言っとくよ」
新しい店は、歌舞伎町でも最大の箱の有名なホストクラブでホストの数も多い人気店。
次の日、相原に連絡する。
「これから荷物持って行きます」
「そっか。早速、社長に話しといたよ」
「それで、どうでした?」
「是非、一緒に来てくれってさ」
「よかったあ」
「支度金として、いくらか用意してくれるって」
「そうですか。助かりますね」
「支度金といっても、バンスといって店への借金で返す金なんだけどな」
「ですよね」
しかし、相原は俺に嘘をついていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます